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「こんなはずじゃ…」300万で築45年団地を購入した30代夫婦…リノベ開始1週間後、告げられた“想定外の事実”に絶句…

  • 2026.5.11
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

最近「団地リノベ」という言葉をよく耳にしませんか?古い団地を安く購入し、自分好みにおしゃれにリノベーションする。そんな“コスパ最強のマイホーム”に憧れる方も多いはずです。

SNSでは、無骨なコンクリートと無垢材を組み合わせた空間や、カフェのようなおしゃれなキッチンが並び「これが500万円で手に入るなんて…」という投稿も目立ちます。

しかし、その理想の住まいの裏で、想定外の出費に追い込まれ、生活そのものが崩れてしまったケースも少なくありません。

今日は、総額500万円で理想の家を計画したはずが、最終的に800万円まで膨れ上がった団地リノベのリアルな誤算についてお話しします。

「総額500万円で理想の家に」30代夫婦の計画

これは、私の知り合いが勤務する不動産会社が数年前に対応したお客様の話です。熊本市内にお住まいの30代Aさんご夫妻。

「子どもが生まれる前に、無理のない予算でマイホームを持ちたいんです」

そう少し照れたように話してくれたのが印象的でした。

そんなお二人が見つけたのは、熊本市内にある築45年の団地。価格は約300万円。今の相場から見ると、思わず「掘り出し物」と感じてしまう金額です。内覧を終えた帰り道、ご主人が少し興奮気味にこう言いました。

「安いですよね。ここに200万円くらいかけてリノベすれば、合計500万円で理想の家になりますよね?」

隣で奥様も、スマホで見つけた“おしゃれな団地リノベの写真”を見せながら「こんな感じにできたらいいなって思ってて…」と嬉しそうに微笑んでいました。

手の届く価格で、理想の暮らしが叶う。そんな未来を、本気で信じていた瞬間でした。

見た目だけで決めたリノベ計画

Aさんご夫妻が依頼したのは、リノベーション会社が提案する「内装中心のプラン」でした。

  • クロス(壁紙)の全面張り替え
  • フローリング施工
  • キッチン交換
  • 間取り変更(和室→LDK)

いわゆる“見える部分”を中心に整える内容です。完成イメージは、まさに新築のような仕上がり。ショールームで見たサンプルも洗練されており、ご夫妻はその場でほぼ即決でした。

内覧後の打ち合わせで、ご主人が確認するようにこう尋ねました。

「これなら十分ですよね。配管とかは大丈夫ですよね?」

担当者は少し間を置いて、こう答えます。

「基本的には問題ないケースが多いですよ」

否定ではないものの、確証もない曖昧な返答。しかし、その言葉に深く踏み込むことなく、計画はそのまま進んでいきました。この時点で、見えない部分への確認が止まってしまったことが、後の大きな誤算につながります。

工事開始後に発覚した「見えない地獄」

問題が表面化したのは、工事開始からわずか1週間後のことでした。床を剥がす工程に入ったタイミングで、現場担当者から一本の連絡が入ります。

「すみません、ちょっと状況がよくなくてですね…」

その言葉の意味は、すぐに明らかになりました。

  • 給排水管が錆びつき、すでに耐用年数を超えている状態
  • 床下の木材が湿気により腐食し、強度が低下
  • 電気配線が旧式で、現行の安全基準に照らすと不安が残る

いずれも、内覧では確認できない「見えない部分」の問題です。そして、そのすべてが同時に限界を迎えていました。

説明を受けたAさんは、一瞬言葉を失いながらも、こう答えます。

「…じゃあ、安全に住めるように、直してください」

当然の判断でした。

しかし、その一言で、当初の計画は大きく崩れ始めます。ここから、想定外の追加工事と費用の連鎖が始まることになります。

「追加300万円」…気づけば総額800万円に

提示された追加見積もりは、想像を大きく超える内容でした。

  • 給排水管の全面交換:約120万円
  • 床下補修:約80万円
  • 電気配線のやり直し:約70万円
  • その他調整費:約30万円

合計で、約300万円の追加費用。当初「200万円で収まる」と考えていた工事費は、一気に500万円まで膨らむ結果となりました。物件価格300万円と合わせると、総額は800万円に到達します。打ち合わせの席で、奥様がぽつりとこぼした言葉が印象的でした。

「こんなはずじゃなかったのに…」

当初思い描いていた“手の届く理想の暮らし”は、気づけば大きな負担へと変わっていました。

団地リノベで失敗しないために

団地リノベは、確かに魅力的な選択肢です。

ただし「安く買える」という一点だけで判断すると、今回のように大きな誤算につながります。今回のケースから見えてくる教訓は、決して難しいものではありません。

  • 内装だけでなく「配管・電気」などインフラ更新費用も前提に入れる
  • 最低でも100〜200万円の予備費を確保する
  • 購入前に修繕履歴や配管の状態を可能な限り確認する
  • 見積もりは“最低ライン”で提示されている前提で精査する

特に築40年以上の団地では、追加費用が発生しないケースの方がむしろ少数です。見えない部分に手を入れなければ、安全に住み続けること自体が難しくなります。

「安く買って理想の家に」

その言葉の裏には、“後から費用が膨らむ構造”が潜んでいるのが現実です。判断の軸に置くべきなのは、見た目のデザインや初期費用の安さではありません。

最終的にいくらかかるのか。いわゆる「総額」です。

見えない部分にこそ、最大のリスクがあります。団地リノベを検討する際は、その前提を踏まえたうえで慎重に判断することが、後悔しないための最低条件といえるでしょう。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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