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70代一人暮らし女性の救急搬送…救急隊「靴も持っていきますね」→数日後、病院からの連絡に青ざめたワケ

  • 2026.5.23
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちは。ライターのとしです。

救急搬送では、傷病者の状態確認が最優先になります。
ただ実際の現場では、保険証やお薬手帳、靴など、持ち物の扱いにも気を配る場面があります。

今回は、搬送時に持参したはずの靴が退院時に見当たらず、後日連絡が入った事案でした。

発熱と呼吸苦で入った救急要請

今回の要請は、70代女性の発熱と呼吸苦によるものでした。

女性は一人暮らし。通報はご本人からでした。

現場に到着すると、女性は自宅の居室内にいました。

発熱があり、呼吸も苦しそうな状態です。
会話はできましたが、医療機関での診察が必要だと判断しました。

自宅の居室内から担架で移動し、ストレッチャーで救急車内へ収容します。

その時に確認したのが、病院へ持っていく物でした。

本人に確認して靴を持参した

救急搬送では、保険証やお薬手帳、携帯電話などを確認することがあります。

この時は、本人が靴を履かないまま搬送する流れだったため、靴も持参することにしました。

病院で帰宅する時や、院内で移動する時に必要になることがあるからです。

もちろん、勝手に持ち出すわけにはいきません。

本人に「靴も持っていきますね」と声をかけ、確認したうえで救急車へ積み込みました。

良かれと思って行った、いつもの確認の一つでした。

搬送先でも靴のことを伝えた

医療機関に到着後は、女性の状態を引き継ぎました。

発熱や呼吸苦の経過。現場で確認したバイタル。

一人暮らしであること。自宅から担架で搬送したこと。

そうした内容を医師や看護師へ伝えます。

その際、靴を持ってきていることも、本人と医療機関側に伝えました。

救急隊としては、必要な確認と申し送りをしたつもりでした。

女性はそのまま診察を受け、入院となりました。

この時点では、特に問題が起きるとは思っていませんでした。

退院時に「靴がない」と連絡が入った

後日、病院から消防署へ連絡が入りました。

退院時に、女性の靴が見当たらないという内容でした。

搬送時に靴を持っていったはずなのに、どこにあるのか分からない。とのことです。

救急隊としては、本人に確認して靴を持参し、医療機関でも申し送った記憶があります。

それでも、退院時に見当たらないとなれば確認が必要です。

救急車内に残っていないか。
消防署へ持ち帰っていないか。
搬送時の流れの中で、どこかに置き忘れていないか。

改めて確認することになりました。

結果的に、救急車内にも消防署にも靴はありませんでした。

後日、医療機関内で見つかった

その後、靴は医療機関内で見つかりました。

大きな問題にはならずに済みましたが、正直ほっとしました。

救急隊としては、退院時や移動時に困らないようにと思って持参した物です。

ただ、搬送後には診察、検査、入院手続き、病棟への移動など、いくつもの流れがあります。

その中で、荷物の置き場所が変わることもあります。

本人の体調が悪ければ、自分の持ち物をその場で確認するのも難しい。

良かれと思って持参した物でも、搬送後に所在が分からなくなることがあるんです。

持ち物の申し送りも思わぬトラブルになる

この事案で感じたのは、救急搬送では持ち物の申し送りも大切だということでした。

靴一足でも、本人にとっては大事な持ち物です。

退院時に靴がなければ、本人も家族も困ります。

救急隊の大きな役割は、傷病者の状態を医療機関へ正確に伝えることです。

ただ、持参した物についても、できる限り分かる形で伝えておく必要があります。

誰に伝えたのか。
どこに置いたのか。
本人にも伝わっているのか。

小さなことに見えても、後から大きな確認になることがあります。

靴が見つかったことで大きな問題にはなりませんでしたが、持ち物の扱いの難しさを改めて感じた事案でした。


ライター:とし
元救急隊員。消防で17年、主に救急隊として活動し救急救命士資格を取得。現場経験をもとに、救急の分かりにくい部分を一般向けに噛み砕いて発信しています。  

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