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新築から6年後、「利息も80万円浮く!」と350万円を繰上返済した43歳夫→2年後に妻が絶句…一家が陥った“落とし穴”

  • 2026.5.10
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出典元:photoAC(画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。大手不動産会社で10年以上現場経験を積み、現在は不動産ライターとして活動する宅地建物取引士のT.Sです。住宅ローンの残債を少しでも早く減らしたいと考える方は多いのではないでしょうか。

今回は、良かれと思ってまとまった額の繰上返済をした結果、かえって家計のやり繰りに苦労することになった夫婦のエピソードを紹介します。

繰上返済で安心を手に入れたはずの夫婦

Aさん(43歳・メーカー勤務)が首都圏郊外で新築戸建てを購入してから、6年が経過していました。妻と高校1年生の長女、小学6年生の長男の4人で暮らし、住宅ローンの残債は3,800万円で金利は0.7%の変動型です。

貯金が約450万円まで貯まった頃、Aさんはネットで「変動金利はいつ上がるかわからない」「繰上返済は早いほど効果が大きい」という情報を目にします。ある日の夕食後、Aさんは妻に切り出しました。

「金利が上がる前に動いたほうがいい。350万円を繰上返済すれば期間が約3年短縮されて、利息も約80万円浮く計算なんだ」

すると妻は「でも貯金が100万円まで減るのは…」と不安を口にします。そこでAさんは「毎月3万円ずつ積み立てを再開すればすぐ戻るよ」と妻を説得し、2023年春に350万円の期間短縮型繰上返済を実行しました。

想定外の出費が重なり高金利ローンを組む事態に

それから2年後の2025年春、家計を揺るがす2つの出来事が重なります。10年目を迎えた自家用車の修理見積もりが約30万円となり、整備工場からは「次の車検は通すより買い替えが現実的ですよ」と助言を受け、約250万円の中古ミニバンを検討し始めます。

さらに高校3年生になった長女が「都内の私立大学に進学したい」と希望し、初年度の学費や通学定期代などで約200万円の出費が見込まれる状況です。この時点で貯金は140万円ほどで、月3万円の積み立てを続けていたものの、家族の急な出費が重なり想定通りには貯まっていませんでした。

妻は「両方は無理だよね、どうしよう」と困惑します。Aさんは「車はローンで対応するしかないな」と判断し、200万円を5年返済で年利2.9%のマイカーローンにて借り入れることになりました。

「住宅ローンの金利だけを見ていて、流動性の価値を軽視していたよ。手元に現金があれば車も一括で買えたのに」とAさんは振り返ります。

手元資金の確保とライフイベントを見据えた資金計画

今回のケースを振り返ると、0.7%の住宅ローンの利息を浮かせるために、2.9%という高い利息のローンを組むという本末転倒な結果になっています。住宅ローンの利息軽減効果は30年近い時間をかけて少しずつ現れるものですが、新たに組んだローンの利息は今すぐ家計を圧迫します。

低金利下では、繰上返済による利息軽減効果よりも、不測の事態に備えた「現金の確保」のほうが価値が高いケースが多いです。今後5年以内に訪れる車の買い替えや教育費、家の修繕費などを事前に洗い出し、それらに充てる資金は繰上返済に回さず温存するほうが安全といえるでしょう。時間軸に沿った資金計画を立てる習慣こそが、不測の事態から家計を守るための有効な手段となります。



ライター:T.S(宅地建物取引士)
大学卒業後、大手不動産会社に入社。10年以上にわたり、都心のタワーマンションから郊外の築古戸建てまで現場経験を積む。現在は不動産ライターとして、住宅購入や住宅ローンに関する読者目線の記事を執筆している。


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