1. トップ
  2. 「ゆいまーる」の精神で臨む 琉球アスティーダ代表・早川周作氏に聞く(中編)

「ゆいまーる」の精神で臨む 琉球アスティーダ代表・早川周作氏に聞く(中編)

  • 2026.4.30

琉球アスティーダの運営会社『琉球アスティーダスポーツクラブ株式会社』は現在、東証PROこと「TOKYO PRO Market」に上場している。プロスポーツクラブ運営会社として、日本で初めて上場を果たした企業として広く知られた存在だ。

2025年7月より、IR活動が義務化されている中、同社も2026年3月末には前年度決算を発表しているが同社が計上している売上は「スポーツ」「飲食」そして「サロン」。内訳だが、なんとサロンが3分の2を占めている。

スポーツビジネスの新たな循環モデルに

「ベンチャースタートアップ界隈における認知は強烈なものがありますよね」

早川氏が振り返るように、アスティーダエグゼクティブサロンは基幹事業に位置づけられる。これは「早川周作」という、稀代のビジネスパーソンをIPとしたものでもある。

「それをしていかないと、厳しいだろうなということもありました。卓球だけで稼げたらいいんですけれども、今までのスポーツの応援の形が結局短期消費で終わっていて、スポンサーにしても、結局応援しても意味なかったというケースが多いんです。スポーツを応援しながら、同時に学べて、ビジネスにつながる。そういったサステナブルな形のスポーツに新しい循環モデルを作るために取り組んでいます」

『経営者同士の繋がる出会いと学びの場』と銘打っているアスティーダサロンだが、上場・準備中・非上場といった企業のグレードに士業向けといった、様々なニーズに合わせたプランが用意されている。

アプリやLINE公式アカウントもあり、イベント情報はもちろん、これまでの講演内容やサロンの様子などがアーカイブ形式で閲覧可能となっている。

「それぞれのプランで会員さんが増えていくと、必然的に学びも多くなり、出会う前にビジネスで繋がりやすくなっています。我々もどんどん強くなって、結果的にIPが育っていきます」

スポーツクラブには欠かせないスポンサーも存在するが、ここにも独自性を持たせた。

「わかりやすいのが1000万円のプランですが、これは定例会の際は、チラシが配布できる・共催イベントやセミナーを実施する、それらをメルマガで告知をする、さらに毎月定例のミーティングをするというものをご提供します。で、その下に記載しているのが、『選手着用のジャージにロゴが載る』。普通だと、それが先だろうって思うんですよね。みんなスポーツチームってユニフォームとかにロゴを載せるとかですよね。でも我々としては、『サロンで事業の成長のお手伝いをさせていただきます、そのついでにユニフォームにも載りますよ!』みたいな感じです(笑)」

「ゆいまーる」の精神から仕組み化へ

ともすればウィットに富んだ言い回しで説明する早川氏だが、企業側でいえばスポンサードを実施するにしても、まずマーケティングや広報などの担当者が、上位職の了承を得たうえで稟議にあげる。それを見て、価値があると経営者ないし決裁権限者が判断すれば実現するというのが一般的な流れだ。
費用対効果の要素が多分にあるし、大企業ともなれば“付き合い”で契約していることもザラにある。しかしそういった類は、いざ“審査”を行い価値を見いだせなかったら即終了につながる代物。おおよそサステナブルとは程遠い。

「単なるスポンサーではなくて、応援することによって、ビジネスにつながっていき事業も成長するっていうBtoBのいわばマーケティング会社が琉球アスティーダです。アスティーダサロンも、スポーツを軸とした会員制の経営者コミュニティというものになっております。会員同士が相談とか人脈とか学び合う場というのを提供し、様々なビジネスマッチングをしていきましょうという仕組みですね」

画像: アスティーダサロン5か条
アスティーダサロン5か条

「サロンのメンバーが増えれば、運営や投資力が増強して、チームが強くなって、価値が向上します。会員様にとってみたらどうかといったら、メンバーが増えると、当然学びの機会も増えて、ビジネスも加速していく。我々のチームが、 IPが強くなるチームがどんどんこう育っていくっていうことを考えていくと、アスティーダを通じてスポーツ応援ができて、なおかつビジネスにつながって、で。そして会員さんが増えることによって、必然的に数字が残っていくというポジティブなスパイラルを作っています」

資料を交えながら、筆者に対して丁寧に説明する早川氏。続けて運営における「キーワード」についても触れた。

画像: 「ゆいまーる」の精神から仕組み化へ

「『ゆいまーる』という沖縄の言葉があるんですが、これは『お互いに助け合おうぜ』っていう意味を持っています。結構な規模のコミュニティにも関わらず、クレヨンしんちゃんみたいなことをやっています(笑)。夢って場所を持って働こう、まずはギブから始めよう、困ってる人を助ける、関わる人を笑顔にしよう、感謝の気持ちを応援の輪を広げよう、そういったものがゆいまーる精神ですね。目的も『経営者の夢を叶えていく』を掲げ、社会課題解決のためのリソースを拡大しています。」

スポーツビジネスに関する経営者インタビューとして、早川氏と相対している筆者だが、同時にトップセールスを受けているような感覚にも至る。
徹底した仕組み化にまで昇華したサロン事業だが、それを考案し、フォーマットに落とし込んだのもまた早川氏。現在では同業他社も参考にしているという。

「スポンサーについても、毎月3000万を取り続けるというのはちょっと難しいですよね。それを考えたら、 5万や10万で、例えば1000社あったらその方がいいよね、サブスクモデル的にもいいよねっていう考えですね」

「アフターパーティー」に潜入

従来と一線を画したスポーツビジネスを展開しているアスティーダだが、実際に会員が期待しているのも、サロンであり早川氏だ。
図らずもそれを立証したのが取材当日の夜。実はこの日は、都内某所にてサロンのアフターパーティーが開催された。

筆者も参加し、熱量を推し量ることにしたが、あいにくの雨だったにもかかわらず、多くのビジネスパーソンが来場し、ネットワーキングに勤しむ。それぞれが経営者ないしそれに近しい存在であるためか、虎視眈々とビジネスチャンスを窺っている。スポンサーとしてプレゼンに臨む登壇者も、自然と話す熱量も高まる。

画像1: 「アフターパーティー」に潜入

確かに早川氏の言葉通り、そこにはポジティブなスパイラルが形成されていた。さらにゆいまーるの精神を体現するがごとく、様々なテーマに関するサークル活動も用意。サロン会員もまた「顧客」ととらえ、ニーズに応えていく姿勢を感じ取れた。

画像2: 「アフターパーティー」に潜入

取材・執筆:向山純平

元記事で読む
の記事をもっとみる