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デビュー23年目で初のホラーに挑戦したジェジュンを撮りおろし!『神社 悪魔のささやき』撮影秘話と役作りの舞台裏

  • 2026.2.26

2003年のデビュー以来、第一線を走り続け、圧倒的なカリスマ性でファンを魅了し続けてきたJAEJOONG(ジェジュン) 。俳優としても日韓で多彩な役柄を演じてきた彼が、『神社 悪魔のささやき』(公開中)で、さらなる新境地に挑んだ。キャリア初のホラー作品で演じたのは、内に闇を抱いた祈祷師。『私の男』(14)、『#マンホール』(23)などで国内外から高い評価を受けてきた熊切和嘉監督とタッグを組んだ、シャーマニズム・ホラーだ。来日したJAEJOONGに、役作りや撮影現場でのエピソード、そして日韓合作への想いを聞いた。

【写真を見る】撮影現場でのエピソードもたっぷり語ってくれたJAEJOONGを撮りおろし!

※以降、『神社 悪魔のささやき』のネタバレ(ストーリーの核心に触れる記述)に該当する要素を含みます。未見の方はご注意ください。

「自らアイデアを提案したクライマックスのシーン、自然に涙があふれてきました」

あえて型にはまらない、“自分だけの祈祷師”を自由に演じたJAEJOONG [c]2025, MYSTERY PICTURES, ALL RIGHTS RESERVED.
あえて型にはまらない、“自分だけの祈祷師”を自由に演じたJAEJOONG [c]2025, MYSTERY PICTURES, ALL RIGHTS RESERVED.

舞台は、日本の神戸。廃神社で大学生たちが次々と失踪する“神隠し”事件をきっかけに、韓国からやって来た祈祷師ミョンジン(JAEJOONG)が、土地に潜む“悪しき存在”の正体に迫っていく。

「初めて挑むホラーというジャンルのなかで、僕がどうやって表現できるのかっていう思いがありました。自分の人生そのものにとっても、すごくいいチャレンジだったと思います」。

ホラー作品を選んだ理由を問うと、こう答えたJAEJOONG。強い決意で臨んだ現場だったが、最初に脚本を受け取った際には、意外な驚きもあったという。「脚本を読む前は、日本語を話す役なのかなと思っていたんです。でも実際は、日本語をほとんど話さない役だったので、少し驚きましたね(笑)」。

初恋の相手ユミ(コン・ソンハ)と神戸で再会したミョンジン(JAEJOONG) [c]2025, MYSTERY PICTURES, ALL RIGHTS RESERVED.
初恋の相手ユミ(コン・ソンハ)と神戸で再会したミョンジン(JAEJOONG) [c]2025, MYSTERY PICTURES, ALL RIGHTS RESERVED.

JAEJOONGが演じるミョンジンは、シャーマンの家系に生まれ、卓越した霊能力を持ちながらも、過去の事件に傷つき、占い師としてひっそりと生きている複雑な人物だ。学生時代に特別な想いを寄せていたユミ(コン・ソンハ)から助けを求める連絡を受け、彼は神戸へ向かい、再び運命と向き合うことになる 。

役作りにおいては、韓国の伝統的な祈祷師・ムーダンの作法を学びつつ、熊切監督のビジョンに合わせて「あえて型にはまらない」表現を模索した。「ムーダンは子どもの頃に見たことがありましたが、演じるにあたって仕草や伝統についてあらためて勉強しました。ただ、ミョンジンが唱える呪文はムーダンのものではなく、韓国の仏教をベースにしたものでした。一見矛盾しているようですが、監督から『これはファンタジーだから、慣習にとらわれなくても大丈夫だよ』と言っていただいて、自由に演じることができました」。

特に苦労したのは、内に秘めた力を解放するまでの「引き算の演技」だったという。ミョンジンの感情の起伏について、こう振り返る。「最初はミョンジンが持つ能力をほとんど見せずに、最後に一気に出す。感情をひたすら抑えるというのが、すごく難しかったですね」。

【写真を見る】撮影現場でのエピソードもたっぷり語ってくれたJAEJOONGを撮りおろし! 撮影/興梠真穂
【写真を見る】撮影現場でのエピソードもたっぷり語ってくれたJAEJOONGを撮りおろし! 撮影/興梠真穂

その抑制された感情が解き放たれるのが、クライマックスのシーンだ。ここで彼は、監督に自らアイデアを提案した。

「トンネルの中で悪魔と戦う場面でのミョンジンの表現については、『ここからはこれぐらい出してもいいのでは』と監督に伝えました。涙を流すシーンもありますが、もともとは泣く設定ではなかったんです。ミョンジンは強い人だから。ミョンジンの中に悪魔が入ってきても、本来なら悪魔は泣かないはずですよね。だけど、ミョンジンの意志があまりにも強くて、体の98%を悪魔に支配されていても、2%だけ彼自身の感情が残っている。そのわずかな感情が出てしまうという設定で演じたんですね。2テイクしか撮っていないのですが、 すごく泣いてしまって。『みんなを守らなきゃいけない、悪魔に絶対に負けちゃいけないのに……』という悔しさがあって、自然に涙があふれてきました。ミョンジンの気持ちをきちんと表現できてうれしかったです」。

「日韓のスタッフが意見を言い合い、情熱が倍になるいい現場でした」

実はユミに対する思いが残っているミョンジン [c]2025, MYSTERY PICTURES, ALL RIGHTS RESERVED.
実はユミに対する思いが残っているミョンジン [c]2025, MYSTERY PICTURES, ALL RIGHTS RESERVED.

物語のもう一つの軸が、ユミとの関係だ。過去の誤解によって別れてしまった初恋の相手。再会してもなお、感情を表に出せないミョンジンの揺れる心をどう演じるか、悩んだという。

「失踪した学生たちを捜しに行く途中、ユミにライトを渡すシーンがあります。ユミに対する思いが残るミョンジンを表現するために、照れ隠しのように意地悪する仕草を入れたかったんです。でも、もっと感情を抑えたテイクが選ばれて。どうしても、1秒でもそういうところを入れたかったんですけど(笑)」。

本作は、オール神戸ロケという点でも話題を呼んでいる。歴史ある港町、薄暗いベルトコンベヤ跡のトンネル、人々の生活感が残る廃屋群。実在する風景が、映画に不気味な説得力を与えている 。しかし、JAEJOONGはタイトルにもなっている「神社」に、撮影前はあえて足を運ばなかったと明かす。

「むしろ神社に行かないほうが、役作りにはいいんじゃないかと思ったんです。物語の最後に、事件が終わったあとユミと一緒に神社へ行くシーンがありますよね。そこでおみくじを引いて、『これはなんだろう』みたいな表情をする。ミョンジン自身は祈祷師なのに、こういう迷信のようなものを本当に信じるのか?という少し距離のある顔をするんです。だからこそ、事前に神社を体験しないほうが、その瞬間に自然な表情が出るんじゃないかなと思いました」。

怪しい雰囲気の神具の部屋を訪ねたミョンジンとユミ [c]2025, MYSTERY PICTURES, ALL RIGHTS RESERVED.
怪しい雰囲気の神具の部屋を訪ねたミョンジンとユミ [c]2025, MYSTERY PICTURES, ALL RIGHTS RESERVED.

撮影現場は、熊切監督率いるチームと、韓国の製作会社、そして日韓のキャスト・スタッフによる混成チームだった。言語の壁を超えた意見のぶつかり合いもあった。「スタッフが言い合いになることもあって。でも、意見を言い合うのは、いい作品にするためですよね。日本と韓国のスタッフがぶつかると、僕はどっちも聞き取れるじゃないですか。だからおもしろいんですよ(笑)」。

監督からは「JAEJOONGが現場のまとめ役だった」という証言もあるが、本人は笑って否定する。「いや、実はまとめ役が嫌だったんです。どんどん激しくなっていってほしかった(笑)。意見を言い合って仲直りしないまま撮影に入ると、情熱が倍になるんです。すごくいい現場でした」。

「30代とは違う新たなチャレンジがすごく楽しみです」

デビュー23年目を迎えたJAEJOONG 撮影/興梠真穂
デビュー23年目を迎えたJAEJOONG 撮影/興梠真穂

日本での活動を始めて約20年。かつては高く感じられた日韓のエンタメの壁もいまでは溶け合い、自由に行き来できるようになった。

「僕が日本でデビューした頃は、日本のエンターテインメントの世界で活動するためには、乗り越えなきゃいけない壁がもうあまりにも高すぎて。でもいまは、日本の方々も韓国で活動を始めようとトライしていますし、韓国からも日本に来て活躍している人たちもたくさんいる。こんな自由な時代が来るとは思わなかった。めちゃめちゃうれしいですね」。

自身も8人組多国籍ガールズグループ「SAY MY NAME」のプロデュースを手掛けるなど、次世代への架け橋としても精力的に活動するJAEJOONG。今年40歳という節目を迎え、その視線はさらに先を見据えている。

「音楽以外にも、こうして映画でまたご挨拶することができて、本当にうれしいです。30代とは違う新たなチャレンジができる気がしていて。これからがすごく楽しみですね」。

取材・文/桑畑優香

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