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フライト中、60代男性客の口から塊が 「ゴロッ」 客室乗務員の“咄嗟の判断”に「助かった...」

  • 2026.6.1
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出典:photoAC ※画像はイメージです。

たくさんのお客様をおもてなししていると、幸せを感じる瞬間から驚くようなハプニングまでいろいろあります。

時には、機内でお客様の命の危険を感じるようなことも…。

そこで今日は、私が実際に経験した今思い出しても足が震えるような、機内での出来事をご紹介します。

「今の音は何?」異変の音と苦しむお客様

その日は、リゾート地へ向かう国際線のフライトで、カップルやご家族連れ、ご友人同士などのお客様が多く、笑顔で溢れる穏やかな時間が流れていました。

間食サービスの時間になり、私たち客室乗務員はお飲み物や軽食のパンを提供しながら通路を進んでいました。

お客様とお話ししながらサービスを進めていると、突然、しゃっくりのような大きな音が聞こえてきたのです。

それまで聞いたことのない音に違和感を覚え、音がした方を振り返ると、ついさっきサービスをした60代ほどの男性が胸元を押さえていらっしゃいました。

苦しそうにうつむく姿に驚き、「お客様、いかがなさいましたか?」とお声がけしても、返事はありません。

一方で、隣にお座りになっていた奥様は「ちょっと、どうしたの?」と笑顔で話しかけていらっしゃいました。

ひらめいた訓練の記憶と咄嗟の判断とは

その瞬間、私の頭に訓練時代に受けたファーストエイドの授業での言葉が頭に浮かびました。

それは「心臓などが痛い時は『痛い』と声を出せるけれど、異物が喉に詰まっている時は声を出せない」というもの。

長年思い出すこともなかったこの言葉が突然ひらめき、咄嗟に「声を出せますか?」とお聞きすると男性は首を横に振りました。

そして「喉に何か詰まっていますか?」と続けると、今度は頭を上下に振り頷かれたのです。

私はすぐさま、訓練で習ったハイムリック法を実践することにしました。ハイムリック法とは、背後から手を回してみぞおち辺りにこぶしを当てて圧迫し、異物を吐き出させる方法のことです。

しかし、狭い座席の中で後ろから力を入れるのは思いのほか難しく、なかなか上手くいきません。

チームワークが命を救った瞬間!

反対側の通路を担当していた先輩の客室乗務員はこの異変に気づき、すぐに私と交代してくれました。

経験豊富な先輩は的確に男性の後ろに回り込み、何度か圧迫を繰り返しました。

するとついに、男性の口から丸まったパンの塊が “ゴロッ” と出てきたのです。

男性は大きく息を吸い込み「助かった......」とつぶやかれました。

最初はただの咳込みだと思われ笑顔だった奥様も、途中でただ事ではないことに気づき、口からパンが吐き出されると涙を浮かべていらっしゃいました。

念のために機内でドクターコール(ドラマのシーンで目にする「お客様の中にお医者様はいらっしゃいませんか?」というあれです)をしてお医者様にみていただいたところ、問題ないとのことで私たち客室乗務員も安堵しました。

もし、あのまま異物が喉に詰まったままだったら…と考えると、今でも胸がドキドキして恐怖心がよみがえります。

機内では水分補給をお忘れなく

機内は非常に乾燥しているため、口の中も乾きやすく、食べ物が喉に詰まりやすい環境といえるでしょう。

機内でのお食事の際は、しっかり水分を摂りながら、ゆっくりとよく噛んで召し上がってくださいね。

そして「客室乗務員の小さな知識でも、お客様の命を救えることがある」と、訓練の重要性を感じた出来事でした。

それでは、安全で快適な空の旅を!


ライター:かくまるめぐみ
大学卒業後、日系航空会社に客室乗務員として入社。国際線をメインに乗務し、世界中を飛び回る。結婚を機に退職し、イタリアへ移住。現在も家族とともにイタリアに在住し、Webライターとして活動。客室乗務員の経験から培った「細やかな心配り」を大切に、コラム記事からSEO記事まで幅広く執筆中。

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