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雨の日の駅で「人が転んで倒れています!」駅員が現場に急行すると→「お前たちのせいで…」去り際に言われた一言とは…

  • 2026.6.10
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちは。元鉄道駅員の川里です。

今回は、私が駅員時代に体験した「雨の日のトラブル」をご紹介します。構内放送の意味を考えさせられた経験です。

一大事!「通路で人が転んで倒れた」

ある雨の日の午後、改札口に立っていると、列車を下りてきたお客さまからこのような申告がありました。

「駅員さん、上の通路で人が転んで倒れました」

大きな駅ではないので「上の通路」だけでどこのことか理解できました。線路の上をまたいでホームへ向かうための跨線橋です。
「上の通路ですね。わかりました」

同期の駅員に改札を交代してもらい、私が現場へ急行しました。

連絡用の無線機を持ち、できるだけ急ぎながらも自分も転ばないよう走らずに跨線橋へ上がると、しりもちをついたのか痛そうに腰のあたりを押さえる男性がいました。滑ってから私が来るまでには少しの時間があったはずですが、まだ立ち上がれないようです。

濡れた跨線橋

この駅の跨線橋には屋根があり、壁面はガラス張りで開放はできません。

そのため空から降る雨が直接床を濡らすことはありませんが、通行する方の靴の裏が濡れているため、非常に滑りやすくなっています。今回も、おそらく通行する方の靴裏の水分によって床が濡れていたために滑ったのでしょう。

そのため、この日に限らず雨のときは

「雨のため駅構内が滑りやすくなっております。お足もとにご注意ください」

と放送案内で繰り返しています。

何か言っている?

「お客さま、大丈夫ですか?」

しゃがんで声をかけますが、お客さまはこちらを一瞥するだけで、またそっぽを向いてしまいました。出血はしていないように見えたので、すぐさま救急車を呼んだり、救護室へ移動したりする必要はなさそうです。

やがて、上司も跨線橋に上がってきました。改札口を代わった同期から事情を聴いたのでしょう。上司も「立ち上がれますか?」「救急車は必要でしょうか?」と問いかけますが、お客さまはなにかぶつぶつと言っています。

よく聞くと

「お前たちのせいで転んだんじゃないか」

と小さな声で抗議していたのです。

取り残された駅員

こちらの呼びかけに答えてくれず、どうしたものかと思っていると、お客さまが壁の手すりに掴まってゆっくりと立ち上がりました。そしてそのまま、足を引きずりながら改札口へ下りていくエスカレーターに乗って行かれました。

「対応終わりってことでいいんですかね?」

「とりあえず歩けているようだし、いいだろう」という上司の判断でその場は収まりましたが、今振り返ると、万が一後からお怪我が判明するリスクもゼロではなく、ヒヤリとする事案でした。

代わってくれていた同期によると、改札口で何かおっしゃることもなかったそうです。お客さまが頭を打ったりしていなければ、特に気にすることはないのですが…。

その後、少しでも水気を取るために清掃をしましたが、完全に滑りやすくなるのを防ぐことは正直難しく、駅員としても頭を悩ませるトラブルでした。

構内案内はなんのため

ラッシュ時間帯で大勢のお客さまが足早に移動していくとき、躓いてヒヤリとした経験のある方も多いのではないでしょうか。列車が動いているホームだけでなく、駅を観察すると「危ないな」と感じる場面は案外あちこちにあります。

雨の日の注意喚起に限らず、列車の遅延や乗車ホーム変更など、駅の構内放送は様々な情報を発信しています。構内放送をBGMではなく、情報収集の手段として活用していただけると幸いです。意外かもしれませんが、駅員たちも

「できるだけ聞きやすく、わかりやすく放送しよう」

と力を入れています。

『濡れた床を放置しているからだ!』と思ってしまうお気持ちも理解できます。

私たち駅員も清掃や滑り止め対策に尽力していますが、自然現象である雨を完全に防ぐことは難しいのが実情です。

だからこそ、構内アナウンスに耳を傾け、少しだけ足元に意識を向けていただくことが、皆さまご自身の安全を守ることに繋がります。


ライター:川里隼生

鉄道会社の駅係員として8年間、4つの駅を経験しました。コロナ禍やデジタル化を通して移り変わってきた、会社としての鉄道サービスの未来像と、お客様それぞれが求めている鉄道サービスのあり方の両方から学んだことを記事にしていきます。


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