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「砂糖より体にいい」“はちみつ”を摂り続けた人の末路…→1か月後、29歳女性を待ち受けていた“想定外の異変”【管理栄養士は見た】

  • 2026.4.24
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

スポーツジムの管理栄養士として、栄養面からダイエットや健康維持のサポートをしている工藤まりえです。

「砂糖より体にいい」「GI値が低いから太らない」
SNSやインフルエンサーの発信を通じて、はちみつを砂糖の代わりに積極的に使うダイエット法が広まっています。

確かにはちみつには栄養素や抗菌作用など優れた面もありますが、「自然素材=カロリーゼロ」ではありません。毎朝の大量摂取や寝る前のホットドリンクへの追加を習慣にした結果、気づかないうちに糖質・カロリーオーバーになっていた20代女性の事例をもとに、はちみつの正しい取り入れ方を管理栄養士の視点から解説します。

「白砂糖はダメ」から始まった、はちみつ習慣

「白砂糖は体に悪いらしい」

 SNSでそんな情報を目にしたことがきっかけで、29歳の女性Aさんは砂糖に対して強い抵抗感を持つようになりました。美容や健康に詳しそうなインフルエンサーが「砂糖は老化の原因」「太る元」と発信しているのを見て、「できるだけ避けたほうがいい」と感じたのです。

とはいえ、甘いものを完全にやめるのは難しい。そこでAさんがたどり着いたのが「はちみつ」でした。自然由来で、古くから食べられてきた健康食材。さらに「ビタミンやミネラルも含まれている」「砂糖より体にやさしい」といった情報を知り、「むしろ積極的に取り入れたほうがいいのでは」と考えるようになります。

調べていくうちに、「はちみつダイエット」や「寝る前のはちみつで代謝アップ」といった情報にもたどり着きました。甘いものを我慢せずにいいなんて理想的です。

Aさんはすぐに実践をスタート。日中はカフェオレに砂糖の代わりにはちみつを加え、トーストにはジャムではなくはちみつを塗り、ヨーグルトにもかけるなど、ありとあらゆる甘味をはちみつに置き換えました。さらに夜は、スプーン1杯のはちみつをそのまま食べてから寝るのが習慣に。

「これなら健康的に痩せられるはず」
そんな期待を胸に続けていたこの習慣が、思わぬ結果につながっていきます。

“体にいいのに太る?”見落としていたカロリーの正体

Aさんがはちみつ習慣を始めたきっかけは、「1か月でマイナス3キロ」というSNSの投稿でした。甘いものを我慢せずに痩せられるという内容に惹かれ、「これなら自分にもできそう」とすぐに取り入れたといいます。

しかし、1か月続けても体重に大きな変化は見られません。それどころか、なんとなく体が重い感覚もあり、「やり方が間違っているのかも」と不安になり、栄養相談を利用することにしました。

食事内容を一緒に振り返っていく中で、1日のはちみつの摂取量の多さに驚きました。日中の飲み物や食事に加え、寝る前の習慣も含めると、1日あたり大さじ2〜3杯分。はちみつは大さじ1杯(約21g)あたり約69kcalです。カロリーにして約150〜200kcalを無意識に上乗せしていたことがわかりました。

お話を進めていくなかで、Aさんは「はちみつは太らない」と思い込んでおり、ノンカロリー甘味料のような感覚で捉えていたことがわかってきました。

確かにはちみつのGI値は砂糖よりやや低いものの、主成分はブドウ糖と果糖。エネルギーを持つ糖質であることに変わりはありません。さらに、活動量の少ない夜に摂る習慣も、脂肪として蓄積されやすい条件を重ねていました。“体にいいものだから大丈夫”という思い込みが、結果的にカロリーオーバーを招いていたのです。

はちみつで痩せる?ダイエットとの本当の関係

栄養相談の中で「はちみつを摂ることで痩せる」という明確な栄養学的根拠はない、ということを伝えると、Aさんはとても驚いていらっしゃいました。

SNS上で見た、スリムで美しい女性がはちみつの瓶を抱えながら、スプーンに山盛りのはちみつをパクっと口に入れる動画はなんだったの?と。

はちみつには微量のビタミンやミネラル、抗菌作用などのメリットはありますが、それ自体に脂肪燃焼を促進したり、代謝を大きく高めたりする働きがあるわけではありません。「寝る前に摂ると痩せやすくなる」といった説も、科学的に十分裏付けられているものではないのが現状です。

またSNSでは「はちみつを摂ると睡眠の質がよくなる」といった声も見られますが、これもはちみつ特有の明確な効果が証明されているわけではありません。少量の糖質によって空腹感が和らぎ、眠りにつきやすくなる可能性は考えられるものの、それははちみつに限った話ではなく、あくまで一般的な糖質の作用の範囲です。

一方で、はちみつはれっきとした糖質であり、エネルギー源です。摂取量が増えれば、その分カロリーは確実に積み重なります。つまり、砂糖を“はちみつに変えただけで痩せる”ことはなく、全体の食事バランスや総摂取カロリーの中で考える必要があるのです。

Aさんは、はちみつを「健康にいいから積極的に摂るもの」から、「適量を楽しむ甘味料」へと捉え直しました。量を小さじ1杯程度に抑え、主に日中に取り入れるようにしたことで、体重も徐々に安定していきました。

“自然素材だから安心”“体にいいから太らない”。そんなイメージや、繰り返し発信されるSNSの情報に引っ張られず、冷静に中身を見ることが大切です。ダイエットの結果を左右するのは、特定の食品ではなく、日々の積み重ねなのです。


監修者 工藤まりえ

大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。

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