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【ホラー】幽霊の描写が「すごいビジュアル…!!」落ちこぼれ女子と幽霊教師の物語に作者が込めた思いとは?【作者に聞く】

  • 2026.3.14
突然現れて授業の答えを教えてくれる、不気味な顔の幽霊教師。その正体は…!? 鳩ヶ森(@hatogamori)
突然現れて授業の答えを教えてくれる、不気味な顔の幽霊教師。その正体は…!? 鳩ヶ森(@hatogamori)

主人公の荒木ユリは、とにかく勉強が苦手な女子生徒だった。授業で当てられても答えられず、クラスメイトからは「なんであんな簡単な問題わかんねーの」「だる。消えてほしいわ」と冷たい言葉を浴びせられる。追い詰められたユリは、つい「私だって消えたい…」と心の中でつぶやく。そんなとき、校庭でひとりの教師と出会う。しかしその教師は、静かにこう言った。「幽霊だけどね」。奇妙な出会いから始まる物語が、読者の予想を大きく裏切る展開を見せる。

衝撃のビジュアルから一転、読者の評価が急上昇

「take over」第1話_P001 鳩ヶ森(@hatogamori)
「take over」第1話_P001 鳩ヶ森(@hatogamori)
「take over」第1話_P002 鳩ヶ森(@hatogamori)
「take over」第1話_P002 鳩ヶ森(@hatogamori)
「take over」第1話_P003 鳩ヶ森(@hatogamori)
「take over」第1話_P003 鳩ヶ森(@hatogamori)

ホラー漫画『take over』は、全4話で完結するショートストーリーだ。第1話が公開されると、読者の視線はまず“幽霊教師の顔”に集中した。「すごいビジュアルの幽霊出てきた。。。」「すごい顔…」「いやびっくりしたわ」と、衝撃的なデザインに騒然。

しかし物語が第2話、第3話と進むにつれて空気は一変する。「最初はびっくりしたけどだんだんこの顔が優しく見えてきた」「先生の顔が意外と表情豊かでくせになってきた」「こういう先生から学びたかった」と、読者の評価は急上昇していった。

不気味な顔の幽霊教師はなぜ生まれた?

この作品を描いたのはホラー漫画家の鳩ヶ森(@hatogamori)さん。読者の反応について「ありがとうございます。この先生の顔、描くの超楽ww」と笑う。

そもそも、あの強烈な顔にした理由について鳩ヶ森さんはこう語る。「『白昼堂々現れる幽霊』という設定だったので、生きている普通の人間とは明らかに違う存在に見えるようあの顔にしました」。さらにもう一つ理由があるという。「無表情なキャラクターを使って、どれだけ喜怒哀楽を表現できるか。それを自分に試したかったんです」。その狙いは見事に的中し、読者からは表情の変化を読み取るコメントが次々と寄せられた。

もっとも、作者は本音も明かす。「…などと言いつつ、手間をかけず簡単に描けるようにしたかったというのが一番の理由です」。あの顔のおかげで、「先生」を描く際はかなりの時短になったという。

最終話で明かされる“呪い”の正体

物語は第3話まで比較的穏やかな雰囲気で進んでいく。幽霊教師とユリの奇妙な日常は、どこか温かくさえ見える。しかし最終話、第4話で物語は一気に加速する。幽霊がユリに近づいた本当の理由が明らかになるのだ。

「やっとです。やっと呪いを引き継いでくれる身代わりができた」。幽霊が放ったこの言葉は、読者に強烈な衝撃を与えた。実は鳩ヶ森さんによると、当初の構想ではこの第4話はバッドエンドになる予定だったという。「ホラー漫画だし、嫌な後味の方がよいだろうと思っていました」。しかし状況は思わぬ方向へ転がる。pixivのコメント欄で幽霊教師への好感度が急上昇したのだ。

「ありがたいことに『先生』の人気がかなり高くなってしまって」。その反応を見た作者は、急きょ物語の結末を変更した。「ハッピーエンドに変更しました」。読者の声が、物語の結末を動かした瞬間だった。

ホラーの奥に込めた“学生へのエール”

結果として完成したラストについて、鳩ヶ森さんは「ハッピーエンドにしてよかったと今は心から思います」と語る。そしてその結末には、ある思いも込められている。「若い人、特に学生の皆さんへのエールを織り込みました」。勉強が苦手で居場所を見失いかけたユリの姿は、多くの人に重なるものがあるだろう。「いろいろと厳しい時代ですが、自分らしく楽しく生きのびてほしい」。幽霊教師の言葉は、ホラー漫画の枠を超えた“金言”として読者の心に届いた。

その証拠に、第4話公開後のコメント欄には「全然ホラーじゃないよ!とってもいい話だよ」「待ってこれよすぎるんだけど」「胸に込み上げるものがありました」「もっと多くの人に読んでほしい」といった声が並んだ。恐怖から始まり、最後には温かさが残る――そんな不思議な読後感こそ、この作品の魅力である。

なお鳩ヶ森さんは、ミステリー漫画『仮門(かりもん) 消えた少女―10年目の真実』も電子書籍として刊行している。10年前の幼女失踪事件の真相を追う本格ミステリーで、前半に張り巡らされた伏線を後半で回収していく構成が特徴だ。全192ページの読み応えある一作で、最後まで目が離せない展開が待っている。

取材協力:鳩ヶ森(@hatogamori)

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