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医師「高血圧のリスクが高まる」→実は『朝のコーヒー』には要注意…カフェインが身体に及ぼす“3つの異変”とは?

  • 2026.5.23
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

多くの人にとって、毎朝のコーヒーは仕事や家事を始めるための欠かせないスイッチです。しかし、実はその習慣が、心身の不調を招く「隠れた原因」になっているかもしれません。

なぜ、体に良いはずのコーヒーがときに裏目に出てしまうのでしょうか。そして、リスクを避けてカフェインと上手に付き合いながら、習慣を続けるための「ルール」とはどのようなものなのでしょうか。専門家の見解をもとに、正しいコーヒーの楽しみ方を解説します。

毎朝の習慣が裏目に?カフェインが体に及ぼす「3つの作用」

---毎朝コーヒーを飲んで業務に集中するのが日課ですが、この習慣が逆に悪影響を及ぼす可能性があるのでしょうか?また、なぜ体に異変を感じるのか、そのメカニズムを教えてください。

松岡雄治さん:

本来のカフェインの作用が、裏目に出ている可能性があります。カフェインが体内で引き起こす主な作用は以下の3点です。

  • 脳のブレーキ解除:カフェインは、脳を休ませて鎮静させる、いわばブレーキの役割を果たす物質(アデノシン)の働きを邪魔します。眠気覚ましに役立つのはこのためです。
  • 神経の異常興奮:神経は過剰に興奮し、力づくでもクリアな状態を作り出します。
  • 胃酸分泌を促進:カフェインは、食べ物がなくとも胃酸の分泌を促進します。強力な酸が胃壁を直接傷つける懸念があります。

休息を求める体のシグナルを無視して、さらにエンジンをふかすような飲み方をすると、その後の不調につながるおそれがあります。特に朝ごはんを抜いて空っぽの胃にコーヒーだけを入れるような行為は、胃酸による悪影響が予想されます。」

無理は禁物。カフェインの過剰摂取が引き起こす「3つの異変」

---寝不足のときでもコーヒーで無理やり目を覚ますことがありますが、やはり体への負担は大きいのでしょうか?また、過剰に摂取してしまった場合、どのような症状が懸念されるのか具体的に教えてください。

松岡雄治さん:

「寝不足のときにコーヒーを飲むと一時的に覚醒した気になりますが、それは休息を求める体のシグナルを無視している状態です。めまいや動悸、不眠といった中枢神経系の異常や、吐き気・下痢などの胃腸障害を引き起こす可能性があります。

農林水産省などの公的機関も、カフェインの過剰摂取が及ぼしうる影響として以下の3つを指摘しています。

  • 神経と心臓へのダメージ:中枢神経系が過剰に刺激されることで、めまい、心拍数の増加、震え、興奮、不安、不眠症などの健康被害をもたらすおそれがあります。
  • 消化器系の機能不全:胃壁への刺激が限界を超えると、吐き気や嘔吐、下痢といった辛い胃腸症状が現れます。
  • 高血圧:長期に摂取した場合、人によっては高血圧のリスクが高まるおそれがあります。」

明日からできる「カフェインとうまく付き合う」ための3つのルール

---では、健康のためにコーヒーを完全に断つべきなのでしょうか?リスクを知ったうえで、体調不良を防ぎながらコーヒーを楽しむための具体的なルールや考え方を教えてください。

松岡雄治さん:

「いたずらにおそれず、リスクも知っておくことが大切です。実は、コーヒーの適量摂取は死亡リスクを減らすというデータや、消化器疾患に関する研究もあり、8,000人を対象とした大規模な研究では、コーヒーと胃潰瘍や逆流性食道炎との関連性はないとされています。

カフェインの代謝には個人差があります。コーヒーを明日から完全にゼロにする必要はありませんが、身体への負担を最小限に抑えるため、以下のルールを実践してみてください。

  • 1日の上限を守る:成人のカフェイン上限摂取量は1日400mgです。これは、ドリップコーヒーでマグカップ約3杯分(700cc)に相当します。カフェのメニューは含有量が高いものもあるため注意が必要です。
  • 空腹時を避ける:胃腸に問題がなければ基本的には問題ありませんが、不調を感じた場合や、胃腸の病気がある場合には空腹時のコーヒーは控えましょう。
  • 夕方以降は飲まない:カフェインの血中半減期は3〜7時間と長く、体内に長く留まりやすいです。睡眠の質を守るため、夕方以降はカフェインレスの飲み物に切り替えます。

自身のコーヒー摂取量とタイミングから、『自身のカフェインの代謝にかかる時間』について意識してみるのがコツです。個人差を捉えることで、カフェインとうまく付き合っていくことができます。」

ルールを守りながら「豊かなコーヒータイム」を楽しむことが大切

コーヒーを飲む時間は、日々の生活の中での大切なリラックスタイムです。完全にゼロにする必要はありません。大切なのは、自身のカフェイン代謝能力を意識し、摂取量やタイミングをコントロールすることです。上限を守り、空腹時を避け、夜の睡眠を妨げない。この「3つのルール」を意識するだけで、体への負担を最小限に抑えながら、心豊かなコーヒータイムを楽しみ続けられるはずです。


出典:農林水産省 カフェインの過剰摂取について

出典:厚生労働省 食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A ~カフェインの過剰摂取に注意しましょう~

監修者:松岡雄治
麻酔科専門医。総合病院、大学病院、小児専門医療機関での勤務を通じ、幅広い周術期管理に従事。現在は急性期病院で麻酔科医として勤務する。日々、美容領域を含む各診療科の手術に携わっている。医師としての知識と経験を活かして医療系ライターとしても活動し、医療・健康・美容分野の記事執筆、医学論文の解説、商品監修、AI技術開発関連プロジェクトへの参加などの実績を有する。睡眠コンサルタント、睡眠検定1級の資格も保有。

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