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「流石に無理だ…」プランナーも思わず絶句…新郎からの無茶な“結婚式演出のリクエスト”にプロの対応は?

  • 2026.3.26
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

こんにちは、ウェディングプランナーの佐藤ちなつです。

今回は、今でも忘れられない「ご新郎からのちょっと困ったサプライズ依頼」についてお話しします。

「誰かの真似」ではない、お二人だけの思い出を形に

最近の結婚式では、サプライズ演出が定番となりました。その一方で、「どこかで見たことがある演出は嫌だ」「自分たちらしい個性がほしい」と願うカップルも増えています。

今回ご紹介するのは、まさにその象徴のようなエピソード。プランナーが「マジシャン」か「花咲かじいさん」にならなければ叶わないような、難題への挑戦でした。

ご新郎・ご新婦は学生時代からのお付き合い。二人の恋が始まったのは、街に金木犀(キンモクセイ)の香りが漂う秋の頃でした。「今でもあの香りを嗅ぐと、当時の高鳴る気持ちを思い出すんです」という素敵なお話を伺い、私やフローリストも温かい気持ちで準備を進めていました。

しかし、打ち合わせが残り1ヶ月に迫った頃、ご新郎から一通の相談が入ります。

「無理を承知でお願いしたいのですが……季節外れの金木犀の花を、どうしても彼女にプレゼントしたいんです」

お二人の結婚式は12月24日、クリスマスイブ。金木犀のシーズンは過ぎ去っています。 相手は自然の植物、しかも大きな「樹木」です。

正直なところ「それは流石に無理だ……」と何度も諦めかけました。しかし、初心を忘れたくないというご新郎の真っ直ぐな想いを汲み取ると、私に「できません」という選択肢はありませんでした。

「その道のプロ」に聞き、自ら動く

私はプランナーですが、お花の専門知識は限られています。すぐに提携のフローリストに相談しましたが、ベテラン勢からも「この時期に咲かせるなんて、花咲かじいさんでもなきゃ無理だよ」と。

花市場にも問い合わせましたが、11月の時点で金木犀の取り扱いは終了していました。

仕入れが不可能なら、自分の足で探すしかありません。 それからは、出勤前や退勤後、休日も返上で近隣のホームセンターを片っ端から回りました。そしてついに、隣県の系列店に苗木が残っているという情報をキャッチ。「これを逃したら後がない!」と、その足でレンタカーを借りて買い付けに走りました。

苗木は確保できましたが、肝心の「花」をどう咲かせるかが問題です。

そんな時、テレビで「季節外れの桜を開花させるメカニズム」を目にし、「これだ!」と賭けてみることにしました。その原理は、「一定の暖かさを蓄積させることで、植物に春が来たと錯覚させる」というもの。

私はその逆を試みました。夏から秋の気候が続いていると勘違いさせるため、温度を28℃前後に保ち、できるだけ長く日光に当てる日々が始まりました。

プランナー、時々「花咲かじいさん」

この時期の私は、自分がプランナーなのか、植木職人なのか、はたまた生物学者なのか分からなくなるほど、金木犀と向き合い続けました。

迎えた結婚式当日。 「花咲かじいさん」のように満開とはいきませんでしたが、奇跡的にいくつかの花を咲かせることができました。 そこからはプランナーの腕の見せ所です。少しでも華やかに見えるよう、オレンジ色のモールやリボンで飾り付けを施し、香りはアロマを使って再現。

会場のゲストや新婦様はもちろんですが、何より依頼主であるご新郎が一番驚いた顔をされていました。「花咲かじいさんプロジェクト」は大成功です。

1%の可能性があれば、全力で魔法をかけます

披露宴の結び、新郎謝辞で彼はこう仰ってくださいました。 「今日、僕は絶対に無理だと思いながら金木犀のサプライズを依頼しました。それが、まさか本当に叶うなんて!どんな願いも形にしてくれるプランナーがいるこの会場で、ぜひ皆さんも式を挙げてください!」

私へのサプライズのような最高の褒め言葉をいただき、胸がいっぱいになりました。

その後、この式に参列されていた新郎新婦のご友人も当館でご成約くださり、ご友人の結婚式に参列の際、「季節通りにきれいに咲きました」と、プレゼントした金木犀の写真を見せに来てくださいました。

どんなに無茶だと思えるサプライズでも、1%でも可能性があるならば、私たちはその方法を全力で探し出します。

一生に一度の結婚式。魔法に包まれたような非日常を、私たちと一緒に作り上げませんか?


ライター:佐藤ちなつ

初めてのアルバイトが結婚式場のサービススタッフでした。みんなで創り上げる特別な時間が本当に大好きでした。一般企業に就職中に、結婚式の新規会場がオープンすることを知り、この好機を逃すまいと勢いに任せて転職。その後ウェディングプランナーを努め、延べ9年間800組近くの結婚式に携わらせていただきました。笑いあり、涙ありの結婚式、また普段なかなか見えてこない珍エピソードなどをお伝えします。


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