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「摂取すれば健康になれる」は間違いだった。逆に『オリーブオイル』が体に負担をかける…ついやりがちな“NG摂り方”とは?

  • 2026.4.30
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

かつて話題になった「オリーブオイルダイエット」。健康への意識が高まる中で、今なおオリーブオイルを習慣的に取り入れている方は多いのではないでしょうか。

しかし、「体に良い」という情報を信じて続けているのに、逆に体重が増えてしまった……という声も聞かれます。なぜ、健康に良いとされる油が、太る原因になってしまうのでしょうか。また、体に負担をかけないための正しい付き合い方はあるのでしょうか。

管理栄養士の工藤まりえさんに、よくある誤解と上手な活用法についてお話を伺いました。

オリーブオイルは「体に良い」はず……なぜ太ってしまうの?

---健康のためにオリーブオイルを積極的に摂っているのに、なぜか太ってしまいます。体に良い油であれば、たくさん摂っても問題ないのでしょうか?なぜ太ってしまうのか教えてください。

工藤まりえさん:

「数年前、いや、10数年前でしょうか。“オリーブオイルダイエット”なるものが話題になったこともありましたね。オリーブオイルは「体に良い脂質」として知られ、特に主成分であるオレイン酸は、悪玉コレステロール(LDL)を低下させる作用があり、動脈硬化予防の観点からも有用であるとされています。

しかし、この“体に良い”という側面だけが切り取られ、「多く摂っても問題ない」「むしろ痩せる」という解釈にすり替わってしまうのは問題です。 脂質は1gあたり9kcalで、糖質やタンパク質が各4kcalであるのに比べて倍以上のエネルギーです。そのため、健康効果ばかりに目を向けて摂取量が増えると、容易にエネルギー過多になってしまいます。

体内では、小腸で吸収された脂質は中性脂肪として再合成され、エネルギーとして使われなかった分はそのまま脂肪組織に蓄積されていきます。これは、オリーブオイルのような「質の良い油」であっても基本的には同じで、必要量を超えれば確実に体脂肪として蓄えられるのです。

また、脂質の過剰摂取は消化吸収にも負担をかけます。胆汁の分泌や膵臓の働きが活発になり、体質によっては消化不良や胃もたれといった不調として現れることもあります。「体に良い油」であっても、体の処理能力を超えれば負担になる。これが見落とされがちなポイントです。」

ついついやりがちな「落とし穴」。摂りすぎになるNG習慣とは?

---健康を意識して取り入れているつもりが、逆に体に負担をかけてしまっていることがあるのでしょうか?

工藤まりえさん:

「よく見られるのが、健康のために追加しているつもりが、結果的に摂りすぎているケースです。
例えば、朝にスプーン1杯のオリーブオイルをそのまま飲む、サラダにたっぷりとかけるといった習慣は、一見ヘルシーに思えるかもしれませんが、オリーブオイルは大さじ1杯で約120kcalあるため、日々の食事に上乗せされることでカロリー過多につながります。特に液体の油は満腹感を得にくく、「摂取した実感が少ないままエネルギーだけが増えてしまう」点が問題です。

また、調理面でも誤解が見られます。「オリーブオイルなら多めに使っても大丈夫」と考え、炒め物や焼き料理で油を多用してしまうケースです。
本来は適量で十分なところを、フライパンにたっぷり使用したり、仕上げにたっぷりと回しかけたりすることで、脂質量は大きく増加します。

さらに、胃腸への影響も無視できません。特に空腹時にオイルを単独で摂取する習慣は、胃もたれや吐き気、場合によっては下痢を引き起こすことがあります。脂質は消化に時間がかかるため、消化機能が弱い方や加齢に伴い消化力が低下している方にとっては、負担となりやすいのです。」

「足し算」はもう終わり。健康的なオリーブオイルの摂り方とは?

---では、具体的にどのようにオリーブオイルを取り入れれば、体に負担をかけず健康的に摂取できるのでしょうか?

工藤まりえさん:

「問題はオリーブオイルそのものではなく、“足し算”になっている摂り方にあるといえます。

まず前提として、厚生労働省によると、脂質は1日の総エネルギーの20〜25%程度に収めるのがバランスの良い食事とされています。 例えば1日1800kcal程度を消費する人の場合、脂質は40〜50g程度摂取するのが適切です。

この中にはお肉や魚などの食材由来の脂質も含まれるため、調理油として使える量は限られ、目安は大さじ1〜2杯程度です。この大さじ1~2杯をどう摂取するのかを考えたとき、「足す」のではなく「置き換える」という視点が大切になってきます。
具体的には、バターやマヨネーズ、ドレッシングや食用油を使う場面で、その油をオリーブオイルに置き換えて使用します。既存の脂質を置き換えることで、総摂取カロリーを増やさずに質を改善することができます。

また、オリーブオイルの使い過ぎを防ぐために、「計量する習慣」をつけることも非常に重要です。
ボトルから直接かけると、思った以上にかかってしまうことがあります。小さじやスプレータイプの容器を使うことで、調整しやすくなります。特にスプレータイプの容器は、ワンプッシュで少量の油を広範囲に広げてくれるので、おすすめです。

さらに、摂取のタイミングも工夫しましょう。空腹時に単独で摂るのではなく、基本は食事の中で取り入れるましょう。消化の負担を軽減し、満足感も高まります。
例えば、温野菜に少量かける、魚料理の仕上げに使うなど、「風味づけ」として活用するのがおすすめです。」

「足す」から「置き換える」へ。賢い活用で健康的な食生活を

今回の取材を通じて、オリーブオイルは「摂取すれば健康になれる特別な食品」ではなく、あくまでエネルギー源となる「脂質」であることが改めて分かりました。

健康効果ばかりに目を向けて今の食事に足し算をするのではなく、日々の調理油を置き換えるという視点が、ヘルシーな食生活への近道と言えるでしょう。計量する習慣を身につけ、適量を守りながら、オリーブオイルの風味を楽しんでみてください。


監修者:工藤まりえ
大学にて栄養学と分析化学を専門とし、管理栄養士免許を取得。卒業後は都内飲食系会社にてフードコーディネーターとして勤務。また、管理栄養士としてはスポーツジムに通う方を対象に、体質改善・ダイエットのための栄養指導を実施。短期的な痩身だけではなく、健康的で太りにくい体質への改善を目指した、専門的かつ行動に移しやすいアドバイスを毎月100名程に対して行っている。

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