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“月22万円の年金”で暮らす60代夫婦→「住宅ローンも終わって、十分に暮らせる」はずが…二人を襲った“600万円”の大誤算

  • 2026.4.7
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関勤務の現役マネージャーとして、日々さまざまなお金のご相談に向き合っている中川です。

「住宅ローンも終わったし、年金があれば暮らしていけるはず」
そう考える方は少なくありません。老後の支出は減っていくだろうという前提があるためです。

しかし実際には、その前提が崩れるケースもあります。今回は、年金生活をスタートしたものの、毎月5万円の赤字に直面した60代夫婦の事例をご紹介します。

年金生活のスタート…安心感に包まれていた夫婦

今回ご紹介するのは、60代前半のAさんご夫婦です。

住宅ローンはすでに完済し、退職金と一定の貯蓄もありました。

年金の受給額は、夫婦合わせて月およそ22万円。
「贅沢をしなければ十分に暮らせる」と考えていたそうです。

現役時代は仕事中心の生活でしたが、これからは時間にも余裕が生まれるはずでした。旅行や趣味を楽しみながら、穏やかな日々を過ごすことを思い描いていたといいます。

想定外だった「減らない支出」

しかし、生活が始まると支出は思ったほど減りませんでした。

食費や光熱費は大きく変わらず、在宅時間の増加で電気代は上昇。さらに、医療費や交際費、自宅の修繕費も重なります。

特に医療費は、定期的な通院や薬代が積み重なり、毎月一定額がかかるようになりました。また、時間に余裕ができたことで外出の機会が増え、交際費も想定より膨らんでいきます。

結果として支出は約27万円に。毎月約5万円の赤字となりました。

「少しずつ」の赤字が家計を崩す

月5万円の赤字でも、1年で60万円、10年で600万円になります。

当初は「貯蓄があるから大丈夫」と考えていましたが、取り崩しが続くことで不安が大きくなりました。

「このまま減り続けたらどうなるのか」

その思いが、日々の生活にも影響していきます。必要以上に支出を抑えようとする一方で、生活の満足度が下がってしまう場面も出てきました。

老後の支出は「減る」とは限らない

老後は支出が減るとは限りません。

  • 在宅時間の増加による生活費
  • 加齢による医療費
  • 交際費や趣味費

支出の内容が変わるだけで、総額は大きく下がらないこともあります。この傾向を理解していないと、想定以上に支出が膨らみ、戸惑うことになります。

年金だけに頼る生活のリスク

年金は重要な収入源ですが、それだけに頼るのはリスクがあります。

年金は増えにくい一方で、物価や医療費は上昇する可能性があります。インフレにより家計が厳しくなることもあるのです。

実際にAさんご夫婦も、「年金で足りる」という前提が崩れたことで、将来への不安を強く感じるようになりました。

老後資金は「不足前提」で考える

重要なのは、「不足する前提」で考えることです。

例えば、毎月5万円不足するなら年間60万円。20年で1,200万円が必要になります。

このように具体的な数字で把握することで、必要な準備や対策が明確になります。

「安心できる老後」は準備で変わる

Aさんご夫婦は現在、支出の見直しと資産の使い方を再検討しています。

老後は現役時代とは収入構造が変わります。だからこそ、「どれくらい不足するか」を一度試算してみてください。

その一歩が、不安を減らし、安心した老後生活につながります。


監修・執筆:中川 佳人(なかがわ よしと)(@YoshitoFinance)
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。 20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。 専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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