1. トップ
  2. ビジネス・マネー
  3. バイトで“年170万稼ぐ”大学生の息子→「子ども本人の話だろう」と放置していたが…50代父が直面した“予想外の落とし穴”

バイトで“年170万稼ぐ”大学生の息子→「子ども本人の話だろう」と放置していたが…50代父が直面した“予想外の落とし穴”

  • 2026.6.4
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 IFAの石坂です。

大学生の子どもがアルバイトを増やすと、「税金がかかるとしても本人の話」と考えがちです。

しかし、生計を一にする19歳以上23歳未満の子どもがいる家庭では、子どもの収入が親の税金に影響する場合があります。令和8年度の個人住民税から、大学生年代の子どもに関する「特定親族特別控除」が創設されます。

これは、令和7年中の収入をもとに計算される令和8年度の住民税から適用される制度です。子どもの収入が一定額を超えても、親の控除がすぐにゼロになるわけではありません。

ただし、子どもの合計所得金額が増えるほど、親が受けられる控除額は段階的に変わります。給与収入のみの場合は、年収を目安に確認できます。今回は、大学生のアルバイト収入と親の住民税の関係について、事例をもとに見ていきます。

子どものバイト収入が増える前に知りたい親の税金への影響

50代の会社員Aさんには、20歳の大学生の息子がいます。

子どもは飲食店でアルバイトをしており、これまでは年間100万円前後の収入に抑えていました。

ところが、授業の少ない時期にシフトを増やすことになり、このまま働くと年間の給与収入が170万円前後になりそうです。Aさんは「税金がかかるとしても、子ども本人の話だろう」と考えていました。

しかし、令和8年度の個人住民税からは、大学生年代の子どもに関する控除の仕組みが変わります。そのため、子どもの給与収入が増えると、親が受けられる控除額にも影響する可能性があります。

令和8年度の個人住民税では、生計を一にする19歳以上23歳未満の親族について、合計所得金額が58万円以下であれば、特定扶養控除の対象になります。

給与収入のみの場合は、給与収入123万円以下が目安です。この場合、住民税の控除額は45万円です。一方、合計所得金額が58万円を超えて123万円以下であれば、特定親族特別控除の対象になる場合があります。給与収入のみの場合は、給与収入123万円超188万円以下が目安です。

つまり、給与収入が123万円を超えたからといって、親の控除がすぐにゼロになるわけではありません。

ただし、控除額はずっと45万円のままではありません。給与収入123万円超160万円以下なら、特定親族特別控除として控除額は45万円です。

その後、160万円を超えると、控除額は段階的に下がります。たとえば、160万円超165万円以下は41万円、165万円超170万円以下は31万円、170万円超175万円以下は21万円です。

つまり、給与収入が165万円超170万円以下であれば、控除額は31万円です。一方、170万円を超えて175万円以下になると、控除額は21万円になります。

「少し多く働くだけ」と思っていても、令和8年度の住民税で親の控除額が変わる可能性があるのです。なお、実際の住民税額は、親の所得や他の控除、自治体の均等割などによって変わります。

「123万円を超えたら終わり」ではないが確認は必要

今回の制度改正で大切なのは、給与収入が123万円を超えても、親の控除が一気にゼロになるわけではない点です。特定親族特別控除ができることで、大学生年代の子どもが一定額を超えて働いた場合でも、親の控除がすぐにゼロにならない仕組みになります。

ただし、控除額はずっと同じではありません。子どもの合計所得金額が増えるほど、親が受けられる控除額は段階的に小さくなります。給与収入のみの場合は、年収の目安で確認できます。

また、特定親族特別控除に該当する場合、控除は受けられても、税法上の扶養親族としては扱われません。ここは、特定扶養控除との違いとして押さえておきたい点です。

さらに、子ども本人の税金と親の税金は別に考える必要があります。子ども本人に所得税や住民税がかかるかどうかと、親がどの控除を受けられるかは同じ話ではありません。「本人の税金が少ないから、親にも影響は少ない」とは限らないのです。

年齢についても確認が必要です。令和8年度住民税であれば、令和7年12月31日時点で19歳以上23歳未満かどうかを確認します。

また、税金の扶養と社会保険の扶養は基準が異なります。税金では問題が少なく見えても、社会保険の扶養では別の基準にかかる場合があります。年末に近づいてから慌てるのではなく、夏から秋の時点で年間収入の見込みを確認しておくと安心です。

FP視点で見る大学生バイトと家計の確認ポイント

大学生のアルバイト収入は、子ども本人だけの問題ではありません。

親の住民税や所得税にも関係するため、家計全体で見る必要があります。特に19歳以上23歳未満の子どもは、親が受けられる控除額が大きい年代です。

そのため、子どもの収入が少し増えたことで、親の税負担が変わる場合があります。もちろん、税金を避けるためだけに、子どもの働く時間を過度に制限する必要はありません。アルバイトを通じて経験を積むことや、自分でお金を管理する力を身につけることにも意味があります。大切なのは、「いくら稼ぐと、誰にどの影響が出るのか」を家族で共有しておくことです。

確認したいのは、子どもの年間給与収入、親の控除額、子ども本人の税金、社会保険上の扶養です。特定親族特別控除は、大学生年代の子どもが一定額を超えて働いた場合でも、親の控除がすぐにゼロにならない仕組みです。

一方で、子どもの合計所得金額が増えるほど控除額は段階的に変わります。給与収入のみの場合は、年収の目安で確認できます。そのため、令和8年度の住民税通知を見て初めて気づくのではなく、早めに年収の見込みを確認しておくことが大切です。

子どものアルバイト収入は、本人の自由だけでなく、家庭全体の手取りにも関係します。親子で収入の目安を共有しておくことが、翌年の税負担を把握する第一歩になります。


※本記事では「個人住民税(住民税)」をベースに解説しています。国税(所得税)でも同様に特定親族特別控除が新設されますが、所得税の特定扶養控除額(満額63万円)や、段階的に減少する際の控除額の幅(所得税は給与収入150万円超から段階的に減少)は、住民税の数値とは異なります。

の記事をもっとみる