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練り切りで魅せる季節の美【花嫁の手仕事vol.3】

  • 2026.5.9
YUKARI KAWAGUCHI

今月の花嫁の手仕事は、上生菓子のひとつである練り切り

江戸時代に発展し、茶道とともに洗練されてきたといわれるこの和菓子は、白あんに求肥やつくね芋を加えて練り上げたもの。桜や紅葉、雪うさぎなど、季節の情景を映し出す繊細な美しさから、食べる芸術とも称されています。

関西では山芋を使ったもっちりとした口どけ、関東では白玉粉や寒天によるなめらかな仕上がりと、地域ごとの違いも魅力のひとつ。いずれも白あんの優しい甘さを引き立てる丁寧な工夫が息づいています。

想像力をひらく、練り切り体験へ

YUKARI KAWAGUCHI

そんな練り切りを学びに向かったのは、長野・安曇野穂高の自然に囲まれた一組限定の宿「そばハウス安曇野」。宿泊者向けのアクティビティとして用意されているお抹茶たてと和菓子作り(1名5,500円)に参加しました。

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教えてくださったのは、山形県出身の和菓子職人・田中一志さん。20年以上の経験に裏打ちされた確かな技をもちながら、初めての人にもやさしく、楽しく伝えてくれるお人柄が印象的。3歳以上の子どもも参加できるとあって、ファミリーに人気なのも納得です。

基本の手まりに必要な材料

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●練り切り

(黄色と青に色づけしたものと白いもの)

●あんこ

●和菓子用の三角棒と糸

●濡れふきん・タオル

「お菓子作りは、想像力が大切なんですよ」と田中さん。その言葉通り、正解を探すのではなく、自分の感性に委ねて形にしていく手仕事。久しぶりにワクワク! 胸が高鳴ります。

Step1:白い練り切りであんこを包む

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まずは、白い練り切りを優しく伸ばし、あんこを包み込んでいきます。なんだか子どものころにした粘土遊びみたい。手のひらに伝わる柔らかな感触がどこか懐かしく、幸せな気分に。

Step2:色づけした生地で包み、グラデーションをつくる

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Step1の生地に黄色と青に色づけされた生地を包むことで、ほんのりとしたグラデーションが生まれます。この“二重包み”が美しいぼかしを生む大切な工程なのだとか。

Step3:糸でカットし、繊細な断面をつくる

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濡れた布巾の上で糸を使ってカット!

ピンと張った糸をすっと入れると、驚くほどなめらかに断面が現れます。スパッとカットできた瞬間がなんとも気持ちが良いこと!

Step4:形を整え、表情を仕上げる

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黄色と青の断面が交互になるように組み合わせて。

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最後に三角棒で縦のラインを入れていくと、少しずつ表情が生まれていきます。指先のわずかな力加減で印象が変わる繊細さがおもしろく、気づけば無心になっていました。

完成した〝手まり”の練り切り

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あっと言う間に完成! 初めてにしては……なかなか上手にできた方ではないでしょうか。

さっそく、出来立ての練り切りをお抹茶とともににいただきます。美しさにためらいながらも口に運ぶと、抹茶のほろ苦さと白あんのやさしい甘さが絶妙に重なり、自然と頬がゆるんでいく。あぁ、オイシイ。自分で作ったからこそ感じられる、なんともいえない味わいでした。

日常にそっと余韻をもたらす、練り切りという手仕事

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手作りの練り切りは、そのひと手間自体がさりげない心遣いとして伝わるもの。結婚後のお付き合いのなかで大切な方をお迎えする場面にも、自分らしさと季節感をやさしく添えてくれるはずです。

手のひらにのせた小さな練り切りが誰かの笑顔につながりますように。

※この記事は2026年5月9日時点のものです。

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