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「この広さでこの価格?」来日した外国人が絶句…“都内2LDKが3,800万円”に対し「信じられない…」と語ったワケ

  • 2026.5.12
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

海外旅行に行った際、「日本って安いな」と感じたことはありませんか?逆に、日本に来た外国人が「安すぎて怖い」と驚く場面も少なくありません。特に最近は円安の影響もあり、日本の不動産に興味を持つ外国人が急増しています。

ただし、その“安さ”だけで判断すると、思わぬ誤算につながるケースもあります。

今日は、知り合いの不動産会社の担当者が実際に経験した「外国人投資家との住宅探し」で起きた、リアルなエピソードをご紹介します。

「この価格は信じられない」

これは昨年の春頃、円安がさらに加速したタイミングの話です。東京都内で営業している知り合いの不動産会社担当Aさんのもとに、40代の外国人男性から相談が入りました。

「日本で住むためのマンションを探したい」

予算は5,000万円前後。居住用として購入を検討しているとのことでした。Aさんは、都内(23区外)の中古マンションを1件紹介します。条件は以下のとおりです。

  • 約60㎡
  • 2LDK
  • 築25年
  • 価格3,800万円

いわゆる「都下の築古物件」で、相場的にも違和感のない価格帯でした。すると内見前、資料を見た瞬間に男性はこう言ったそうです。

「この広さでこの価格?信じられない…」

詳しく話を聞くと、ロンドンやニューヨークのような大都市では、同条件であれば1億円を超えるのが当たり前とのこと。

「これは安い。すぐ買う価値がある」

そう言い切るほど、当初はかなり前向きな様子だったといいます。

内見で一変…「安い理由」を理解した瞬間

しかし、実際に物件を内見した瞬間、空気が一変します。リビングに入った直後、男性は少し戸惑いながらこうつぶやいたそうです。

「…思ったより狭いですね」

さらに室内を見て回る中で、次々と違和感を口にします。

  • 収納が小さい(クローゼットが1つのみ)
  • キッチンがコンパクトで作業スペースが限られている
  • 浴室も海外基準と比べるとかなり狭い

そして、最後に印象的な一言が出ました。

「この広さで家族で暮らすのは難しくないですか?」

海外では、同じ60㎡でもリビングを広く確保し、収納もウォークインクローゼットなど大型設備が一般的です。一方、日本の住宅は限られた面積を細かく区切る間取りが多く、空間の使い方そのものが大きく異なります。

つまり、同じ面積であっても、住み心地の基準がまったく違うということです。この時点で、当初「安い」と感じていた評価は揺らぎ始め、男性の表情にも明らかな変化が見られたといいます。

「安い=お得」ではなかった…購入見送りの決断

その後も数件の内見を重ねましたが、最終的にその外国人男性は購入を見送りました。理由はシンプルで「価格は安いが、自分の生活水準には合わない」とのこと。

当初は“割安な掘り出し物”と感じていたものの、実際に室内を見ていく中で、住み心地とのギャップに気づいた形です。仮にそのまま購入していた場合、次のようなリスクが想定されていました。

  • 住みにくさから短期間で売却を検討することになる
  • 間取りや設備を改善するためのリフォーム費用(数百万円規模)が発生する
  • 賃貸に出しても、海外基準の広さを求める層には敬遠され、ターゲットが限定される

こうした要素が重なると、売却時の価格下落や追加投資を含め、結果的に500万円〜800万円程度の損失につながる可能性も十分に考えられます。

Aさんも当時を振り返り、こう話していました。

「価格だけで判断していたら、完全にミスマッチでしたね」

“安いから買う”という判断が、必ずしも正解ではない。その典型的なケースだったといえます。

外国人投資家が気づいた「安さの落とし穴」とは

今回のケースから分かるのは、不動産は単純な価格比較だけで判断すると大きくズレるという点です。特に海外との比較では、次の視点を欠かしてはいけません。

  • 1㎡あたりの単価で比較する
  • 居住水準(広さ・設備)を揃える
  • 築年数と将来の修繕コストまで含めて考える

これらを無視して「安いから買う」という判断をしてしまうと、住みにくさによる早期売却や、想定外のリフォーム費用が発生し、結果として数百万円単位の損失につながる可能性があります。

不動産は“価格”ではなく、“その空間でどのような暮らしができるか”で選ぶべきものです。

海外との価格差はあくまで参考程度にとどめ、自分や家族の生活に合うかどうかを軸に判断することが、ミスマッチを防ぐ最大のポイントといえるでしょう。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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