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「妻が65歳になれば年金が増える」安心していた72歳夫→しかし、振込通知を見て青ざめた…夫婦を襲った“40万円”の大誤算

  • 2026.5.19
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

 

こんにちは、マネーシップス代表 IFAの石坂です。

「夫の年金に年40万円ほど上乗せされるから安心」 老後資金の計画を立てる際、そう考えている夫婦は少なくありません。この上乗せは「加給年金」と呼ばれる、いわば年金の“家族手当”のような制度です。

しかし、この手当はある日突然、ピタリと止まります。今回は、見落とすと老後設計が大きく狂ってしまう「夫婦の年金の連動性」について、実際の相談事例を交えて解説します。

7歳下の妻が65歳になった日、夫の通知書を見て絶句

相談に来られたAさん(仮名)は、7歳年下の妻と二人暮らし。

Aさんが65歳になったとき、厚生年金に20年以上加入していた実績から、妻が65歳になるまでの期間限定で「加給年金(※現在の支給額で年約40万円)」が上乗せされました。

Aさんは「妻が65歳になって自分の年金を貰い始めれば、世帯全体の収入はもっと増えるはずだ」と安心し、その40万円を毎月の生活費に組み込んでいました。

しかし、Aさんが72歳、妻が65歳を迎えたときに届いた振込通知を見て言葉を失います。 妻の年金(年約100万円)がプラスされたのと同時に、Aさんの年金から「年約40万円」の上乗せが消えていたのです。

年金は「単純な上乗せ」ではなく「差し替え」

Aさんは「想像していたよりも世帯収入が増えていない」と肩を落としました。 制度を正しく理解していれば当然の切り替えなのですが、理由を知らないと「突然収入が減らされた」ような感覚に陥ってしまいます。

妻が65歳になったタイミングでは、世帯収入の内訳が以下のように「差し替わる」構造になっています。

  • 夫の「加給年金(年約40万円)」が原則終了する
  • 妻自身の「老齢基礎年金・老齢厚生年金」の受給が始まる
  • 条件を満たせば、妻の年金に「振替加算」が上乗せされる

現代の40代・50代妻が直面する「振替加算ゼロ」の現実

ここで最も注意しなければならないのが、3つ目の「振替加算」です。

これは夫の加給年金が終了した後、妻自身の年金に少額の上乗せを行う救済措置ですが、誰にでも支給されるわけではありません。

振替加算の金額は生年月日が若くなるにつれて減額される仕組みになっており、「昭和41年4月2日以後生まれ(2026年現在で60歳未満となる世代)」の方は、振替加算の額がゼロになります。

つまり、現在の40代〜50代の妻を持つ年の差夫婦の場合、「夫の手当(40万円)が消え、妻側へのカバー(振替加算)は一切ない」という、Aさんよりもさらにシビアな現実が待っているのです。

年金の「終了時期」を見落とさないためのチェックリスト

夫婦それぞれの年金額を個別に見るだけでは、老後の収入変化を正確に予測できません。以下のポイントを事前にシミュレーションへ組み込んでおきましょう。

  • 妻の厚生年金加入期間を確認する: 妻自身が厚生年金に20年以上加入して老齢厚生年金を受け取る場合などには、夫の加給年金は最初から支給停止になります。
  • 「年の差」の年数を把握する: 年の差があればあるほど加給年金を受け取れる期間は長くなりますが、その分、終了したときの「一昨年の年収とのギャップ」が大きくなります。
  • 妻が65歳になった時点の「世帯合計額」を試算する: 「夫の年金 + 妻の年金 = ゴール」ではなく、途中で40万円が引かれることを前提に時系列で計画を立てましょう。

まとめ

年金は一度決まれば一生変わらないように見えますが、実際には配偶者の年齢や過去のキャリアによって、受給の構造がダイナミックに変化します。

特に年の差夫婦においては、「夫が65歳になった時点」「妻が65歳になった時点」「どちらかが亡くなった後」の3つのステージで世帯収入が大きく変わります。 「思っていたより少なかった」と後悔しないために、まずはご自身の「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」を活用し、将来のマネープランを時系列で整理してみることをおすすめします。


※本記事は一般的な制度の仕組みを説明したものであり、個別の受給額や条件は、年金加入歴、配偶者の就労状況、生年月日などによって細かく異なります。具体的な試算については、年金事務所や専門家にご相談ください。
※年金制度は法改正により変更される可能性があります。最新の情報は、日本年金機構の公式サイトでご確認ください。

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