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「疲れが溜まっているだけ」と放置しないで!→『血尿』を放置すると危険だった…隠れた“重大な病気”とは?【医師が解説】

  • 2026.4.25
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

尿の色がいつもと違う、赤っぽい、あるいは紅茶のような色をしている……。トイレでそのような異変に気づいたとき、誰しも不安を感じるはずです。「疲れが溜まっているだけかな?」「少し様子を見てみよう」と、自己判断でやり過ごそうとしていませんか?

実は、血尿は体からの重要なサインかもしれません。たとえ痛みや自覚症状がなくても、重大な病気が隠れているリスクがあります。本記事では、泌尿器科医の小内友紀子先生に、血尿の分類や考えられるリスク、そして私たちが今日からとるべき正しい対処法について伺いました。

まずは知っておきたい!血尿の「種類」と仕組み

---そもそも「血尿」にはどのような種類があるのでしょうか。また、なぜ尿に血が混じってしまうのでしょうか?

小内友紀子さん:

「血尿には大きく分けて、尿が赤くなったり、紅茶のような色になるなど、目で見える『肉眼的血尿』と、検査などでみつかる目で見えない『顕微鏡的血尿』の2種類があります。

いずれの血尿も原因が何かを調べずに放置することは、隠れた病気が進行するリスクがあることをご紹介します。

血尿の原因としては、大きく分けて腎臓の糸球体という、尿をろ過する部分から血液が尿の中に混ざってしまう糸球体性の血尿と、尿の通り道から出血することで血液が混ざる非糸球体性の血尿があります。

糸球体性の血尿の場合は出血量も少ないので、直接目で見えないことが多いかと思います。非糸球体性血尿の場合は、腎盂、尿管、膀胱、尿道といった、尿の通り道からの出血が尿に混じるものです。出血の量が多ければ目で見えますが、わずかな出血の場合は目では見えません。」

「ただの膀胱炎」と決めつけるのは危険?考えられる病気

---血尿がある場合、どのような病気が隠れている可能性があるのでしょうか?また、特に注意すべき人はいますか?

小内友紀子さん:

女性で肉眼的血尿の場合、一番多い原因は急性膀胱炎ですが、別の病気が隠れている場合もあります。そのため、血尿を繰り返している方の場合、膀胱炎の症状があってもなくても、一度は泌尿器科を受診して調べてもらってください。

特に50歳以上の方、喫煙者の方(以前喫煙していた方も含む)は要注意です。重大な病気としては糸球体性血尿ではIgA腎症、糸球体腎炎、ループス腎炎など、非糸球体性血尿では膀胱がん、尿路結石、腎盂腎炎、腎臓がん、男性の前立腺疾患などが挙げられます。発見が遅れることで、病気を進めてしまうリスクがあります。」

血尿に気づいたときの正しい対処法と受診の目安

---もし自分で血尿に気づいた場合、どう対処すればよいでしょうか?

小内友紀子さん:

「血尿に自分で気づいた場合、はっきりと膀胱炎の症状があるなら水分を多めにとって、少し休養をとるなどしているとよくなることも多いかと思います。特に膀胱炎の症状がない場合は、前述した別の病気が隠れていることがあるので、血尿が続いている場合は早めに泌尿器科に相談しましょう。

運動については、体調が悪い場合は激しい運動は避けたほうがよいですね。膀胱炎の症状があっても、中高年以上の女性で、血尿を繰り返している場合は特に、膀胱がんなど他の病気が隠れている可能性もあります。内科で抗生物質をもらってすませずに、泌尿器科に相談することをおすすめします。

血尿に気づいても、そのまま無視してしまうのが一番NGです。水分を多めにとる、少し休養をとるなどして、トイレに行った際は尿の様子を観察してください。すぐに泌尿器科にかかれないとしても、近隣の泌尿器科を調べておいて、受診できそうな日に受診されることをおすすめします。土曜日に診療を行なっている医療機関も探しておかれるとよいでしょう。痛みや発熱があり、日常生活が難しい場合は、なるべく早く泌尿器科を受診されてください。」

「なんとなく」で終わらせず、早めの受診を

血尿というサインに対し、「今は痛くないから」「忙しいから」と放置してしまうのが最も危険な選択です。今回のお話から、目に見える血尿だけでなく、目に見えない血尿にも病気が隠れている可能性があることが分かりました。

特に50歳以上の方や喫煙歴のある方は注意が必要です。また、膀胱炎のような症状があったとしても、自己判断で内科などで済ませず、繰り返す場合は泌尿器科へ足を運ぶことが、重大な病気の見落としを防ぐ鍵となります。

「すぐに受診できない」場合でも、まずは近隣の医療機関を調べておくなど、今できる準備を始めましょう。尿の様子を観察し、不安な場合は迷わず専門医に相談してください。


監修者:小内友紀子
公益財団法人ときわ会 常磐病院 泌尿器科 診療副部長、東京女子医科大学病院 泌尿器科 講師、医師、医学博士 女性泌尿器科医師として、普段は女性によくある尿もれから、男性の前立腺癌をはじめとする泌尿器科領域の癌診療まで診療しております。 【資格】医師 / 医学博士 / 泌尿器科専門医・指導医 / 透析医学会専門医・指導医 / 排尿機能学会専門医

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