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退職金2,000万円を受け取り→「これで老後は安心」と思いきや…10年後、60代男性を直撃した“想定外の事態”【お金のプロは見た】

  • 2026.4.22
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーとして働きながら、日々お金に関するさまざまなご相談に向き合っている中川です。

「退職金があるから老後は安心」
そう考える方は少なくありません。退職金を受け取れば、老後は問題なく過ごせると思いがちです。

しかし、その安心感が思わぬ落とし穴になることもあります。今回は、退職金2,000万円を受け取ったものの、10年後に資産が1,000万円減少した70代男性の事例をご紹介します。

「これで安心」のはずだった退職金2,000万円

今回ご紹介するのは、60代前半で定年退職を迎えたAさん(仮名)です。退職時に約2,000万円の退職金を受け取りました。

住宅ローンは完済済み。大きな借入もありません。年金受給も控えており、「老後資金としては十分だろう」と考えていました。

資産管理について深く考えることはなく、退職金は預貯金として保有します。

「これでお金の心配はなくなった」

当時はそう感じていたといいます。

少しずつ削られていった預貯金

しかし、退職後の生活で少しずつ状況が変わっていきます。

生活費は現役時代と大きくは変わりません。
医療費や交際費、趣味の支出が重なっていきます。

一つひとつは小さくても、毎月数万円の赤字が続く状態となりました。
年金受給後も差は埋まらず、不足分は預貯金から補う生活が続きます。

気づけば10年で1,000万円減少

こうした生活が続いた結果、10年後には資産が約1,000万円減少していました。

年間で約100万円、月では約8万円の取り崩しです。
日々の生活では実感が薄く、「気づいたら減っていた」という状態でした。

退職金という大きな資金を手にしたことで、支出管理への意識が薄れていたのです。

老後支出は「減る」とは限らない

老後は支出が減ると考えられがちです。

しかし実際には、生活水準はすぐには下がりません。
時間が増えることで支出が増えることもあります。
医療費も年齢とともに上昇していきます。

想定より支出が減らないケースは少なくありません。

資産は「取り崩し方」で寿命が変わる

重要なのは資産額だけではありません。
「どのペースで使うか」が大きなポイントになります。

毎年100万円取り崩せば、2,000万円でも20年で尽きる計算です。
ライフプランをもとに取り崩し額を調整すれば、資産寿命は延ばせます。

Aさんにはその視点がありませんでした。
計画のない取り崩しが、資産減少を早めたのです。

「安心」は管理で生まれる

その後、Aさんは家計の見直しに取り組みます。

支出を整理し、固定費を削減。
取り崩しのペースも意識するようになりました。

退職金があること自体は安心材料です。
ただし、それだけで安心とはいえません。

大切なのは、「資産が何年持つのか」を把握することです。

老後資金は減る前提で考える必要があります。
適切に管理することで、将来の不安は大きく変わっていきます。

安心できる老後のために、いま一度ご自身の資産の使い方を見直してみてはいかがでしょうか。


執筆・監修:中川 佳人(なかがわ よしと)(@YoshitoFinance)
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。 20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。 専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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