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「育休を取らない方がもったいない」社労士が指摘。月給35万円の夫、2週間育休を取っても“手取りはほぼ変わらない”ワケ

  • 2026.4.19
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、社会保険労務士の加藤あゆみです。

「育休を取りたいけど、収入が減るのが不安で…」

男性の育休について、こうしたご相談をいただくことが増えています。奥様から「夫にどう伝えたらいいですか?」と聞かれることも少なくありません。

実は、数字で見てみると「取らない方がもったいない」と言えるほど、パパ育休の経済的サポートは手厚いんです。

「収入が減るから無理」と渋っていた夫

34歳会社員・月給35万円Gさん(仮名)は、第一子の誕生を控え、妻から「2週間でいいから育休を取ってほしい」と頼まれていました。

しかし「育休=給料ゼロ」というイメージがあり、「住宅ローンもあるし無理だよ」の一点張り。

そこで妻が、給付金と社会保険料免除を自分で調べて試算表を見せたところ、Gさんの反応は一変しました。

給付率80%+社会保険料免除=手取りほぼ変わらない

産後パパ育休(出生時育児休業)は、子の出生後8週間以内に最大4週間(28日)まで、2回に分けて取得できる制度です。

育休中は育児休業給付金として賃金の67%が支給されます。さらに、2025年4月からは夫婦ともに14日以上の育休を取得した場合、「出生後休業支援給付金」として13%が上乗せされ、合計80%に。

Gさん(月給35万円)のケースで4週間の育休を試算すると:

  • 育児休業給付金+出生後休業支援給付金(80%):約26万円(非課税)
  • 育休中の社会保険料免除(本人負担分):約5万円
  • 通常月の手取り(税・社会保険料控除後):約28万円

給付金は非課税で、社会保険料も全額免除。実質的な手取り差は月2〜3万円程度にとどまります。2週間の育休なら、その差はわずか1〜2万円です。

「取らない理由」がなくなる時代

「育休を取ると収入が激減する」というのは、もはや過去のイメージです。

短期間の育休であれば家計へのダメージはほぼゼロ。それでいて、産後の一番大変な時期に夫婦で育児に向き合える時間が手に入ります。

さらに、産後パパ育休には労使協定が締結されていれば、一定の範囲で就業できるという柔軟な仕組みもあります。「完全に仕事を離れるのは不安」という方にも取りやすい設計になっています。

妻から夫に伝えてほしい一言

もしパートナーが育休に消極的なら、ぜひ数字を見せてあげてください。厚生労働省の「産休・育休中の経済的支援かんたん試算ツール」に月給を入力すれば、給付金と社会保険料免除の金額がすぐにわかります。

「取ったら損」ではなく、「取らない方がもったいない」。その事実を知るだけで、育休への一歩がぐっと軽くなるはずです。

※本記事は2026年4月時点の制度に基づいています。


執筆・監修:あゆ実社労士事務所
人材育成・キャリア支援を軸に約10年の実務経験を持つ、社会保険労務士/国家資格キャリアコンサルタント。 IT企業の人事として、新卒・若手育成、研修設計、評価・キャリア支援の仕組みづくりに携わる一方、個人では企業や個人に向けたキャリア相談・人事支援を行っている。 これまでに累計100名以上のキャリア面談を実施し、1on1制度設計や面談シートの設計、育成施策の言語化を支援。 近年は生成AIを活用した業務設計・人事業務の効率化にも注力し、「現場で使えること」を前提にしたAI活用の伴走支援を行っている。