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はじめての味噌づくり【花嫁の手仕事vol.1】

  • 2026.3.14

今月から、新連載「花嫁の手仕事」がスタートします。

新米花嫁さんに向けて、暮らしのなかで大切にしたい手仕事を毎月ひとつご紹介していく連載。記念すべき第1回は、日本の食卓に欠かせない味噌づくりです。

実は以前も少しお話しましたが、新婚当初の私は、ほとんど料理ができませんでした。まともに作れたのは、お味噌汁くらい(笑)。でも、結婚して新しい暮らしが始まると、そんなことも言っていられませんよね。気づけば自然と、食のことに興味が向くようになりました。

毎日の食卓に欠かせないお味噌

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外食やデリが充実している今の時代だからこそ、手をかけて仕込むものにはまた違った魅力があるなと感じて、はじめてみた味噌づくり。自分で仕込んだ味噌が思いのほか美味しくできて、それ以来、毎年作り続けています。

訪れたのは発酵文化が根付く街として知られる石川県金沢市

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今回教えていただいたのは、江戸時代から約190年続く金沢唯一の麹専門店「高木糀商店」さん。金沢に移住した友人から、毎年この時期に味噌づくりの教室が開かれていると聞きつけ、北陸新幹線に乗っていざ、金沢へ! 相変わらず、自分の興味関心があることだけはフットワークが軽いです(笑)。

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お店に一歩足を踏み入れるとふんわりと麹の甘い香りが漂い、蒸した大豆の湯気が立ち上っていました。仕込みをしていたのは、八代目の高木 竜さん。

味噌づくりで大切なことをうかがうと、答えは意外にも衛生管理なのだとか。味噌は手で仕込むため、手に付いた細菌や雑菌が発酵を妨げてしまうのだそう。仕込みの前には丁寧な手洗いが欠かせません。

材料は一晩煮た大豆と糀、塩。とてもシンプル!

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一晩煮た大豆(北海道産)と塩を混ぜてから、糀を加えていきます(出来上がりを3kgとすると、糀1kg、大豆700g、塩400gが目安)。この日使用したのは、朝できたばかりの生糀!

石川県産コシヒカリを杉桶で蒸し、石室で製造したという白糀。見るからに美しく、スーパーなどで販売されているものとは別物の風格さえあります。生糀と乾燥糀の違いは主に水分量で、品質の良い糀を選ぶことが何より大切なのだそう。偏らないよう丁寧に混ぜるのがポイント。

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混ざった味噌は大きなおにぎりを作るように丸め、容器に詰めていきます。空気が入らないよう、拳で押しながらしっかりと詰め、表面は平らに整えて。容器の縁に付いた味噌はそのままにせず、きれいに拭き取るのも忘れずに!

仕込みが終わったら、保存の準備

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味噌の表面をラップで覆い、空気を遮断します。中心から外側へ向かって空気を丁寧に押し出し、縁に隙間ができないように密封するイメージで。

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その上から塩蓋と呼ばれる方法で塩を1kgほどたっぷり乗せます。重しと殺菌の役割を兼ねる昔ながらの保存方法で、シンプルながらカビが生えにくいのだとか。さらに小皿にチューブわさびを絞って、塩蓋の上に置くと殺菌効果にもなり、カビ予防につながるといいます。

容器の蓋をして、涼しい場所で約半年熟成させれば完成!

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味噌は寒い時期に仕込むのが昔からの習わし。「気温が低い冬は雑菌が繁殖しにくく、発酵がゆっくりと安定して進むため、味に深みが生まれる」と高木さん。春から夏へと季節を重ねながら少しずつ熟成し、秋頃にはちょうど食べ頃に。どんなお味噌ができるのか、今からワクワクが止まりません。

湯気の立つお味噌汁を囲む、いつもの食卓

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同じ場所で何年も味噌を仕込み続けると、その空間にその家ならではの発酵環境が育ち、味にも個性が生まれてくるのだそう。麹の量や水分量を少しずつ調整しながら、自分たちの好みに近づけていく過程こそが、味噌作りのいちばんの醍醐味なのかもしれませんね。

自分たちの味を育てていくことは、ゆっくりとふたりの時間を育てることにも繋がるなぁと。そんなことも今回の味噌作りを通して、学んだのでした。

写真・構成/川口ゆかり

※この記事は2026年3月14日時点のものです。

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