1. トップ
  2. 乗客「別の運転手はやってくれた!」現役タクシー運転手も思わず絶句した“理不尽すぎる要求”とは?

乗客「別の運転手はやってくれた!」現役タクシー運転手も思わず絶句した“理不尽すぎる要求”とは?

  • 2026.5.1
undefined
出典:photoAC(※画像はイメージです)

タクシー運転手として働いていると「それはさすがに無理では…」と感じるご要望を受けることがあります。

今回は、お客様からいただく理不尽な要求と、その裏にある現場のリアルについてお話しします。

「少しならいいでしょ?」が通用しない理由

ある日、40代ほどの男性が乗車したときのことです。

目的地までのルートを確認すると「そこ一方通行だけど入っちゃって」と言われました。

さらに「急いでるからもっとスピード出して」とも。

こうしたお願いは、まあ珍しくありません。ですが当然ながら道路交通法違反です。

私はもちろん「申し訳ありませんができません」とお断りしました。

すると返ってきたのは「別の運転手はやってくれた!」という一言。

この言葉に、戸惑いとやるせなさを感じたことを今でも覚えています。

違反の代償はドライバー個人の負担

タクシー車両自体は会社の所有であっても、交通違反の責任は基本的にドライバー個人にあります。

違反切符も反則金も、自分自身の負担です。

売上を優先するあまり、ごくごく一部ではそうした事例を耳にすることもありますが、現在、業界全体ではドライブレコーダーの普及などによりコンプライアンスが厳しく問われるようになっています。

正直者が損をするような構図

速度超過やルール無視をすれば、回転率が上がり結果的に売り上げにつながることもあります。

短時間でより多くのお客様を乗せられるからです。

その一方で、ルールを守っているドライバーは「融通が利かない」「遅い」と評価されてしまうこともあり、このギャップには悔しさを感じます。

本来は守るべき基準を守っているだけなのに、それがマイナスに受け取られてしまう。

現場では、そんな理不尽さに直面する場面が少なくありません。

私の働く地方ではお客様やドライバー同士の距離が近く、情報が広まりやすい傾向にあります。

「あの人は融通が利く」「この会社は早く着く」といった評判がひとり歩きすると、それが新たな基準として扱われてしまうこともあります。

その結果、ルールを守るドライバーが肩身の狭い思いをすることもあるのです。

変えたくない基準

それでも私は、どんな場面でも道路交通法を守るという姿勢を崩したくありません。

タクシーの役割はただ早く運ぶことではなく、安全に快適に目的地までお送りすることだと考えているからです。

一時的に満足していただくことよりも、安心して乗っていただけること。

その積み重ねが信頼につながるものと信じています。

安全のための線引き

タクシーを利用する際「急いでるから」「少しだけなら」と思うことはあるかもしれません。

ただ、その一言の裏で、ドライバーがどんな判断を迫られているのかを少しだけ想像していただければ嬉しいです。

ルールは、誰かを縛るためではなく、すべての人の安全を守るためにあります。

だからこそ現場では、その線引きを大切にしています。

理不尽な要求に直面することはこれからもあるでしょう。

それでも私は、変わらず『安全第一』でハンドルを握り続けたいと思います。


ライター:成田愛
当時では最年少の21歳で二種免許を取得し、タクシー運転手13年目。 今も現場を走り回りながら執筆活動をしています。 当事者ならではの体験談を得意とし、読みやすさと伝わりやすさを意識して発信することを心がけています。


【エピソード募集】日常のちょっとした体験、TRILLでシェアしませんか?【2分で完了・匿名】