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高島礼子さんが語る“50代からの幸福”とは?「もう50代、と言ったら怒られました」【インタビュー】

  • 2026.3.23

「私は61歳になりましたが、50代はとても楽しかったですね」と笑顔を見せる高島礼子さん。5月9日から始まる舞台「新派・松竹新喜劇 合同喜劇公演」と題する2本立て上映の一作『明日の幸福』への出演が控える高島さんに、舞台のこと、日々のこと、50代からの幸福について、お話をうかがいました。

家族のありがたさや楽しさやうっとおしさも、すべて含めて表現したい

――三世代同居のホームドラマ『明日の幸福』は、昨年に高島さんが出演された舞台『かたき同志』と同様、演出は石井ふく子さんです。今回は中年夫婦の妻「恵子」役とのことですが、再演作品の場合、これまでに同役を演じてこられた方々とはまた違う「恵子像」にしよう、などと考えるものなのでしょうか。

高島礼子さん(以下、高島):石井先生の作品には何回か出演させていただいていますが、二年連続は初めてなので光栄です。恵子役はこれまで水谷八重子さんや波乃久里子さん、若尾文子さんなどが演じられていますが、不思議とみなさん違うんですね。今回の夫役は三田村邦彦さんですが、夫役や家族役の俳優によっても芝居はおのずと変わってきます。今回はどのような演出になるのかわかりませんが、「高島の恵子も面白かった」と言ってもらえるように頑張りたいと思います。

――同じ作品でもキャストが変わるとまた観たくなったりします。

高島:私もそうです。ダブルキャストの作品を観て感動すると、もう一人のキャストの方の回も観てみたいな、と思いますね。何回も再演されるということは、内容は最高に良いという証拠です。あとは演じる人によってどんな感じになるのかな、という楽しみがあるので、観にきてくださる方々の期待を裏切らないようにしたいです。

――初演が昭和29年という歴史ある作品ですが、大家族の物語を現代に上演することにどのような意味があると思われますか。

高島:家族みんなで、という経験が私はあまりなかったので、家族仲良く喧嘩をするといいますか、家族のありがたさや楽しさやうっとおしさもすべて含めて表現できたらいいな、と思います。大勢いたらきっと飽きないですよね、常に何か起こっていて。一人で生きていると、何もなくて寂しかったりするじゃないですか。今回の演出がどうなるのかまだわかりませんが、黒電話とか出てくるのかな。若いお客さんが観にきてくださるなら、「何あれ、面白い」と当時の時代背景も楽しんでもらえるといいですね。

「まだ50歳でしょ。失礼ですよ」という石井ふく子先生の一言で意識が変わった

――演出の石井先生は今年で百歳を迎えられます。『大人のおしゃれ手帖』は50代からのグッドエイジングをテーマにしていますが、90代や80代でもご活躍されている方々を拝見すると、50代はまだまだ若輩者に思えてきます。高島さんはいかがですか?

高島:私は61歳になりましたが、石井先生の前では子どもです。前回の『かたき同志』のときも、先生は毎日稽古にいらして芝居のアドバイスをくださるので、私たち演者も「疲れた」なんて言っていられません。先生がお元気でいると、私たちもいつまでも若くいられるので、ありがたいです。

そういえば、私が先生と初めてお会いしたのが、49歳くらいの頃だったんです。それで無意識に「もう50なんです」と繰り返していたらしく、先生から「あなた、今日何回“もう”って言った? まだ50歳でしょ。失礼ですよ」と怒られてしまったんです。先生は90歳近いご年齢だったので、当然ですよね。それがあってから、私はもう50歳から歳をとっていない気分なんです。まだまだ若いです、50代は。

――たしかに「もう50代」などと言ってしまうことは多いので、その心構えを真似させていただきたいです。今の高島さんから50代の女性に向けて、より楽しく生きるためのアドバイスをいただけますか。

高島:50代が一番楽しかったですね。私の場合、40代は父親の介護もあり、老眼も進み、苦しい時期でした。最近はもう老眼鏡をカチューシャ代わりにしていますが、大変な時期があったからこそ、些細なことでも感動できるようになって、小さな幸福がたくさん訪れるようになったんです。

――高島さんは50代になってから新たな友人がたくさんできた、と伺いました。

高島:幼なじみとは今でも仲良くしていますが、大人になってから親友と呼べる人なんてできるのかな、と思っていたんです。でも、できるんですね。知り合ったのは最近だけれど、何でも気軽に話し合えるんです。二組の夫婦の集まりにポツンと私だけ参加するようなこともあります。みなさんの優しさに触れて、感動することも多いです。

悩んでいる友人がいたら寄り添ってあげたい、話し相手になるよって

――大人の友人関係をよりよくするためのマナーや心がけていることがあれば教えてください。

高島:ゴルフを始めてから知ったのですが、ゴルフ場によってはジャケット着用などのマナーがあるので、そういったことを事前にチェックしておくとか、学ぶことは多いですね。また、食事会などの集まりに誘われたら、いやいやではなくて、積極的に参加しています。そういうときに人数分の手土産を用意する、といった気遣いがここ数年でできるようになったんです。以前は私だけ持っていかず恥ずかしい思いをしたこともありました。50歳を過ぎてみなさんと交流するようになり、いわゆる遊び方といいますか、失礼のない交わり方を学んで、それがまた楽しいんです。

――新鮮で楽しそうですね。

高島:百貨店などに行くと、こういうものを差し上げたら喜ばれるかも、と考えながら商品を見ているので、常にアンテナを張っていて暇なしですよ。

――50代、60代は、子どもが自立したり、早期退職、定年退職など、生活環境が大きく変わる方も多いです。そういうときに、友だち付き合いがあると寂しくなくていいですね。

高島:私は俳優という仕事をいただいていて、ありがたいことに定年もなく、家族もいないので、そういう思いはあまりないのですが、まわりには「心にぽっかり穴が開いてしまった」と悩んでいる人も多くいます。私はわりと時間が自由になるので、そういう友達のそばに寄り添っていたいな、と思っています。呼んでくれたら、話し相手になるよ、って。これまで支えてもらってきたので、恩返ししたいですね。

――そういう友がいると心強いですね。高島さんの楽しさや優しさを私たちはインスタグラムなどで拝見したいと思います。

高島:インスタグラムはいいですよ。5年前に始めましたが、同じような年齢の方々の投稿に共感することも多いです。以前は自撮りもまともにできませんでしたが、今では一人でご飯を食べているときでも自撮りしたり、自分がそんなふうになるとは思わなかったですね。

――そういったフットワークの軽さも楽しく生きるための秘訣なのかなと思いました。

高島:今だからこそできることってたくさんあると思うんです。四十肩も更年期もいつか終わるし、介護だっていつかは終わるんです。ただ、更年期も介護も無理をするのは絶対によくなくて、つらかったら友達に愚痴を言ってもいいんです。みんな同じような経験をしているから。だから、今は苦しいと感じている方も、ここを抜けたら明るい未来が待っていると信じてほしいですね。

<PROFILE>
高島礼子(たかしま・れいこ)
1964年生まれ、神奈川県出身。1989年、ドラマ「暴れん坊将軍Ⅲ」で俳優デビュー。1993年、映画『さまよえる脳髄』でヒロイン役を演じて話題となり、映画『陽炎』『極道の妻たち』シリーズなどの人気作で主演をつとめる。2001年には『長崎ぶらぶら節』で第24回日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。主な出演作にドラマ『御宿かわせみ』『天地人』『女系家族』『精霊の守り人』、映画『犬鳴村』『祈り–幻に長崎を想う刻–』、舞台『女たちの忠臣蔵』『春日局』『メイジ・ザ・キャッツアイ』『かたき同志』など。

新派・松竹新喜劇 合同喜劇公演 『お種と仙太郎』『明日の幸福』

2本立て上演。松竹新喜劇の傑作『お種と仙太郎』は、齋藤雅文が演出を手掛け、ゲストの久本雅美が姑・お岩役に挑み、新派の波乃久里子が御寮人・おせい役で出演。新派の名作『明日の幸福』は、2026 年に御年 100 歳を迎える“ホームドラマの名手”石井ふく子が演出を手掛ける記念すべき舞台。熟年世代の夫婦を新派の水谷八重子と松竹新喜劇の渋谷天外、中年夫婦役をゲストの高島礼子と三田村邦彦がつとめ、時代を超えて心に響く家族の物語を届ける。

【日程】2026年5月9日(土)~19日(火)
<昼の部:11時開演、夜の部:16時開演>
【会場】新橋演舞場
【チケット発売】2026年3月25日(水)10時より電話予約・Web受付開始

【出演者】
水谷八重子、波乃久里子、藤山扇治郎、渋谷天外、三田村邦彦、久本雅美、高島礼子、ほか

※詳細・最新情報
松竹HP www.shochiku.co.jp
劇団新派公式サイト www.shochiku.co.jp/shinpa/
松竹新喜劇公式サイト https://www.shochiku.co.jp/shinkigeki/

撮影/小川拓洋
ヘアメイク/佐々木大輔(TRINE) スタイリスト/村井緑 衣装/ワイズ アクセサリー/アビステ

構成・文

ライター 中山恵子

中山恵子

ライター。2000年頃から映画雑誌やウェブサイトを中心にコラムやインタビュー記事を執筆。好きな作品は、ラブコメ、ラブストーリー系が多い。趣味は、お菓子作り、海水浴。

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