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『借金で破綻する人』には特徴があった。実は“他人事”ではない…驚くほど共通した“3つの思考パターン”とは?【元銀行員が解説】

  • 2026.4.7
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

借入が発生するのは、ほんの小さなきっかけです。

「信用を作るために借りる」「銀行も貸してくれると言っているから」……。

私はこれまで銀行員として融資業務に携わってきましたが、審査において最も重要な判断基準は2つしかないと考えています。

それは、「資金使途(何に使うのか)」と「返済原資(どうやって返すのか)」です。

この判断が曖昧なまま借入を重ねることが、どれほど多くの経営者を破綻へ導いてきたか。私はその現実を目の当たりにしてきました。

そして、忘れられない瞬間があります。 「これ以上の融資はできません」 その言葉を告げる直前、経営者の方々はほぼ例外なく、同じ目をされています。「まだ何とかなるはずだ」という、最後の錯覚に囚われている目です。

融資担当者の本音――「成績」という名の見えない鎖

銀行員にとって、融資は一つの「商品」であり、貸出額はそのまま営業成績に直結します。

「今なら枠がありますよ」
「とりあえず運転資金で借りておきませんか」

経営者にとって手元のキャッシュは安心材料ですが、銀行員にとっては数字(成績)を作るチャンスでもあります。もちろん、銀行員の誰もが悪意を持っているわけではありません。むしろ多くの方は「助けたい」と願っています。

しかし、その善意と「営業ノルマ」という現実が重なったとき、気づけば銀行員自身も、破綻に加担する側に立ってしまうことがあるのです。

破綻する人の共通点――「来月で取り戻せる」という錯覚

破綻してしまう方には、驚くほど共通した思考パターンがあります。

それは、次の一言に集約されます。

「売上があるから、いつか取り戻せる」

  • 「売上が回復すれば返せる」
  • 「次の大きな案件が決まれば大丈夫だ」

そう自分に言い聞かせているうちに、借金はいつしか「返すもの」ではなく、資金を「回すためのもの」に変わってしまいます。ここで多くの経営者が、「返済のための借入」という禁じ手に踏み込んでしまうのです。

この瞬間、借金は経営を助ける道具から、静かに首を絞めるロープへと変貌します。

「梯子を外される」という残酷な現実

融資には明確なルールが存在します。

「返済可能性が低い相手には貸せない」というルールです。どれほど長い付き合いがあっても、どれほど人柄が素晴らしくても、そのルールが覆ることはありません。

昨日まで笑顔で融資を勧めていた担当者が、ある日突然こう告げます。

「本部の判断で、これ以上は……」

経営者は「今まで貸してくれたじゃないか」と訴えます。しかし、銀行の世界では過去の情は通用しません。信用されるのは「これから返せるかどうか」、ただ一点のみです。

その時になって初めて、経営者は「本当に必要なときほど、お金は借りられない」という事実に気づくのです。

破綻する人と踏みとどまる人の境界線

しかし、誤解しないでください。同じ苦境に立たされても、破綻する人と踏みとどまる人がいます。

その差は、能力や運ではありません。たった一つの行動、「隠さないこと」にあります。

踏みとどまる人は、資金繰りが苦しくなった時点で、銀行・税理士・家族に対してすべての数字をさらけ出します。

  • 現在の売上
  • すべての借入状況
  • 実情に即した資金繰り

逃げずにすべてを開示することで、初めて具体的な「打ち手」が生まれます。

  • リスケ(返済計画・金額の見直し)
  • 事業整理(不採算分野の撤退)
  • 資金計画の再構築(経費削減と再建)

一方で、破綻する人は「恥」を隠し、「数字」を隠し、「現実」を隠します。そして最後には、膨れ上がった借金だけが残ってしまうのです。

まだ間に合う人へ

もし今、「返済のために借りようか」と考えているなら、一度だけ立ち止まってください。 破綻と再生を分けるのは、「相談する勇気」です。

数字を正しく開示し、助けを求めた方の多くは、まだ引き返すことができます。私は銀行員として、そこから経営を立て直した方々を何度も見てきました。

地獄の入口は静かに開きます。しかし同じように、出口もまた静かに存在しています。 出口を見つけられるかどうかは、あなたの「次の一歩」にかかっています。


ライター:桑折(こおり)
信用金庫での金融実務経験と、大手コンビニエンスストアチェーンでのエリア責任者(中間管理職)としての経験を軸に活動しております。金融・資産運用: 信用金庫にて貸付、投資信託、資産形成相談に従事。お金に関する正確で信頼性の高い情報を執筆しています。経営指導・FCビジネス: 大手CVSの中間管理職として3年間、複数店舗の経営指導・部下マネジメントを経験。フランチャイズビジネスの仕組みや店舗運営、流通、マーケティングに関する深い知見があります。金融や経営の専門記事から、暮らしに身近なコラムまで幅広く活動しています。