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父の死後「築45年・木造2階建て」実家を相続→「とりあえず残しておこう」と放置…3年後、自治体から届いた“1通の通知”に絶句

  • 2026.4.7
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。FPとして主に家計相談やお金に関する情報発信などを行っている柴田です。

先日、相談に訪れたBさん(53歳の会社員・妻と子ども1人の3人暮らし)から、こんな言葉が出てきました。「固定資産税の通知を開いたら、去年の3倍近い金額になっていて……」

Bさんは4年前に父親を亡くし、九州の実家(木造2階建て・築45年)を相続。「売るのも面倒だし、とりあえず残しておこう」とそのまま放置していましたが、昨年、自治体から「管理不全空家」の勧告通知が届き、事態は一変しました。

「管理不全空家」と「特定空家」、何が違う?

空き家には、法律上2つの区分があります。

ひとつは管理不全空家。雑草の繁茂・外壁の汚れ・屋根の一部損傷など「放置すれば危険になりそう」な状態です。2023年の空家等対策特措法の改正で新設されました。

もうひとつは特定空家。倒壊の危険がある・衛生上有害・景観を著しく損なうなど、すでに問題が生じている状態です。勧告・命令を経て、最終的には自治体が強制的に解体し費用を請求する「行政代執行」にまで進む可能性があります。

Bさんの実家は「管理不全空家」の段階で勧告を受けました。特定空家になる前に気づけたのは、まだ救いでした。ただ、放置を続けていれば、いずれ特定空家へと「格上げ」され、本物の負動産になっていたかもしれません。

勧告を受けると、固定資産税はどうなるのか

住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」という優遇制度があります。200平方メートル以下の部分(小規模住宅用地)は固定資産税が通常の6分の1、それを超える部分(一般住宅用地)は3分の1に軽減されています。

管理不全空家・特定空家として勧告を受けると、この特例が解除されます。土地の広さによって税額は2〜6倍に跳ね上がってしまうのです。「6倍」は小規模住宅用地だけに当てはまる最大値で、実際には2〜4倍程度になるケースが多いです。

Bさんの実家の土地は250平方メートルほど。固定資産税はもともと年12万円でしたが、勧告後は約30万円に。「3年前に売っていれば、差額だけで50万円以上は浮いていた」と肩を落としていました。

「相続登記してない」はもう通じない

Bさんにはもうひとつ誤算がありました。父親名義のまま登記を放置していたのです。

2024年4月から相続登記が義務化されました。相続を知った日から3年以内に手続きしないと、10万円以下の過料(罰金)の対象になります。実際に10万円の過料を命じられるケースが少ないようですが、「登記をしなければならない」というルールは変わりません。

また、登記が済んでいないと売却手続きも難航するため、固定資産税の問題と合わさって二重の足かせになります。

解体か売却か、早く動くほど選択肢が増える

空き家の出口は主に「売却」か「解体」の2択です。木造住宅の解体費用の相場は150〜300万円程度ですが、多くの自治体が費用の一部を補助する制度を設けています。また「空き家バンク」に登録することで、格安でも買い手や借り手が見つかるケースもあります。

放置が長引くほど建物は劣化し、解体費用はさらに上がります。倒壊して近隣に被害が出れば損害賠償リスクも生まれます。また、一部の不動産会社では買い取りを行っていますが、保存状態が悪くなるほど、価格も下がってしまうでしょう。「とりあえず残しておく」という判断が、気づけば不動産を負動産へと変えてしまうのです。

まとめ

管理不全空家への勧告・固定資産税の増額・相続登記の義務化の3つが重なると、気づいたときには手が付けられない状況になりかねません。不動産は資産である一方で、管理方法を誤ると負債になります。

「親から受け継いだ家」が「お金を食い続ける負動産」にならないうちに、まず自治体の空き家相談窓口や不動産会社、FPに相談することをおすすめします。早めの一手が、数百万円を守ることに直結するかもしれませんよ!


監修・執筆:柴田 充輝
厚生労働省や保険業界・不動産業界での勤務を通じて、社会保険や保険、不動産投資の実務を担当。FP1級と社会保険労務士資格を活かして、多くの家庭の家計見直しや資産運用に関するアドバイスを行っている。金融メディアを中心に、これまで1200記事以上の執筆実績あり。保有資格は1級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP1級)、社会保険労務士、行政書士、宅地建物取引士など。

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