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医師「放置しないでください」→実は『認知症』が進行しているサインかも…知らないと手遅れになる“3つの危険な変化”

  • 2026.4.2
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

親の物忘れが増えると、「ただの老化だろうか」「それとも認知症の兆候?」と不安になることはありませんか。これまでしっかりしていた親が失敗をする姿を見るのは、家族にとって辛いものです。しかし、単なる加齢と認知症では、脳の中で起きている現象や見分け方に決定的な違いがあります。

「いつものうっかり」と「病気のサイン」をどう見分ければよいのでしょうか。また、受診を拒む親に対して、家族はどのように接し、サポートすべきなのでしょうか。今回は専門家の見解をもとに、認知症の初期サインの見分け方と、家族が家庭でできる具体的な対策について解説します。

加齢による物忘れと認知症、決定的な見分け方とは

---親の物忘れが激しくなると不安です。単なる加齢によるものと、認知症の違いをどう見分ければよいのでしょうか?

松岡雄治さん:

「加齢による物忘れは体験の『一部』を忘れ、認知症は体験の『全て』を忘れます。

この違いの裏には、記憶の司令塔の萎縮と、それを加速させる生活習慣病が関係しています。

単なる加齢と認知症では、決定的な見分け方と脳の中で起きている現象の違いが存在します。最も簡単な見分け方は『忘れる範囲』です。加齢による物忘れは、朝ご飯の『おかずのメニュー』を忘れるだけで、食事をした体験自体は覚えています。ヒントがあれば思い出せます。

一方で、認知症の初期サインは、朝ご飯を『食べた体験』を丸ごと忘れ、『まだご飯を食べていない』と食事を要求します。この違いを生むメカニズムが、脳の『海馬』の物理的な萎縮です。これによって新しい情報を記録すること自体ができなくなります。

さらに、中年期の高血圧などの生活習慣病は、この脳の萎縮を強く加速させます。高血圧が長期間続くことで脳の細い血管が傷つき、神経細胞の減少を早めるためです。上の血圧が140mmHgを超える日が続くなら放置しないでください。まずはかかりつけ医で血圧をコントロールする行動から始めましょう。」

料理や金銭感覚の変化は「危険信号」?認知症の初期サイン

---「うっかりミス」が目立つようになると心配です。病気の進行を見分ける、より具体的なポイントはありますか?

松岡雄治さん:

「料理の味が極端に変わるなど、少し複雑な日常の段取りができなくなる変化が認知症進行のサインです。これまでしっかりしていた親が失敗する姿を見るのは辛いものですが、これらは単なるうっかりミスや性格の変化ではありません。脳の『遂行機能』と呼ばれる、物事の段取りを組む能力が低下しているサインです。

日本老年医学会などの基準では、着替えや食事といった『基本的ADL』は初期には保たれます。より複雑な『手段的日常生活動作(IADL)』の障害が早期に現れるのが特徴です。

【家族が気づくべきIADL低下の3つのサイン】

・料理の味が極端に変わった、冷蔵庫に同じ食材が大量にある
献立を考え、複数の作業を同時にこなす段取りの能力が失われている証拠です。

・レジで小銭を出せず、財布がお札の釣り銭でパンパンになる
状況を把握し、正しく計算して支払うという複雑な情報処理機能が低下しています。

・些細なことで激怒したり、『財布を盗まれた』と家族を責めたりする
記憶が抜け落ちた不安をごまかし、プライドを守って辻褄を合わせるために『物盗られ妄想』が生じています。

これらは脳が病的な変化の限界を知らせている自然な反応です。本人には悪気はありません。壊れていく脳の機能の中で必死に現実と戦っている状態なのです。間違いを否定せず話を合わせ、具体的な失敗を記録したうえで、かかりつけ医などの第三者へ相談してください。」

受診を拒む親にどう対応すべき?家族が取るべき「相談のステップ」

---親が物忘れを自覚していても、認知症の受診を強く拒みます。本人のプライドを傷つけずに検査へ促すにはどうすればよいでしょうか?

松岡雄治さん:

「認知症の検査に行こうと親を説得するのは至難の業です。また、本人のプライドを傷つけまいと、受診をためらうのも当然の感情です。脳の機能が変化しているため、間違いを正論で訂正しても本人の不安と怒りを増幅させてしまうことがほとんどです。特に認知症の初期には『取り繕い』と呼ばれる反応がよく見られます。本人は失敗を薄々自覚しており、プライドを守るためにつじつまを合わせようとするのです。

家庭でできる観察と受診へのステップは以下の通りです。

【家庭での観察と早期受診へのフロー】

観察の記録:本人の失敗を直接指摘せず、『週に3回薬を飲み忘れた』など具体的な事実をメモに残しておきます。
受診の口実:『認知症の検査』という言葉は避け、『市の無料健診だから』『血圧の薬をもらうついでに』と提案してみましょう。
医師への根回し:受診前にかかりつけ医へ観察メモを渡し、診察室で自然に検査へ誘導してもらう。

本人がどうしても受診を拒む場合は、無理に連れて行く必要はありません。市区町村の『地域包括支援センター』に家族だけで相談に行きましょう。保健師などの専門職が自宅を訪問する『認知症初期集中支援チーム』といった公的サービスを活用できます。医療や介護の専門家に頼ることで、家族の心理的負担も大きく軽減されます。」

親の変化を冷静に受け止め、専門家の力を借りる

親の認知症の進行を受け入れるのは、家族にとって心理的なハードルが高いものです。しかし、今回解説したような変化は、単なる性格の変化や老化ではなく、脳からのSOSのサインです。

本人を無理に正そうとしたり、説得して受診させようと焦る必要はありません。まずは日々の「記録」をつけ、かかりつけ医や地域包括支援センターといった専門家を頼ることから始めましょう。家族だけで抱え込まず、医療や介護のプロと連携することが、本人にとっても、そして家族自身の平穏を守るためにも最も賢明な選択なのです。

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