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客「本人ですけど!」窓口で激怒。それでも銀行員が“身分証の提示”を絶対に譲れないワケ…

  • 2026.4.28
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こんにちは。くまえり銀行員です。

今日は、窓口で実際に起きた「本人確認」をめぐるトラブルについてお話しします。

“本人ですけど?”で凍りついた窓口

ある日の午後。混み合う窓口で、1人の男性が通帳とキャッシュカードを差し出しました。

ごく一般的な手続きに見えましたが、確認のために身分証の提示をお願いした瞬間、空気が変わりました。
「毎回来てるのに、なんで必要なんだ」と、声のトーンは一気に強くなり、周囲のお客様も思わず視線を向けるほどでした。

いわゆる“些細な確認”が、トラブルの引き金になった瞬間です。

なぜ銀行は譲らないのか

正直に言えば、私たち銀行員もこのやり取りが好きなわけではありません。
しかし、ここは絶対に譲れないポイントです。

理由はシンプルで、かつ非常に重いものです。

一つは「犯罪収益移転防止法」などの法令に基づく確認義務(一定額以上の現金取引や口座開設時など)。もう一つは、各銀行の規定に基づく「お客様の資産と安全を守るための独自の防衛策」です。

銀行にとって「確認」はサービスではなく“責務”です。
一度でも確認を怠れば、それが大きな被害につながる可能性があります。

実は多い「なりすまし未遂」

ここはあまり知られていませんが、現場感覚として明確に言えます。
“なりすまし”は珍しくありません。

・家族を装って来店するケース
・通帳やカードを拾得して来るケース
・本人情報を断片的に知っているケース

一見すると違和感がないため、確認を省けば見抜けません。
つまり、窓口での「一手間」は、すでに数多くの未遂を防いできた防波堤でもあります。

怒りの裏にある“ズレ”

先ほどの男性も、最終的には本人確認書類を提示し、手続きは完了しました。
ただ、最後まで納得はされていない様子でした。このとき強く感じるのは、認識のズレです。

・お客様:「疑われている」
・銀行側:「守るために確認している」

このズレがある限り、同じ言葉でも受け取り方が真逆になります。
だからこそ、説明の仕方や伝え方には常に神経を使っています。

読者へのアドバイス

最後に、この記事を読んでくださった方へ。

銀行での本人確認は、決して“疑い”ではありません。むしろ逆です。「あなたの資産を守るための最後の砦」です。スムーズに手続きを進めるためには、以下を意識するとストレスが減ります。

・来店時は本人確認書類を必ず携帯する
・「毎回必要なもの」と前提で考える
・確認=防御であると理解する

ほんの少しの認識の変化で、窓口の空気は驚くほど穏やかになります。

銀行窓口は、単なる手続きの場ではありません。

お金という“人生の基盤”を守る最前線です。その裏側には、表には出ない判断と緊張感が常に存在しています。
だからこそ、私たちは今日も一つひとつの確認を、丁寧に積み重ねています。


ライター:くまえり銀行員
金融機関の窓口業務に携わり、日々さまざまなお客様対応を経験。忙しい日常の中で起こりがちな銀行手続きの行き違いやトラブルを、窓口の内側から見た視点で、読者に寄り添いながら伝えています。「知らなかった」が「なるほど」に変わる瞬間を大切に執筆中。  


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