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「遺産4,000万円」を相続した3兄弟→「遺言書通りに進める」はずが…1年後、家族を襲った“想定外の大誤算”【お金のプロは見た】

  • 2026.4.4
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

相続は「家族の問題だから大きなトラブルにはならない」と考える方も少なくありません。実際に、生前は関係が良好だった家族でも、相続をきっかけに関係が変わるケースは珍しくありません。

特に、遺言書がある場合でも、その内容次第ではかえって対立のきっかけになることがあります。

マネーシップス代表の石坂です。今回は、実際の相談事例をもとに、「争族」が起きる背景について紹介していきます。

「遺言書があるのに揉めた」3兄弟の相続の実例

相談に来られたのは、50代の長男の方です。父親が亡くなり、相続の手続きを進める中で、兄弟間の関係が悪化してしまったことから相談に来られました。

相続人は、長男・次男・長女の3人です。生前は年に数回集まるなど、関係は良好だったといいます。

父親の財産は以下の通りでした。

  • 自宅(土地・建物):評価額 約2,800万円
  • 預貯金:約1,200万円

合計:約4,000万円

そして、遺言書も用意されていました。

内容は

  • 自宅不動産は長男に相続させる
  • 預貯金は3人で均等に分ける

というものでした。

一見すると整理された内容ですが、実際に金額にすると差が生じます。

  • 長男:自宅 約2,800万円 + 預貯金 約400万円 → 合計 約3,200万円
  • 次男・長女:預貯金のみ 約400万円ずつ

この差に対して、次男と長女から「さすがに差が大きすぎるのではないか」という声が上がりました。長男としては、「遺言書通りに進めているだけ」という認識でしたが、他の兄弟は納得できず、話し合いはまとまらなくなっていきました。

最終的には、不動産を売却するかどうかを巡って意見が対立し、相続手続きは1年以上進まない状態となりました。

「形式は正しいのに揉める」相続の落とし穴

遺言書があることで、相続はスムーズに進むと考えられがちです。

しかし実際には、「どう分けるか」の内容によっては、かえって対立を招くことがあります。

今回のケースでは、不動産の偏りが大きな原因でした。不動産は分割が難しく、現金のように調整がしにくいため、不公平感が生まれやすい資産です。

また、遺言書に「なぜ長男に不動産を相続させるのか」という意図が記載されていなかったことも影響しました。

相談の現場でも「遺言書はあるが納得できない」「形式は整っているが感情がついていかない」といったケースは多くあります。「内容があること」と「納得できること」は別の問題です。

「争族」を防ぐために考えておきたいポイント

相続対策は、「分け方」だけでなく「納得感」を意識することが重要です。

まず、不動産がある場合は、金額ベースでのバランスを確認する必要があります。今回のように一人に資産が偏る場合には、代償分割(他の相続人に現金を渡す方法)などで調整することも検討が必要です。

次に、遺言書に意図を残すことです。なぜその分け方にしたのかを明記することで、受け取る側の納得感は大きく変わります。

また、生前に家族で話し合うことも重要です。相続発生後ではなく、事前に方向性を共有しておくことで、トラブルを防ぎやすくなります。相続は、金額の問題であると同時に、感情の問題でもあります。

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