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乗客「アレルギーなんだけど責任とってくれんの?」特別機内食の配膳中のトラブル…→CAが確認すると 直後、予想外の一言に「絶対やめて」

  • 2026.5.2
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

みなさま、こんにちは。元国際線CAの、かくまるめぐみです。

特に長距離の国際線では、お食事のサービスが始まるのを心待ちにしているお客様も多く、CAとしても心を込めてお届けしたいと思う瞬間のひとつです。

しかし、そのサービス中に思わぬ形でトラブルが発生することもあります。

そこで今日は、機内食をめぐって起きた、CAをヒヤッとさせたお騒がせエピソードをご紹介します。

意外と知られていない機内食情報もお伝えしますので、ぜひ最後までお付き合いください。

特別食の配膳は「名前の確認」から!

お食事のサービスがあるフライトでは、通常の機内食とは別に、特別食(スペシャルミール)と呼ばれる、アレルギー対応などの機内食が用意されています。

こうした特別食は、対象となるお客様を間違えることのないよう、通常の機内食よりも先に必ずお名前を確認しながら個別に配膳するのが一般的です。

特別食の配膳ミスは絶対に避けなければならないため、CAにとって細心の注意が求められる大切な作業のひとつ。

この日のフライトでも、数名のお客様から特別食の予約が入っていました。

お食事のサービスが始まると、同乗CAと手分けをしながらそれぞれのお客様に特別食をお届けしていたのですが、そんな私たちCAの様子をじっと観察しているお客様がいらっしゃったのです。

CAも真っ青!「体調が悪くなったら責任とれるの?」

特別食を配膳しながら通路を歩いていると「ちょっと待って。俺にはないの?」と、例のお客様から声をかけられました。

もし、搭載ミス(何かの手違いで、搭載されるはずの特別食が搭載されていない場合など)や、配膳もれがあったら大変です。

そこで「この機内食は、アレルギーなどに対応している特別食です。恐れ入りますが、お客様は特別食をご予約いただいておりましたでしょうか?」と確認しました。

すると「していない。だってそんなこと、知らなかったよ」と。しかもお客様は、こう続けたのです。

「俺、アレルギーがあるんだよ。体調が悪くなったら、責任とってくれるの?」

予期せぬひと言に、焦りを感じたのは正直なところです。

“アレルギー”という言葉が出た以上、CAとしては軽く受け流せません。なぜなら、お客様がフライト中に重篤なアレルギー症状を起こすリスクがあるためです。

とはいえ、機内に搭載されている特別食は、予約されたお客様の分しか準備がありません。そのため、事前予約のない方に特別食を提供することは、物理的に不可能なのです。

当然、事前に予約されたお客様の分を他のお客様にお渡しするわけにもいきません。

CAにできることの限界

私はこのお客様に、特別食の仕組みについて次の点を丁寧にご説明しました。

  • 航空会社のホームページや予約窓口を通じて、事前にお申し込みいただく必要があること
  • 機内でのリクエストには対応できないこと
  • 今回のフライトに搭載されている特別食は、すべて予約済みのお客様のためのものであること

CAとしては、お客様のご要望にはなるべくお応えしたいと思っています。しかし、物理的に準備がない以上、どうにもできないケースがあるのもまた現実です。

こういった場面では、できないことをお伝えしながらも「あなたのことを軽んじているわけではない」という誠意をどう示すかが、CAとしての腕の見せどころといえるでしょう。

アレルギーについては軽視できるものではないので、改めて詳しくお伺いしました。

すると、お客様は少しバツの悪そうな表情で「大袈裟に言ってしまっただけで、特にアレルギーがあるわけじゃないんだ。みんなより早く配っていたから、羨ましくなってしまって」とおっしゃったのです。

その言葉を聞いてホッと胸をなでおろしました。空の旅において機内食はお客様にとって楽しみのひとつであり、特別なものなんだと改めて実感した出来事でした。

とはいえ、アレルギーの虚偽申告は、万が一の際フライト全体に影響を及ぼしかねない危険な行為ですので絶対におやめください。

知っておきたい「特別食」のこと〜安心して機内食を楽しむために

今回のエピソードを通じて、特別食の存在を初めて知った方もいらっしゃるのではないかと思います。そこで、ここでは特別食に関するミニ知識をご紹介します。

特別食の種類は、みなさんが思っている以上に豊富です。

例えば、食物アレルギー(卵・乳製品・グルテンなど)への対応食をはじめ、ヴィーガン食・低カロリー食・糖尿病対応食・幼児食など、さまざまなニーズに応えるメニューが用意されています。

また、ハラールミール(イスラム教)やコーシャミール(ユダヤ教)など、宗教や信条に配慮したものもあります。

ただ、先にもお話しした通り、特別食は事前予約制です。航空会社やメニューによって締め切りの時間は異なりますが、通常フライトの24〜72時間前までに予約が必要なケースが多いです。ご利用の際は、必ずご搭乗予定の航空会社の公式ホームページ等で最新の情報をご確認ください。

アレルギーや食事制限をお持ちの方は、ぜひ特別食の利用を検討してみてはいかがでしょうか。

また、お知り合いで「食事制限があるから、機内食が心配」という方がいらっしゃったら、ぜひ特別食のことを教えて差し上げてくださいね。

持病や食事制限がある方でも、安心して空の上でのお食事を楽しんでいただけたら嬉しいです。


ライター:かくまるめぐみ
大学卒業後、日系航空会社に客室乗務員として入社。国際線をメインに乗務し、世界中を飛び回る。結婚を機に退職し、イタリアへ移住。現在も家族とともにイタリアに在住し、Webライターとして活動。客室乗務員の経験から培った「細やかな心配り」を大切に、コラム記事からSEO記事まで幅広く執筆中。


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