1. トップ
  2. 自由な感性で活動の幅を広げる、ロンドン拠点のリオ・コバヤシとは?

自由な感性で活動の幅を広げる、ロンドン拠点のリオ・コバヤシとは?

  • 2026.3.2
AIKO YANAGIDA

多様なクリエイターが集うロンドン。この地に拠点を構えて、自身のクリエイティビティを世界へと発信する注目デザイナーをキャッチアップ!『エル・デコ』12月号より。

MIN LEE STUDIO

ロンドン・デザイン・フェスティバルの期間中に発表される、アワード「ロンドン デザイン メダルズ」。2025年、将来性の高い人物を表彰するエマージング・デザイン部門を受賞したのがリオ・コバヤシだ。肩書きをひと言では表せないほど軽やかに活動を続け、ミラノデザインウィークなどの国際的な場で作品を発表してきた。

<写真>インテリアデザインに携わった、友人でありアーティストのクリスティーン・サン・キムのベルリンの住居。この空間のために、障子スクリーンや緑のキャビネットなどを手掛けた。

James Harris

自分の可能性にリミットを設けずに面白いと思う道へ

「高校生の時、自分の専攻学科より友達がいた建築学科に興味があって入り浸っていました。そこの先生がおしゃれで。先生の部屋が雑誌の表紙になっていて、それを読んで初めてイームズやイサム・ノグチを知りました。これがデザインというものを知ったきっかけです」

<写真>2017年に初披露した“ミカド”コレクションより、2020年発表のローテーブルとフットステップ。欧州で親しまれている竹ひごを使ったゲーム“ミカド”から着想を得ており「ヨーロッパでは誰もが知っていて日本のゲームだと思われているのに、自分は知らなかったのが面白かった」と着想の経緯を語る。

James Harris

高校卒業後は、祖母のいるオーストリアへ。家具職人の見習いをし、その後欧州各地のデザイン事務所などで働いた後、ロンドンに拠点を置いた。「ここは国際的に活躍している人がすぐそばにいて刺激的。だからこそリミットを外して進まなきゃ、というドライブ感があります」

<写真>2024年のロンドン・デザイン・フェスティバルで発表したパビリオン「オフ ザ シェルフ」 。自身が両親と暮らしていた実家へのオマージュとしてデザインした。

James Harris

デザインに関しては学校で正式に学んでいないと語り、コバヤシは決して王道のルートを歩んできたとは言えない。だが自分で手を動かしてものをつくれることが強みにもなったと振り返り、今後は建築など、自分が面白いと思う方向に進んでいきたいと話す。「いつかはいろいろな才能を持った人が集まれる空間をつくりたい。一人で成功するよりも、みんなで成功したほうが楽しいじゃないですか」

<写真>2019年発表のアイコニックな“フィッシュテーブル”は、アーティストのジェームス・ヘイグとの共同制作。

AIKO YANAGIDA

気取らない言葉の奥には自身の力で駆け抜けてきた強さと、周囲への感謝が垣間見える。彼がロンドンから発信する、日本と西洋の文化を行き来する物語のあるデザインに、ますます目が離せない。

リオ・コバヤシ
1989年生まれ、栃木県出身のデザイナー/クラフトメーカー。多文化的な職人一家で育ち、自身のルーツでもあるオーストリアでの家具職人修業やヨーロッパ各地での制作活動を経て、2017年イーストロンドンに自身のスタジオを設立。


Photo:AIKO YANAGIDA Special Thanks:ART'OTEL LONDON HOXTON

Hearst Owned

『エル・デコ』2025年12月号



元記事で読む
の記事をもっとみる