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「まさか」会社の表彰式を横目に走る裏方の私。厳格な上司からの『最高のプレゼント』に胸が熱くなった

  • 2026.4.3

筆者の話です。
創立記念パーティで発表される年間優秀社員を、毎年裏方として見送ってきました。
「誰が受賞したの?」と聞く側だった私が、まさか名前を呼ばれるなんて……。

画像: ftnews.jp
ftnews.jp

呼ばれた名前

「年間優秀社員は──」
司会の声に続いて、自分の名前が会場に響きました。
私はそのとき、出入り口で来場者の動きを確認する係をしていました。
創立記念パーティでは毎年、準備や外作業などの担当が多く、表彰式をゆっくり見たことはほとんどありません。
今年は中の担当になり「少し見られるかも」と思っていましたが、実際は人の流れが途切れず、会場内を行き来するだけで精一杯でした。

目が向かない

受付に人が集中すれば列を整え、タイミングを見て扉を開閉する。
ステージから拍手が起きても、そちらを向く余裕はありません。

今年こそ、自分が推薦したメンバーの名前が呼ばれたらいいなと、心の中でそっと願っていました。例年どおり、同僚に「あとで誰が受賞したか教えて」と頼んでいたのです。
自分の名前が呼ばれるとは、少しも思っていませんでした。

思いがけず

周囲がざわめき、同僚がこちらを見ています。
「え? 今、呼ばれたよ」
背中を押されるように壇上へ向かいました。
スポットライトが当たり、状況を理解できないまま立ち尽くします。
紹介VTRが流れ、画面には見慣れた職場の風景が映し出されました。

インタビューに映ったのは、普段は厳しく、ほとんど褒めることのない上司です。
「周囲をよく見ていて、気づいた時にはすでに動いている存在」
その言葉を聞いた瞬間、視界がにじみました。
自分では当たり前だと思っていた動きが、誰かの目に留まっていたのだと知ったからです。

支えの記憶

何を言われたのか細かくは覚えていません。
後日、創立記念パーティのプロジェクトメンバーに頼んで、紹介VTRのデータをもらいました。
社内の端末で再生すると、画面にはあの日流れた上司のインタビューが映っています。

「まかせておけば安心できる存在です」
トラブルが続いた日の業務後、静まり返ったオフィスでその映像を再生しました。

蛍光灯の下、落ち着いた口調で語る上司の声。
壇上では頭が真っ白で届かなかった言葉が、画面越しにゆっくり胸に落ちていきます。
あの日の言葉は、しんどい夜に何度も再生した映像とともに、今も私を支えてくれています。

【体験者:50代・筆者、回答時期:2026年2月】

※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

FTNコラムニスト:Kiko.G
嫁姑問題をメインテーマにライター活動をスタート。社宅生活をしていた経験から、ママ友ネットワークが広がり、取材対象に。自らが離婚や病気を経験したことで、様々な悩みを持つ読者を元気づけたいと思い、自身の人脈や読者の声を取材し、記事として執筆。noteでは、糖尿病の体験記についても発信中。

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