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「駅徒歩10分を超えたら買うな」は本当?SNSで広がる“通説”に不動産15年プロが物申す

  • 2026.5.17
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出典元:PIXTA(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。不動産業界歴15年で宅地建物取引士やマンション管理士の資格を持つ、ライターの西山です。

SNSを見ていると「駅徒歩10分を超えたら買うな」といった極端な意見を目にすることはないでしょうか。これから住まいを探す方にとって、駅からの距離は非常に気になるポイントのはずです。

今回は多くの人が信じている「駅徒歩10分の壁」という通説について、不動産売買の現場で見てきた実態をもとに解説します。

徒歩分数と資産価値のリアルな関係性と、エリアの特性

SNSでは「徒歩5分以内でないと資産価値は落ちる」という声がよく見られます。確かに首都圏の中古マンション市場では、徒歩分数が短いほど流通価格が高い水準で取引される傾向はあるでしょう。

しかし、より大きな分岐点になるのは『10分の壁』ではなく『15分の壁』や『バス便利用が必要になるか』という点です。エリアの特性によっても状況は変わり、駅前の商業エリアでは徒歩5分と10分で大きな価格差が生じる一方、落ち着いた住宅地エリアでは徒歩10分までの価格差は緩やかです。

郊外のベッドタウンになると、徒歩分数よりもバス便の運行頻度が重視されるケースもあります。

駅近でも苦戦する物件と駅から遠くても高く売れる物件

徒歩分数だけにこだわって物件を選ぶと、将来の売却で苦戦するリスクがあります。たとえば駅徒歩10分以内でも、1階で専用庭の手入れが行き届いていない物件や、修繕積立金が不足して近い将来の値上げが見込まれる物件は、買い手から敬遠されやすくなります。専有面積が狭くファミリー層の需要を取り込めない間取りも、売却に時間がかかる要因です。

一方で駅徒歩12分でも、総戸数300戸を超える大規模マンションや再開発エリア内の物件は、街の将来性や共用施設の充実度が評価され価格も安定する傾向があります。学区や周辺商業施設の利便性も、駅からの距離を補う重要な要素となります。

資産価値を守るための複合的な物件評価と条件の絞り込み

マンションの売却価格は、徒歩分数だけで決まるわけではありません。立地、築年数、間取りなどの物件スペックに加えて、修繕積立金などの管理状態や市場の動向という複合的な要因で決定されます。「駅徒歩10分以内」というのは一つの目安にすぎないため、物件選びにおいては以下のような要素を掛け合わせて、総合的に評価することが重要です。

  • 立地
  • 物件
  • 管理
  • 市況

将来の住み替えで売却を考えるのであれば、いくつかの条件を組み合わせて物件を選ぶと安心です。目安は駅徒歩10分以内の立地に加え、総戸数100戸以上の規模を持つマンションです。

総戸数が多いほど中古市場での取引事例も増えるため、適正価格の判断がしやすく、買い手も見つかりやすくなります。さらに需要の多い2LDKや3LDKで、専有面積が60〜80平方メートルの、流通しやすい間取りを選ぶと、将来の売却がスムーズに進むでしょう。



筆者:西山雄介(宅地建物取引士・マンション管理士などの資格所有)
不動産業界歴15年。新卒で東証プライム上場のマンションデベロッパーに入社後、計2社で新築・中古販売および管理業務に従事。実務現場を経て管理職も歴任し、組織運営にも携わる。現在はその多角的な視点を活かし、実務解説から不動産投資、法律事務所案件まで、専門性の高いコンテンツ制作・ディレクションを行っている。


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