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【専門家が解説】食品から衣服まで!気になるポイント別に見る、“本当に信頼できる”認証ラベルガイド

  • 2026.3.31
wera Rodsawang / Getty Images

買い物をするとき「その製品がサステナブルかどうか」は、いまや購入の決め手のひとつとなってきました。それに伴い、サステナブルを謳う製品が増えていくなかで、もしかしたら、私たちは見せかけの“サステナブル製品”を手に取っているかもしれません。

そこで、サステナビリティに対する高い基準をクリアした製品を見分ける方法として、味方にしたい認証ラベルについて専門家にインタビューしました。オーガニックかどうか、海洋や森林の保護、生産者を知りたい……など、気になるポイント別に専門家が推奨する9つの認証ラベルをご紹介します。

今回、お話をお伺いした専門家は、日本サステナブル・ラベル協会代表の山口真奈美(ヤマグチ・マナミ)さん。

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山口真奈美●環境や社会へのインパクトを考慮したサステナブルな調達・国際水準・認証を軸に、コンサルティング・教育研修やライフスタイルの提案のほか、日本エシカル推進協議会副会長や大学での講師などさまざまな活動にも従事。近著に『サステナブル調達を成功させるための国際認証の教科書』や『エシカルバイブル』など。

“本当に信頼できる”サステナブルな認証とは?

そもそも、世の中に何百と認証ラベルがあるなかで、本当にサステナブルな製品を認証するということはどういうことでしょう? そして、私たちは普段の買い物でラベルを見たときに、そのラベルがサステナブルな製品を真に認証したものかどうか見分けることは可能なのでしょうか? さまざまな認証制度の取り組みを知る山口さんによると、本当に信頼できる認証といえるためには、次の二つをおさえていることが最も重要だと説明します。

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1.第三者がチェックしている(第三者認証制度)ということ。
サステナブルな製品であると生産者や企業自身が自己宣言しているだけではないということです。つまり、第三者認証であるということは、サステナビリティにむけた取り組みに対して客観的な評価が可能であり、明確な基準やエビデンス(根拠や裏付け)があるということを意味します。それは同時に、専門家や有識者が直接チェックしているという証でもあり、信頼性が得やすく、透明性が担保された認証です。

2.環境・社会・経済といった側面を、バランスよくチェックしていること。
例えば、農産物をつくるのにしても、「豊かな自然環境を守りながらつくる」という環境側面、「農家や労働者の権利を保護している」という社会側面、そして、「その農産物が公正な価格で取引されている」といった経済側面の基準があるなど、多面的に生産工程をチェックしていることが大事です。

ただ、これらの条件は普段、私たちが買い物で手に取る製品の認証ラベルを眺めるだけではわかりません。「見せかけのサステナブル製品を購入しないためには、あらかじめ信頼できる認証を知っておくことが大事」と、話す山口さん。ここからは、気になるポイント別に上記二つの条件をクリアした、山口さん推奨の認証ラベルをご紹介します。毎日の買い物のときに、このようなラベルがないかチェックしてみましょう。

専門家推奨の認証ラベルリスト【気になるポイント別】

【衣料・農産物など】本当にオーガニックなのか気になる人へ

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オススメの認証ラベル:GOTS認証ラベル
「繊維製品が正しくオーガニックである」ということを担保する世界的なルールを定めた認証です。

認証ラベルがついている製品
糸や生地、衣類、ホームテキスタイル、ベッド用品、パーソナルケア製品など、認証されたオーガニック繊維を70%以上使用したすべての繊維製品です。コットンだけでなく、ウールや絹など幅広い繊維をカバーします。

この認証のポイント
・「オーガニック繊維」の厳密な定義が未だ曖昧な日本において、国際基準に沿って審査されたオーガニック繊維であることの証です。
・土壌や水質汚染を防ぐだけではなく、有害な農薬散布を止めることで労働者の健康と安全確保にもつながっています。

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オススメの認証ラベル:有機JASラベル
JAS法に基づいて、「農薬や化学肥料などの化学物質に頼らないことを基本として自然界の力で生産された食品」であることを示した認証です。

認証ラベルがついている製品
農産物、加工食品、飼料、畜産物及び藻類。

この認証のポイント
・有機JASラベルを取得することで、日本国内ではじめて「有機」「オーガニック」と名乗ることができます。
・有機加工食品の原材料は、水と食塩を除いて95%以上が有機素材と徹底しています。
・国の登録を受けた認証機関により検査が行われ、私たちの食卓へ届けられます。

【農産物・日用品など】農園の適切な環境管理が行われ、強制労働フリーな製品を選びたい人へ

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オススメの認証ラベル:レインフォレスト・アライアンス認証ラベル
気候変動への対応や人権尊重、農園の労働環境、森林の保護など、多面的に、より持続可能な農業を推進する認証です。

認証ラベルがついている農作物
コーヒー、チョコレートなどのカカオ製品、茶類、バナナ、果物、果汁、ハーブとスパイス、野菜、パーム油、切り花など。

この認証のポイント
・世界の森林破壊の90%近くが農業によって引き起こされているという課題に向き合い、790万人以上(2026年3月18日時点)の生産者と労働者に認証の輪を広げています。
・生産者が、環境・人権保護を促進する適正な農業慣行を将来的にも実施できる基準をもとにした認証制度であり、サプライチェーン企業には市場価格に加えてプレミアム(奨励金)の支払いなどの責任が求められます。

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オススメの認証ラベル:国際フェアトレード認証ラベル
生産者への適正な価格の支払い、労働環境保護、農薬使用規制などの国際フェアトレード基準を満たした製品であることを示す認証です。

認証ラベルがついている製品
コーヒー、紅茶、チョコレート、バナナなどの食品だけでなく、コットン、化粧品類、スポーツボールなども対象です。

この認証のポイント
・国際フェアトレード基準は、生産コストをまかない、持続可能な生産と生活を支える「フェアトレード最低価格」と、生産地域の社会発展のための資金「フェアトレード・プレミアム(奨励金)」を生産者に保証しています。
・生産者が気候変動により変化する環境に、効果的に対応するための知識を学ぶ「気候アカデミー」も導入しています。

【天然/養殖魚などの水産物】海洋環境の未来が気になる人へ

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オススメの認証ラベル:MSC「海のエコラベル」
水産資源と環境に配慮し適切に管理された、持続可能な漁業で獲られた水産物であることを示す証です。

認証ラベルがついている製品
天然の水産物(魚、貝、エビ、イカ、タコ、カニ、ロブスターなど)を使用した製品。

この認証のポイント
・世界の水産資源の3分の1以上は過剰に漁獲されているという課題解決のために、持続可能な漁業のための原則を掲げています。
・認証ラベルのついた製品は、非認証の水産物と混ざらないように管理されています。

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オススメの認証ラベル:ASCラベル
環境と社会に配慮して育てられた養殖水産物を示す認証です。

認証ラベルがついている製品
養殖水産物全般(魚、貝、エビなど)。

この認証のポイント
生物多様性の保全や適切な魚病管理などの原則に基づき、科学的に確立された基準をもとに養殖場は審査を受けます。
・養殖場を検査する認証機関自身も別の独立した機関により認定を受けるチェック体制がつくられています。この審査レポートは一般に公開されるなど、審査プロセスの透明性は高いです。

【紙や家具などの林産物】森林伐採に心を痛めている人へ

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オススメの認証ラベル:FSC®認証ラベル
きちんと管理された森林から生産された林産物や、環境・社会的リスクの低い林産物を使用した製品であることを証明する認証です。

認証ラベルがついている製品
トイレットペーパー、パンフレット、ノート、家具などのほかに天然ゴムやキノコ、果実、布地などもカバーしています。

この認証のポイント
・身近なショッピング用の紙袋、文房具、食品パッケージから家具まで、幅広い製品に普及が進んでいます。
・安価で輸入される木材や紙などが違法伐採されたり、調達のプロセスで先住民の人権が守られていなかったりする林産物を見分ける目印になります。

【洗剤や石鹸、マーガリンなどの油】人間と生き物との共存が気になる人へ

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オススメの認証ラベル:RSPOラベル
熱帯雨林やそこに棲息する生物の多様性、森林に依存する人々の生活に悪影響をおよぼさないことを目指して生産されたパーム油とパーム油を原料とした製品であることを示す認証です。

認証ラベルがついている製品
マーガリン、ショートニング、パン、お菓子類、カップ麺、洗剤、石鹸、シャンプー、化粧品など。パーム油、パーム核油とそれらの派生物を原料とした製品をカバーしています。

この認証のポイント
・インドネシアやマレーシアの原生林を伐採した大規模農園で生産される際、問題視されている環境破壊や人権侵害の解決に貢献しています。
・大規模農園の改善のみならず、小規模農家の参加を支援する仕組みもつくっています。

【農産物・養殖水産物など】生産者が誰か気になる人へ

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オススメの認証ラベル:GGN認証ラベル
食品の安全性と生産地の透明性の確保を中心に、持続可能な未来を目指す農業生産工程管理を推進する認証です。

認証ラベルがついている製品
農産物、養殖水産物、花(花卉)。

この認証のポイント
・GGNラベルに記載されている13桁の番号を公式ウェブサイトで検索すると、生産者の情報(従業員数、設立年数など)、生産場所、そこで生産されている製品を確認することができます。
・生産地の様子が写真で見えるなど、まさに「生産者の顔の見える」買い物を体験できます。

今日からできる!認証ラベル製品のある生活

環境や社会にいいとは理解できるものの、「値段が高い」「売っていない」「種類が少ない」などのハードルがあり、なかなか認証ラベルのついた製品に手を出しにくいという人もいるのではないでしょうか。

でも、以前よりも認証ラベル製品にアクセスしやすくなっています。ここでは、今日からはじめられる認証ラベル製品のある生活へのステップをご紹介します。「大事なのは、日々の生活のなかで楽しみながら、少しずつでも地球の未来のためのいい選択を積み重ねていくこと」と、山口さんはアドバイスします。

「私たちの暮らしは、世界中の人々や生命に支えられ、自然の生態系とバランスをとることで成り立っています。認証ラベル製品を選ぶことは、素敵なストーリーがあるものを選ぶということにもつながります。一人ひとりが、こうした“愛のある選択”をしていくことで、今日も未来もサステナブルであり続けられる、そんな社会にしていけると嬉しいです」

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ステップ1:オーガニック専門店のオンライン販売もチェックしてみましょう。
最近では、オーガニック専門店を見かける機会も増えてきたのではないでしょうか。例えば、ビオセボンや自然食品 F&F、ナチュラルハウス、こだわりやなどでは、日常使いできる幅広いオーガニック製品が並んでいます。

これらの4店舗では、オンライン販売もしています。また、専門店以外でも宅配サービスを活用して認証ラベル製品を購入することもできます。このように、お店が自宅の近くにない場合でも気軽に購入できて便利なのは、嬉しい点です。

ステップ2:安価で入手しやすい冷凍食品をチェックしてみましょう。
あまりイメージがないかもしれませんが、認証ラベルは冷凍食品にもついています。例えば、有機JASラベルのついた冷凍野菜や、MSC「海のエコラベル」・ASCラベルの冷凍魚介類など。生鮮食品と比較して、保存期間も長い傾向にあるので、食品がいたむ前に使い切ることができるなど食品ロス対策にもなりそうです。

ステップ3:「購入頻度の高いもの」から“少量”、取り入れましょう。
すべての製品を認証製品に代替するなど、最初から完璧を目指す必要はありません。例えば、日常的に購入している製品の内、ワンアイテムだけを認証製品に変えてみるのはいかがでしょうか。

毎朝食べるバナナ一点、ほっと一息するときのコーヒーやお茶、自分や子どものお弁当の具材一品など、購入頻度の高いアイテムを一つ変えるだけでも、インパクトは大きいです。ほかにも、利便性を考えて、近くのスーパーで買うことができて、定期的に購入する必要があるトイレットペーパーやティッシュなどの日用品の一つを認証製品に入れ替えるのも選択肢の一つです。

ステップ4:特別なオケージョンに取り入れてみましょう。
誰か大事な人へのプレゼントを選ぶときや、ホームパーティをひらく/招かれたときなど、特別なタイミングに取り入れてみるのはいかがでしょうか。贈り物の定番であるお花、手土産に選びやすいチョコレートやお茶など、生産者のこだわりとストーリーがつまった一品は選ぶ側の心も温めてくれます。

ギフト以外にも、外食する際に積極的に認証食材を取り扱うレストランを選ぶことも、私たちにできる地球の未来を支えるアクションです。

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