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築25年戸建を買った40代夫婦「こんなはずじゃなかった」リフォーム見積もりに青ざめた“思わぬ落とし穴”

  • 2026.5.18
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

最近「光熱費がまた上がった」「リフォーム費用が想像以上に高い」と感じたことはありませんか?2022年頃から続く原油価格や資材費の高騰により、住宅にかかる“維持費”は確実に重くなっています。

その影響は、購入後のリフォームにも大きく及んでいます。特に注意したいのが「物件は安く買って、あとでリフォームすればいい」という考え方です。一見合理的に見える選択ですが、相場の変動を見誤ると、取り返しのつかない誤算につながるケースも少なくありません。

今日は、300万円でリフォームするはずが450万円に膨れ上がり、住み心地も満足度も失った方のエピソードをご紹介します。

「あとで直せばいい」と軽く考えていた40代夫婦

数年前、私が仲介した案件での出来事です。お客様は、40代のAさんご夫婦。築25年の中古戸建を購入されました。内見時、奥様はこう話されていました。

「ちょっと古いですが…リフォームを前提に考えています。価格も抑えられているので、その分で好みに変えたいんです」

実際、この物件は相場よりも約300万円安い価格設定でした。その理由は、主に以下の2点です。

  • 設備の老朽化
  • 使いづらい間取り

購入前には、簡易的なリフォーム見積もりも取得済みでした。

  • 水回りの交換
  • クロスの張り替え
  • 一部の間取り変更

これらを含めて、想定費用は約300万円。

「安く買って、あとで整える」

一見すると合理的で、よくある購入判断です。この時点では、誰が見ても無理のない計画に思えました。

見積もりが1.5倍に…「こんなはずじゃなかった」

引き渡し後、Aさんご夫婦は正式にリフォーム会社へ依頼しました。そこで提示された見積もりに、その場の空気が一気に変わります。

「総額で約450万円になります」

「え?300万円じゃないんですか?」

「申し訳ありません。現在は資材も人件費も高騰しておりまして…」

提示された金額は、当初想定よりも150万円増。約1.5倍という大幅な上振れでした。内訳を確認すると、主な要因は次のとおりです。

  • 木材価格の上昇
  • キッチンやユニットバスなど住宅設備の値上げ
  • 断熱材の高騰
  • 職人不足による人件費の上昇

いずれも2022年以降、急激に変動している項目です。「以前の相場」を前提にした見積もりでは、もはや対応できない状況でした。

さらに問題だったのは、光熱費の上昇です。断熱性能の低い状態のままでは、夏は冷房が効きにくく、冬は暖房費がかさむ。つまり、リフォームを見送れば、日々の生活コストが上がり続ける住宅になってしまう状態でした。

結局リフォーム断念…“中途半端な家”に

Aさんご夫婦は何度も話し合った末、こう判断されました。

「全面リフォームはやめて、最低限だけにします…」

結果として実施したのは、次の工事のみです。

  • 給湯器の交換
  • 一部クロスの補修

当初予定していた、間取りの変更と水回りの全面リニューアルは、すべて見送ることになりました。では、その後の暮らしはどうなったのか。

  • 家事動線が悪く、日々のストレスが増加
  • 断熱未改修のため、冬は寒く夏は暑い
  • 古い設備による使いづらさが残る

「安く買って、あとで快適にする」という目的は崩れ、不便さを抱えたまま住み続ける家になってしまったのです。

リフォーム予定の物件購入は“総額”で判断する

今回のケースからお伝えしたいのは「リフォーム前提の購入は、必ず“総額”で判断するべき」という点です。物件価格+リフォーム費用を、現在の相場で正確に把握することが重要です。

そのために、最低限押さえておきたいポイントは以下のとおりです。

  • 概算ではなく正式な見積もりを購入前に取得する
  • 予算には+20〜30%の予備費を組み込む
  • リフォームをしなくても生活できる状態かを確認する
  • 工事に優先順位をつける(必須か後回しか)

特に近年では、資材費・人件費・光熱費のすべてが上昇傾向にあります。「あとで直せばいい」という考え方は、簡単に数百万円単位の誤算へとつながる時代です。

住宅購入はゴールではなく、あくまでスタート。その後の維持費や改修費まで含めて考えなければ、結果として「住みにくい家を高く買った」という状況に陥ってしまいます。

同じ失敗を避けるためにも、今の相場で、総額で判断するという視点をぜひ忘れないでください。

参考:第4節 原油・原材料価格の高騰(中小企業庁)



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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