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現役タクシー運転手「正直に言えば…」→ワンメーターでの利用どう思ってる?意外と知らないドライバーの本音

  • 2026.4.27
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

タクシードライバーとして働いていると「ワンメーターでお願いします」といった短距離利用のお客様に出会う機会は少なくありません。

なかでも印象に残ることが多いのが、高齢の方の短距離乗車です。

日々の業務の中で感じるのは、それらは決して珍しいことではなく、むしろ日常的な光景だということです。

短距離の背景

そんなお客様の行き先はだいたい決まっています。

自宅近くのスーパーやショッピングモール、あるいはかかりつけの医院など。

歩けない距離ではないかもしれません。

しかし体力や天候、荷物の重さを考えるとタクシーを利用する選択肢はごく自然なものです。

特に高齢者にとっては「少しの距離を安全に移動できる手段」として重要な役割を担っていると感じます。

短い=嫌悪感 ではない

正直に言えば、ドライバー側としては長距離の方が売り上げにつながるのは事実です。

だからといって短距離のお客様にネガティブな感情を持つかというと、そうでもありません。

むしろ、その地域で生活をしっかり営んでいる姿を見ることで「地に足の着いた暮らしだな」と感じることもあります。

頻繁に利用される方もいらっしゃいますが、「またこの距離か」と思うことはほとんどありません。

「用事が多いんだろうな」
「この人にとって必要な移動なんだな」

と受けとめる程度です。

タクシーは移動手段であると同時に、生活を支えるインフラの一部でもあります。

その視点で見れば、短距離であっても価値のある利用です。

地方だからこその利用

特に地方では、車がないと生活が成り立たない場面が多くあります。

公共交通機関の本数が少なかったり、移動手段が限られていたりする中で、タクシーは“最後の足”として機能しています。

そうした地域事情を踏まえると、短距離利用が多くなるのも当然の流れと言えるでしょう。

ドライバーとして意識しているのは、距離の長短に関係なく同じサービスを提供することです。
そこで対応を変えてしまえば、それは信頼を損なうことにつながります。

逆に、どんな距離でも丁寧に対応することで「また利用したい」と思っていただける可能性が高まります。

利用する側としても、少し意識するだけでお互いに気持ちの良いやり取りになります。

例えば、行き先を簡潔に伝える、乗降時に一言添える、それだけで車内の空気は柔らかくなります。

距離ではなく、コミュニケーションの質が印象を左右する場面は意外と多いものです。

交通インフラとしての自覚と願い

私自身もいずれ年齢を重ね、免許を返納する日が来るかもしれません。

その時に思うのは「もっと気軽に移動できる環境が整っていてほしい」ということです。

公共交通の利便性が向上し、誰もが安心して移動できる社会になれば、タクシーの役割もまた変化していくでしょう。

短距離乗車はドライバーにとって、単なる短い仕事ではありません。

その背景には、ひとりひとりの生活や事情があります。

そうした日常の一部に関われることこそ、この仕事の本質なのかもしれません。


ライター:成田愛
当時では最年少の21歳で二種免許を取得し、タクシー運転手13年目。 今も現場を走り回りながら執筆活動をしています。 当事者ならではの体験談を得意とし、読みやすさと伝わりやすさを意識して発信することを心がけています。


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