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【ホラー】研修旅行のバスで起きた怪異!霊園を通過するとき、隣の席の女子の“異変”を「僕は誰にも言えなかった…」【作者に聞く】

  • 2026.4.10
バスが霊園の前を通り過ぎた時、何気なくM子さんの顔を見たO君。その表情は凍りついていた…。 画像提供:退屈健(@taikutsu1)
バスが霊園の前を通り過ぎた時、何気なくM子さんの顔を見たO君。その表情は凍りついていた…。 画像提供:退屈健(@taikutsu1)

研修旅行のバス移動。眠気と退屈が漂う車内で、ただ目的地へ向かうだけのはずだった時間が、ある場所を境にじわりと異質なものへ変わっていく。今回紹介するのは、退屈健(@taikutsu1)さんが、友人の実体験をもとに描いたホラー漫画「宿泊研修にて」。霊園の前を通り過ぎたその瞬間、隣の席に座っていた女子生徒に起きた異変とは何だったのか。不気味さが静かに広がっていく一編だ。

何気ないバス移動のはずが、空気が変わった瞬間

宿泊研修にて1-1 画像提供:退屈健(@taikutsu1)
宿泊研修にて1-1 画像提供:退屈健(@taikutsu1)
宿泊研修にて1-2 画像提供:退屈健(@taikutsu1)
宿泊研修にて1-2 画像提供:退屈健(@taikutsu1)
宿泊研修にて1-3 画像提供:退屈健(@taikutsu1)
宿泊研修にて1-3 画像提供:退屈健(@taikutsu1)

物語の舞台は、クラスで向かう研修旅行のバスの中。席はランダムに決められたこともあり、O君の隣に座ったのは、あまり話したことのない女子・M子さんだった。O君はもともとバス酔いしやすく、車内では騒がず、窓の外をぼんやり眺めながら静かに過ごしていたという。クラスメイトたちのざわめきや、どこか浮ついた車内の空気。どこにでもある学生の移動時間に見えるが、だからこそ、その後に起きる異変がじわじわと怖い。

“見えてしまった”のは、O君だけだった

研修先に到着するまで、あと1時間ほど。バスは大きな霊園の前を通り過ぎようとしていた。後ろの席では男子たちがふざけ合い、脅かしっこのようなやり取りをしていた。O君も「なんだ?」と気になって、少しだけ後ろを振り返ろうとする。だが、そのとき視界に入った隣のM子さんの表情に、思わず固まってしまう。

周囲が騒いでいるなか、M子さんは突然泣き出していた。「具合が悪いの?」と心配する声が飛ぶなか、彼女は「霊園を通ったときに急に鳥肌が立って、気付いたら涙が出ていた」と話す。先生から「隣にいてOは何も感じなかったのか?」と聞かれたO君は、「自分は大丈夫」と答える。しかし本当は、霊園の前を通ったその瞬間、彼もまた“何か”を見てしまっていた。

それは、説明のつかない違和感だった。はっきり怪異だと断言できるものではないのに、見た者だけに確実に残る、嫌な気配。その曖昧さが、かえって怖い。

笑っているのに、怖い。その顔が忘れられない

この作品の不気味さを際立たせているのは、M子さんの表情である。泣いているのに、どこか笑っているようにも見える。感情が一致していない顔というのは、それだけで人を不安にさせるものだ。しかも、その異変に気づいていたのがO君だけだったという点が、さらに不穏さを深めている。

もし、あのとき本当に何かが取り憑いていたのだとしたら。もし、霊園の前を通ったほんの一瞬で、彼女の中に“別のもの”が入り込んでいたのだとしたら。明確な答えが示されないからこそ、読み終えたあともじわじわと想像が膨らみ、背筋に冷たいものが残る。

“実話ベース”だからこそ、怖さが現実に近づいてくる

本作は、実際にあった出来事をもとに描かれたエピソードだ。退屈さんによると、「元々は学生時代に姉から聞いていた話だったのですが、今回描くうえで具体的な状況を知るために改めて姉に聞き直しました」とのこと。昔から耳にしていた不思議な話を、あらためて掘り起こし、細部を補いながら漫画として立ち上げたという。

また、描くうえで意識した点については、「不思議でちょっと怖い話として聞いたので、怖い雰囲気を出せるように気を付けました」とコメント。派手な演出ではなく、“なんとなく嫌だ”“妙に引っかかる”という感覚を積み重ねることで、実話怪談らしい生っぽさを生み出している。

取り憑かれたのか、それとも“通り過ぎただけ”なのか

印象に残るポイントについて聞かれると、退屈さんは「その表情に不気味さを感じていただけるように描いたので、そちらに注目していただけたら幸いです!」と語っている。まさに本作の怖さは、その“表情”に凝縮されている。見た瞬間に違和感を覚えるのに、何がどうおかしいのかは説明しづらい。その気味の悪さは、読者の頭の中にじわじわ残り続ける。

M子さんは一瞬、何かに取り憑かれていたのか。それとも、ただ霊園の前で一時的に“拾ってしまった”だけなのか。真相はわからないままだが、多くの霊が集まる場所で、感受性の強い人が何かを受けてしまう――そんな話が、妙に現実味を帯びて感じられてしまうのが怖い。

大きな音も、派手な脅かしもない。ただ、移動中のバスで、隣の席の子の様子が少しおかしかった。それだけなのに、なぜこんなにも気味が悪いのか——。本作は、日常と怪異の境目がいかにあいまいかを思い知らせてくれる。

取材協力:退屈健(@taikutsu1)

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