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積極的に身体を動かすことでリズムや安定感を作り出す【中野真矢のライテクベーシックス|ボディアクション】

  • 2026.3.25

スポーツライディングではフォームを意識することが大切。その理由のひとつは、積極的に身体を動かしながらマシンをコントロールすることが、走りにリズムをもたらすから。ガチガチに固まって乗っていると、いろんな操作のタイミングが掴めません。大袈裟すぎるのはダメですが、マシンの上でしっかり動くことを心がけてみましょう。

しかし、カタチとしてのフォームにばかり気を取られると、ハンドルにしがみついたり、体重を腕で支えてしまいがち。下に挙げた切り返しのようなシーンでは、車体の挙動を乱す入力を加えてしまうことも……。

そこで、正しいフォームをマスターする際、同時に着目してもらいたいのがステップワーク。「バイクは下半身で操る」なんて言葉にも表れていますが、正しいフォームを維持するためには、ステップを踏みつつ身体を支える必要があるからです。

無意識であっても、ライダーは左右のステップを踏んで微妙な調整を繰り返し、〝ヤジロベエ〞のようにバランスを取っています。そして、ステップワークを介しつつ座る位置や身体の姿勢を変え、これによる重心位置の変化でマシンをコントロールしています。

ステップワークに対する理解を深めることは、密接な関係を持つライディングフォームにも好影響を与えると思いますよ。

(中野真矢)

コーナーを立ち上がる時:身体はインに落としたまま、車体だけ立てて加速に備える

タイヤには“摩擦円”という概念があり、左右方向に多くのグリップを使っているときには、前後方向のグリップが大幅に減る。そのため、コーナーの立ち上がりでエンジンのパワーを活かしながら鋭く加速するためには、ホイールスピンやトラクションコントロールの介入を少しでも避けるため、車体をなるべく起こし気味にすることが望ましい。

「起こす→開ける」をごく短時間でスムーズにつなげるためには、身体をイン側に落としたまま車体をスッと起こすのが効果的だ。

大きく開けて加速する時:前輪荷重を増やすために上半身を伏せて頭を前に出す

コーナーの出口付近で、車体が直立に近い状態でフル加速させる段階では、両足でステップを踏み、シートからお尻を浮かせ気味にするのが理想的。

ただ腰を浮かせるのではなく、立ち上がりの段階よりも頭を前に置き、ウイリー(または電子制御システムの介入)を少しでも抑制することを狙う。加速の段階でも荷重を積極的にコントロールし、安定感につなげたい。

立ち上がりで加速する時:後輪のグリップを意識してシートに荷重していく

コーナー進入でフロントブレーキを完全にリリースした直後から、タイヤのグリップに対する意識はリアに多く向けられているが、車体を起こしてスロットルをワイドオープンする段階では、ライダーの姿勢や座る位置も、それまで以上にリアに荷重するように移行。

エンジンパワーによる加速の力とともに後輪を潰し、さらなるグリップを生み出すイメージだ。

S字コーナーを切り返す時:ステップを強く踏み込んでリアサスの反力を利用する

切り返しでは、シートからお尻を浮かせ気味にして一気に体重移動。このとき、ステップ荷重は誰もがやっているが、上手なライダーはリアサスの反動を意識している。

感覚的には、切り返しの初期段階でイン側のステップを踏んでリアサスを縮め、これが再び伸びるのに合わせて反対側に身体を移動するイメージ。リズムを得ることで素早い動作を狙う。

切り返しの間に一瞬加速する高速S字は、スロットルオフのタイミングで重心を移動すれば、サスペンションの反動を効果的に使える。

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