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「家賃より安くなる」“月8万円”で物件購入を検討→しかし、総支払額を見て絶句…30代夫婦が見落としていた“想定外の大誤算”

  • 2026.4.17

 

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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは、マネーシップス代表 IFAの石坂です。

住宅購入のご相談では、「家賃より月々が安くなるなら買った方が得ではないか」というご質問をよくいただきます。確かに、毎月の支払いだけを見ると購入の方が安く見えるケースは多くあります。しかし実際には、金利や返済期間の違いによって、総支払額では大きな差が生まれることがあります。

借入額、金利、期間次第では数百万円単位の差になり、条件によっては1,000万円近い差が出ることもあります。本記事では、FPとしての相談事例をもとに、「月額は安いのに総額は高い」というズレがなぜ起きるのかを解説します。

月8万円で安心した結果…見落としやすい「総額のワナ」

30代後半のご夫婦からのご相談です。現在は家賃9万円の賃貸に住んでおり、「住宅を購入すれば月々の支払いを抑えられるのではないか」と考えていました。

検討していたのは3,500万円の物件です。

住宅ローンは変動金利0.5%・元利均等返済・35年で試算したところ、毎月の返済額は約9.5万円という結果でした。

現在の家賃とほぼ同じ、もしくは少し安い水準です。

この結果を見て、「家賃と同じくらいなら、資産になる分だけ得ではないか」と考え、購入に前向きになっていました。

しかし、総支払額まで確認すると状況は変わります。

この条件で35年間返済を続けた場合、総支払額は約3,950万円となります。ここまでは大きな違和感はありません。

問題はここからです。変動金利は将来的に上昇する可能性があります。

仮に金利が上昇した場合、総支払額は4,300万円前後まで増えるケースもあります。

つまり、当初の想定より数百万円単位で負担が増える可能性があります。(※なお、この金額は金利が上がるタイミングや上昇幅によって変わる点には注意が必要です)

さらに、固定金利(たとえば、1.5%・元利均等返済・35年)で最初から組んだ場合、毎月の支払いは約10.7万円に上がりますが、総支払額は約4,500万円程度で見通しが立てやすくなります。

このケースでは、「月額は抑えられて見えても、総額では高くなる可能性がある」変動金利と、「月額はやや高いが総額が安定する」固定金利との間で、最終的に数百万円規模の差が生まれる可能性がありました。

最終的にご夫婦は、当初の条件のまま購入するのではなく、借入額を見直したうえで再検討することにしました。

月々の支払いだけでなく、将来の金利上昇や総支払額を踏まえると、無理のない範囲に抑える必要があると判断したためです。

結果として、物件価格を見直すことで借入額を抑え、将来の負担増にも対応できる形で購入を進めることになりました。

「月額の安さ」が判断をズラす

このケースでのポイントは、「毎月の支払いだけで判断していたこと」です。

人はどうしても、目の前の負担である月額に注目します。たとえば「家賃9万円→ローン9.5万円」となると、それだけで得に見えてしまいます。

しかし実際には、返済期間が35年と長いため、わずかな金利差でも総額では大きな差になります。

0.5%と1.0%の違いでも、条件によっては300万円前後の差が生じることがあります。

また、変動金利の場合は、最初の返済額が低く見える一方で、将来的に負担が増える可能性があります。

この「後から増える負担」が見えにくいため、判断を誤りやすくなります。

加えて、住宅はローン以外にも固定資産税や修繕費、保険などの費用がかかります。

これらを含めると、実際の月負担は表示されている返済額よりも高くなるケースが一般的です。

住宅購入で失敗しない人は「総額」で判断している

住宅購入では、「毎月いくら払えるか」だけでなく、「最終的にいくら支払うか」を必ず確認する必要があります。

今回のケースでいえば、月額だけを見ると変動金利の方が有利に見えます。

しかし総支払額で見ると、金利上昇によって大きな差が出る可能性があります。

判断のポイントはシンプルです。

まず、複数の金利条件で総支払額を比較することです。次に、金利が上がった場合のシミュレーションも確認しましょう。

また、「月額が1万円違う場合、35年で約420万円の差になる」という視点も重要です。

小さな差でも、期間が長いと大きな金額になります。

住宅ローンは長期の契約になるため、「今の安さ」よりも「将来まで含めた総額」で考えることが必要です。

毎月の負担と総額のバランスを整理したうえで判断することが、後悔を防ぐポイントになります。