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子ども2人を育てる40代夫婦→『児童手当は誰でももらえる』と思いきや…夫の昇進後、自治体からの通知に“凍りついたワケ”

  • 2026.5.19
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。金融機関でマネージャーを務めながら、家計や子育て世代のお金のご相談に日々向き合っている中川です。

今回ご紹介するのは、ご主人の昇進をきっかけに児童手当が止まり、改正の谷間に挟まれた8万円分の手当を取り戻せなくなってしまった42歳ワーママAさん(仮名)の体験談です。

2024年6月から9月という、所得制限がまだ生きていた最後の数か月にかかってしまった一家。「うちには関係ない」と感じていたニュースが、後になって家計にのしかかった一件をご紹介します。

「児童手当は誰でももらえる」と信じていた

Aさんは現在42歳のマーケティング職。中3の長女と小5の長男、44歳でメーカー部長のご主人と暮らす共働き家庭です。

「児童手当は子どもがいれば誰でももらえるもの」
そう信じて疑わなかったといいます。

長女が生まれてからずっと振込通知を見ては「子どもの貯金へ」と積み立ててきました。

2024年4月、ご主人が部長に昇進し、世帯年収はそれまでより大きく跳ね上がります。ちょうどそのころテレビでは「2024年10月から児童手当の所得制限が撤廃される」というニュースが繰り返し流れていました。

Aさんは画面を眺めながら、どこか他人事のように感じたそうです。

「うちは今までずっともらえてきたし、関係ない話よね」

6月の現況届で起きた、ヒヤッとする事態

ところが2024年6月、自治体に提出した現況届の判定結果を見て、Aさんは凍りつきます。

「特例給付の所得上限額超過のため、令和6年6月分から不支給」

判定は世帯主、つまり高所得側のご主人の所得で行うルールでした。当時の制度では、所得が一定額を超えると本則給付だけでなく月5,000円の特例給付からも外れる仕組みが存在していたのです。

高校無償化の所得階層や保育料、子ども医療費助成の区分まで連動して上がり、家計は多方面から圧迫されました。

ただAさんは、どこかで楽観していました。

「10月から所得制限がなくなるんだから、数か月は我慢すれば済む話」

実際、2024年10月分以降は所得制限が撤廃され、振込もされています。ところが6月から9月までの4か月分は空白のまま。「あとで相談すればなんとかなる」と書類を引き出しにしまい込みました。

役所で告げられた、「改正の谷間」という現実

Aさんが自治体の窓口を訪ねたのは2025年初夏のこと。担当者は申し訳なさそうに、こう告げます。

「2025年3月31日までの遡及申請期限は、2024年10月改正で新たに対象となった方(高校生年代のお子さんを養育される方や、所得上限超で受給できていなかった方)が、2024年10月分から遡って受給するための期限でした。Aさまの2024年6月から9月分は、改正前ルールで判定された期間にあたります。当時のルールで適法に不支給とされた期間ですので、今回の改正の遡及効果は及ばず、振り返って支給することは難しい状況です」

Aさんの背中に、すっと冷たいものが走ったといいます。改正前のルールで判定された数か月分は支給を受けることができなかったのです。

児童手当法には受給権の時効に関する規定もあり、個別事情によっては自治体ごとの対応が検討される場合もあるとされています。しかし原則は、改正前ルールで適法に不支給とされた期間は還付の対象外と整理されるのです。

「制度は変わる」を、家計の前提にする

2026年5月時点では、児童手当は所得制限なしで全員が受給対象です。しかし改正前ルールで判定された期間の手当は、後から取り戻すには高い壁があります。

大きな昇進や転職など世帯所得が動くタイミングでは、自治体の子育て支援課などに相談してみましょう。

子育て世代にとって数か月分の手当は大切なものです。ニュースを「うちには関係ない」で流さず、自分に関係ないか確認するようにしてください。


※児童手当の不支給判定や申請手続き、過去の支給分に関する取り扱いは、当時の所得状況や自治体によって細かく異なります。不審な点や確認したい事項がある場合は、必ずお住まいの市区町村の子育て支援窓口へ直接ご相談ください。

執筆・監修:中川 佳人(なかがわ よしと)(@YoshitoFinance)
金融機関勤務の現役マネージャー。1級ファイナンシャル・プランニング技能士。 20年にわたり、資産形成や家計管理・住宅ローンなどの実務に携わってきた経験を活かし、記事の監修や執筆を行っている。 専門的な内容を、誰にでもわかりやすく伝えることをモットーとしている。

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