1. トップ
  2. 『保険料を払わなくてOK』“国民年金の免除”を申請→40年後、年金の見込み額を見て絶句…60代女性を襲った“想定外の誤算”

『保険料を払わなくてOK』“国民年金の免除”を申請→40年後、年金の見込み額を見て絶句…60代女性を襲った“想定外の誤算”

  • 2026.5.17
undefined
出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。FPとして家計相談やお金に関する情報発信を行っている柴田です。

「ねんきん定期便を見て、腰が抜けた……」と語る知人の母の62歳女性・Aさん(仮名)。65歳から受け取れる年金の見込み額は、なんと月5万円台。同世代の友人より2万円以上も少なかったのです。

原因は、20代の数年間にありました。卒業後にアルバイト生活をしていた時期。収入の少なかったAさんは、国民年金保険料の「学生納付特例」と「免除」を申請していたのです。「申請したから払わなくてOK」と思い込み、正社員になってからも気にとめず約40年。

この「未払いのツケ」が老後資金を直撃するとは、夢にも思っていませんでした。

「免除」は「支払い免除」ではなかった

ここが多くの人がつまずくポイントです。

国民年金の免除や学生納付特例は、「保険料を払わなくていい」制度ではなく、あくまで「あとで払うのを待ってあげますよ」という猶予制度。何もせず放置すると、以下のような扱いになります。

  • 全額免除の期間 → 将来の年金額に「半分」しか反映されない
  • 学生納付特例・納付猶予の期間 → 将来の年金額に「まったく」反映されない

学生時代の数年間を放置するだけで、満額受給の場合と比べて、受取総額(65歳〜90歳までの25年間)で約160万円もの差が生じる計算になります。

追納できるのは「10年以内」というルール

そして最大の落とし穴が、「10年ルール」。

免除・猶予された保険料は、10年以内であれば後から納める「追納」が可能です。しかし、11年を過ぎると追納の権利は消滅します。

Aさんが免除を受けたのは約30年前。とうに期限切れで、お金を積んでもどうにもならない状態でした。

さらに注意したいのは、免除を受けてから3年度目以降に追納する場合、当時の保険料に「加算額(利息のようなもの)」が上乗せされる点。先延ばしにするほど、支払う金額も増えてしまうのです。

30〜40代が今すぐやるべきこと

自分の年金記録に「空き」や「猶予」がないか、以下の方法で確認しましょう。

1.ねんきんネット:マイナンバーカードがあれば、スマホから数分でこれまでの納付記録が見られます。

2.年金事務所で相談:電話予約して訪問すれば、職員さんが「受取額はいくらか」「いくら追納すれば年金がいくら増えるか」を試算してくれます。

追納した保険料は、全額が「社会保険料控除」の対象となります。所得税や住民税が軽減されるため、資産形成を考える世代にとって、追納は極めて効率の良い「投資」とも言えるのです。

言い換えれば、「20代のミス」が「60代の暮らし」をジワジワ削る事態になりかねません。もし「そういえば昔、保険料の免除を受けた気がする」という記憶がある方は、「ねんきんネット」を開いてみてください。

まとめ

「もう手遅れ」と肩を落としていたAさんですが、私からのアドバイスで、60歳から65歳まで国民年金保険料を払い続けられる「任意加入制度」を活用することに決めました。

現在は社会保険に入らない形でパートをしているため、収入の中から国民年金保険料を納めています。

老後生活において、年金収入は生活を支える柱です。Aさんは無理なく働いていますが、いつまでも働ける保障はありません。可能であれば、繰下げ受給を選択して年金を少しでも増やそうと頑張っています。

「20代のミス」は、気づいた時が修正のラストチャンスです。もし「昔、猶予の手続きをしたかも」という記憶があるなら、今すぐ年金記録をチェックしてみてください。


出典:日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」

執筆:柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1,200記事以上の執筆実績あり。

の記事をもっとみる