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「保護者が今から学校に来る」と涙目になる2年目教諭…思わず“青ざめた電話の内容”とベテランがかけた救いの声とは…

  • 2026.5.22
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちは。元小学校教員ライターの、みずいろ文具です。

日中の学校では、子どもたちの笑い声や元気な声があふれています。
一方で、子どもたちが下校した後の職員室では、保護者対応や翌日の準備、書類作成やテストの採点など、さまざまな仕事が続いています。

今回紹介したいのは、そんな職員室で見た、ある若手教員を支えた先生たちのエピソードです。

放課後、涙目で電話を切った若手教員

ほとんどの保護者の方は、学校に協力的で、子どものことを一緒に考えてくださる方ばかりです。

ただ、時には実現の難しい要望や、あまりにも厳しい言葉を受けることもあります。

特に、経験の浅い若手教員は、保護者から強い言葉を受けると、

「自分の対応が悪かったのかもしれない」
「こうなるのは、普段の自分が力不足だからだ」

と、一人で抱え込んでしまうことがあります。

ある日の放課後のことです。

職員室で仕事をしていると、教員になって2年目の若手女性教諭であるC先生が、電話を切ったあとに青ざめた表情で立ち尽くしていました。

目には、うっすら涙が浮かんでいます。

たまたまそばを通りかかった私が

「どうしたの?」
と声をかけると、

「どうしましょう…」
「Bさんの保護者が、今から学校に来ると言っています」

か細い声で相談してきたのです。

「大丈夫。一緒に対応するから」

話を聞くと、保護者の方はかなり強い口調で、昨年度の担任と比較しながら、C先生の対応について不満を伝えていたようでした。

もちろん、保護者の方にも言い分があります。
わが子のことを思えば、不安や怒りが込み上げることもあるでしょう。

けれど、そのときC先生が一人で対応するには、負担が大きい状況でした。

すると、近くで話を聞いていた50代のベテラン教員である学年主任のD先生が、すぐに声をかけてきました。

「大丈夫。一緒に対応するから」
「一人で聞かなくていいよ」

その言葉を聞いた瞬間、C先生の表情が少しだけゆるみました。

保護者対応は、担任一人で背負うものではありません。
必要に応じて、学年のメンバーや管理職が同席し、事実を確認しながら話を聞くことがあります。

それは、保護者の方を遠ざけるためではありません。
感情的になりすぎず、子どもにとって何がよいのかを、落ち着いて考えるためです。

複数の目で、事実を確認する

その後、学年主任が同席し、保護者の方の話を丁寧に聞くことになりました。

担任だけでは説明しきれないことも、複数の教員が入ることで、事実関係を整理しやすくなります。

「そのとき、教室ではどんな状況だったのか」
「担任はどのような意図で対応したのか」
「今後、学校としてどのように見守っていくのか」

一つひとつ確認しながら話すことで、少しずつ場の空気も落ち着いていきました。

最初は厳しい表情だった保護者の方も、最後には少しトーンをやわらげ、学校での様子に耳を傾けてくださいました。

対応が終わったあと、C先生は深く息を吐きました。

「ありがとうございました…」

疲れ果てた表情でしたが、学年主任のⅮ先生は、

「C先生はよくやったよ、お疲れ様。今日はもう帰ろう」と温かい声をかけていました。

職員室は、担任を支える場所でもある

職員室では、それぞれの先生がたくさんの仕事を抱えています。

授業の準備、ノートの確認、行事の打ち合わせ、保護者への連絡。
自分の学級のことで精いっぱいになる日も、たくさんあります。

それでも、誰かが困っているときには、
「一緒に確認しようか」
「その電話、私が代わってもいいよ」

そんなふうに声をかけ合う場面が、私のいた職員室にはありました。

担任は、子どもたちの前にできるだけ笑顔で立とうと努力しています。
その笑顔を保つためには、担任自身が安心して働ける環境が必要です。

保護者対応も、学級づくりも、決して一人で抱え込むものではありません。

あの日、C先生にかけられた
「大丈夫。一緒に対応するから」
という言葉。

それは、若い担任を守るだけでなく、めぐり巡って子どもたちの教室を守るための言葉でもあったのだと思います。



ライター:みずいろ文具

関東の公立小学校で15年間、子どもたちと向き合ってきました。教室での日々を通して感じた喜びや戸惑い、子どもたちから教わったことを、今は言葉にしています。教育現場のリアルや、子どもたちの小さな成長の瞬間を、やさしい視点でお届けします。


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