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搬送中…緊急走行で『赤信号の交差点』を通過すると、ピッタリ追走する危険な“1台の車”…運転手の正体とは?

  • 2026.5.2
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちは。ライターのとしです。

70代女性の呼吸苦と発熱で救急要請が入った際、搬送そのものとは別のところで緊張が走る場面がありました。

家族には救急車の後を追わないよう伝えていたのに、搬送中に1台の車が後方から追ってきたのです。

不安が強い場面ほど、危険性が十分に伝わっていないことがある。

そんなことを感じた事案でした。

現場では、息子さんの焦りが少し見えていた

今回の要請は、70代女性の呼吸苦と発熱によるものでした。

通報してきたのは息子さんで、現場では息子夫婦が案内に出てきていました。

その時点から、息子さんはやや落ち着かない様子だったのを覚えています。

傷病者には強い重症感があったわけではありません。

ただ、呼吸苦と発熱があり、医療機関への搬送は必要な状態でした。

救急隊はバイタル確認を進めながら、搬送先となる医療機関の調整に入っていきました。
家族としては、症状そのものだけでなく、その先が見えないことへの不安も大きかったのかもしれません。

現場には、そんな空気が少し漂っていました。

同乗したのは息子さんではなく、息子の妻だった

受け入れ先が決まり、搬送の準備が進む中で、息子さんがそのまま同乗するものと思っていました。

ただ、実際に救急車へ乗ったのは息子さんの妻でした。

息子さんご本人は、自分の車で病院へ向かう流れになっていました。

そのため、救急隊は出発前に「救急車の後はついてこないでください」「信号は必ず守ってください」と再三伝えました。

息子さんの焦りも感じていたため、そこは一度ではなく、繰り返して説明していた場面でした。

病院へ急ぎたい気持ちは分かります。

ただ、搬送中の救急車を追うことは、それだけで大きな危険を伴います。

救急隊としても、そこはかなり意識していたところでした。

赤信号の交差点まで、その車は追ってきた

救急車が出発してから、後方を確認すると1台の車がぴったりとついてきていました。

前方の信号は赤でした。

救急車は緊急走行で反対車線に出て、交差点を通過しました。

ところが、その車もそのまま追走してきたのです。

嫌な予感が当たってしまった、そんな瞬間でした。

助手席の隊員が拡声器で注意を促しても、追走は止まりませんでした。
このままでは危険だと判断し、救急車はいったん路肩へ停止しました。

後ろの車も止まり、確認すると運転していたのは傷病者の息子さんでした。

大きな事故にはなりませんでしたが、一歩間違えれば重大事故につながっていてもおかしくない状況でした。

かなり危ない場面だったと思います。

「伝えた」だけでは、危険性が届いていないことがある

この事案では、救急隊として出発前に注意を伝えていました。

それでも、実際には追走が止まりませんでした。

本人としては、少しでも早く病院へ向かいたい気持ちが強かったのだと思います。

ただ、その不安からの行動が別の事故につながれば、傷病者にも家族にも大きな不利益になります。気持ちは分かるけれど、見過ごせる行動ではありませんでした。

救急車を追わないよう伝えるときは、一般的な注意として言うだけでは足りないことがあります。

なぜ危ないのか。
追走すれば搬送そのものが止まってしまうおそれがあること。

そうしたところまで、もっと具体的に伝える必要があるのだと感じました。

焦っていたとしても、心配だったとしても、絶対に救急車の追走はおやめください。


ライター:とし
元救急隊員。消防で17年、主に救急隊として活動し救急救命士資格を取得。現場経験をもとに、救急の分かりにくい部分を一般向けに噛み砕いて発信しています。


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