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顧問「ここで終わってしまうかも…」最後の大会、決勝の最終回ツーアウトで目にした『想定外の光景』に「一生忘れません」

  • 2026.4.27
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。
元教員ライターのkntです。

部活動を学校現場から無くそうとする動きも出てきているなか、私は反対派です。

なぜ反対派なのか。それは、中学生が起こすあっと驚くような「想定外」の出来事を、何度も目の当たりにしているからです。

そんな想定外の出来事を起こした生徒のお話をさせてください。

恐ろしい、中学生の底力

部活を指導していく中で、あっと驚くような、いわゆる想定外の出来事に何度も直面してきました。

想定外、いわゆる実力以上の力が出る場面は、必ずといっていいほど、「最後」に訪れます。

最後の総体、土壇場で神がかった出来事がありました。

数年前の野球部での総体、地区予選の決勝戦でそれは起きました。

最終回、一点差で負けている場面、ランナーはいるがもうツーアウト。

打席に立っているのは、中学校から野球を始め、お世辞にも上手とはいえない生徒。

なんとか打ってほしいとスタンドからも、ベンチからもものすごい声援が送られてきました。

私は奇跡を願っていると同時に、ここで終わってしまうかも…という覚悟もできていました。

そんな時、グラウンドから

「ドン」

という破壊音のような打球音が聞こえてきました。

打球はグングン伸び、なんとサヨナラのホームラン!
誰もが想定していなかった出来事が目の前で起きました。

実はその生徒、これまでホームランはおろか、ヒットすら公式戦で打ったことはありませんでした。

スタンドも選手も大興奮。

本人は状況を理解できず、ダイヤモンドを一周。

世界一熱い歓喜の輪ができました。

必然のホームラン

なぜこの生徒が最後にホームランを打てたのか考えました。

公式戦ではヒットもなく、打つことが苦手な生徒だったのに、です。

それは、どんな状況でもコツコツと努力をし、黙々と練習を積み重ねてきたこと。

そして、上手くなりたいという心をもって三年間やってきたからだと思いました。

好きこそものの上手なれ、という言葉を信じ、野球を好きになってもらいたい一心で指導をしてきました。そしてその生徒は一番それを体現してくれたのだと思っています。

あの瞬間は今でも目を閉じれば鮮明に蘇ってきますし、何物にも代えがたい一瞬でした。

そしてもう一つ良い想定外。

普段お仕事の都合で試合を見られないお父様が初めての試合観戦。

そんな奇跡のタイミングで人生初のホームラン。

運営の先生からホームランボールをもらい、その生徒に渡して「ご両親にプレゼントしてきなさい」と伝えました。

一緒にその場にいましたが、その時のご両親の幸せそうな顔も一生忘れません。

部活動がもたらすもの

学生時代に、なにか本気で物事に取り組むことで起こり得ると思っている「想定外」。

本気で物事に取り組むことができる環境である部活動。

そんな部活動がなくなろうとしているのは非常に寂しいものがあります。

中学生の底力はすごいんです。計り知れない、恐ろしい。

そんな出来事を目の当たりにすれば、部活動も最高の教育活動と言えるのではないでしょうか。


ライター:knt
中部の公立中学校で10年、生徒たちと向き合ってきました。
離れて気づいた教員の大変さであったり、現場の先生方への尊敬。現状などをみなさんにお届けします。


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