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【カンヌ国際映画祭2026】コンペに是枝・濱口・深田3監督が選出!各作品のあらすじ、監督コメントをお届け

  • 2026.4.10
『急に具合が悪くなる』6月19日(金) 全国ロードショー© 2026 Cinéfrance Studios – Arte France Cinéma – Office Shirous – Bitters End – Heimatfilm – Tarantula – Gapbusters – Same Player – Soudain JPN Partners

2025年5月12日~5月23日(現地時間)に開催される第79回カンヌ国際映画祭。現地時間4月9日(木)に発表された、オフィシャルセレクション(公式出品作)第一弾では、最高賞パルムドールを競うコンペティション部門に、日本人監督作が3本選出された。日本勢が3本コンペ入りするのは、2001年に今村昌平監督、青山真治監督、是枝裕和監督作品が選出されて以来25年ぶりの快挙。

カンヌ国際映画祭は例年、オフィシャルセレクション(公式出品作)第一弾だけでなく、5月上旬にかけて追加発表があり選出作品が増える。ここではまず、コンペティション部門に入った日本勢のパルムドール候補3本、濱口竜介監督 『急に具合が悪くなる』、是枝裕和監督『箱の中の羊』、深田晃司監督『ナギダイアリー』の各概要、現在わかっているあらすじや監督コメントを紹介する。

なお、コンペティション部門のほかにも、日本勢では黒沢清監督『黒牢城』が「カンヌ・プレミア」部門(2021年に新設された、実力派監督の新作を披露する部門)、岨手由貴子監督『すべて真夜中の恋人たち』が「ある視点」部門(革新的で独自性の高い作品や新進気鋭の監督の作品が出品される部門)に入っている。

濱口竜介監督 『急に具合が悪くなる』

2018年『寝ても覚めても』、'21年脚本賞を受賞した『ドライブ・マイ・カー』に続く3作品目のカンヌ国際映画祭コンペティション部門への選出となった濱口竜介監督 『急に具合が悪くなる』。

原作は、がんの転移を抱えながら生きる哲学者と、臨床現場の調査を積み重ねてきた人類学者が交わした20通の往復書簡『急に具合が悪くなる』(宮野真生子・磯野真穂著/晶文社)。日本、フランス、ベルギー、ドイツによる国際共同製作で、濱口監督としては初めて海外で撮影し、ダイアローグの大半はフランス語で交わされる。

W主演を果たすのは、『ベネデッタ』('21)で大きな注目を集めたヴィルジニー・エフィラと、ハリウッドでも活動する俳優・モデルの岡本多緒。人手不足に悩む老人ホームを経営する女性をヴィルジニーが、末期がんを患う舞台演出家を岡本が演じる。さらに、長塚京三(『敵』)と 黒崎煌代(『見はらし世代』)の強烈な存在感が脇を固める。国籍も言葉も超えて、友情以上の“魂の絆”を結ぶとはどういうことなのか――濱口監督の視点に触れたい。

【あらすじ】
舞台はフランス、パリ。郊外の介護施設「⾃由の庭」の施設長であるマリー=ルー・フォンテーヌは⼊居者を⼈間らしくケアすることを理想としつつ、人手不足やスタッフの無理解などに悩まされている。そんな中、マリー=ルーは森崎真理という日本人の演出家に出会う。がん闘病中の真理の描く演劇に勇気をもらったマリー=ルー。同じ名前の響きを持つ偶然に導かれて、二人の交流が始まる。しかし、あるとき真理は「急に具合が悪くなる」。真理の病の進行とともに、二人の関係は劇的に深まり、互いの魂を通わせ合うようになる⋯⋯。6月19日(金)全国公開。

Daniele Venturelli / Getty Images

濱口竜介監督の公式コメント

「映画『急に具合が悪くなる』の完成と、カンヌ国際映画祭コンペティション部門でのワールド・プレミア決定をご報告したく思います。原作者のお二人にもこの場を借りて、心より感謝致します。ありがとうございました。撮影現場ではヴィルジニー・エフィラさんと岡本多緒さんをはじめとした俳優さんたちの演技に日々、感動していました。キャスト・スタッフの精魂込めた仕事の成果をここから、多くの観客へと届けたいと思います。とても、楽しみです」

写真:2023年ベネチア国際映画祭にて。

是枝裕和監督『箱の中の羊』

是枝監督にとって2023年の『怪物』以来3年ぶり、コンペティション部門に8回目の選出となった最新作『箱の中の羊』。監督・原案・脚本を是枝裕和、主演は綾瀬はるかと、映画初主演となる大悟(千鳥)。

公式の是枝監督のコメントによると、この企画の出発点は、最新のテクノロジーで「死者を蘇らせる」という発想からだったという。「テクノロジーの進化と人間の内面的なものが衝突することに対する賛否についても題材として興味を持ちました」――近い未来、日本に起こりうるかもしれない新たな家族劇を是枝監督がどう描いたのか。期待して待ちたい。

【あらすじ】
物語の舞台は、少し先の未来。子供を亡くしたある夫婦は、息子の姿をしたヒューマノイドを迎え入れることに。「おかえり 翔」「ただいまママ、パパ」再び動き出した家族の時間。やがて一家を待ち受ける、想像を超えた未来とは——。5月29日(金)全国公開。

Laurent KOFFEL / Getty Images

是枝裕和監督の公式コメント

「苦楽を共にしたスタッフ、キャストと一緒にまたあの場所に立てることをまずは喜びたいと思います。久しぶりのオリジナル脚本でもあり、この作品が何を描こうとして、どこに辿り着いたのか?まだ自分でもはっきりとは掴めていないのですが、作品にとっては最高のお披露目の場を頂けたので、船出をしっかり見届けたいと思います」

写真:2025年カンヌ国際映画祭にて。

深田晃司監督『ナギダイアリー』

昨年、カンヌ・プレミア部門に『恋愛裁判』が出品された深田晃司監督の最新作『ナギダイアリー』。深田監督作として初めてコンペティション部門に選出された。

深田監督は、2016年の『淵に立つ』でカンヌ国際映画祭「ある視点」部門の審査員賞を受賞。'20年にオフィシャルセレクション部門に『本気のしるし〈劇場版〉』、'25年にカンヌ・プレミア部門に『恋愛裁判』が選出され、本作で2年連続4度目のカンヌ正式出品となる。

本作は、第39回岸田國士戯曲賞を受賞した平田オリザの代表作「東京ノート」に着想を得て、深田監督が脚本を手掛けた。主演は松たか子、共演に石橋静河、松山ケンイチら実力派が揃う。企画の立ち上げから9年の歳月を経て完成させた意欲作に、注目が集まる。

【あらすじ】
自然豊かな町「ナギ」でひとり創作に打ち込む彫刻家の寄子。ある日、東京と台湾で建築家として活躍する友梨が数日間の休暇をとり、別れた夫の姉である寄子のもとを訪れる。若くして妻を亡くした寄子の幼なじみ・好浩、そして息子の春樹とその親友の圭太。人々との出会いは穏やかな日常に小さな揺らぎをもたらしていく――。 9月25日(金)新宿ピカデリー、ユーロスペースほか全国公開。

Anadolu / Getty Images

深田晃司監督の公式コメント

「私は映画祭をよく魚市場に例えます。そこには獲れたての新鮮な魚たち=映画たちが並び、自分の店にあった作品を探しに世界中から映画を愛する人たちが集まります。ご縁あって、岡山県奈義町産の映画は南フランスの港町の網に引っかかりました。山あいで獲れたこのちょっと珍しい魚を市場の棚に並べようと思った漁師たちの目利きに感謝しています。一方で当然ですが、映画の価値は映画祭のみでは計れません。網にかかった魚とうまいこと網をかいくぐった魚、どちらがより美味しいかなんて簡単に決めてかかれることではありません。ぜひ皆さんご自身で味わってお口に合うか確かめて頂ければ嬉しいです」

写真:2025年カンヌ国際映画祭にて。

John Phillips / Getty Images

コンペティション部門の審査員長はパク・チャヌク!

なお、第79回カンヌ国際映画祭のパルムドールを決める、コンペティション部門の審査委員長は、日本でもおなじみのパクチャヌク監督。韓国人が同審査員長を務めるのは初。

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