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「年齢のせいだから…」閉経後の尿トラブル、実は放置すると“恐ろしい病気”に?医師が警告する“見逃してはいけない症状”

  • 2026.3.29
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

閉経後、以前とは違う身体の変化に戸惑うことはありませんか?

特に「最近トイレが近くなった気がする」「残尿感がある」といった悩みは、なかなか人に相談しづらいものですよね。こうした尿トラブルは、「年齢のせいだから」と放置されがちです。しかし、なぜこうした症状が起こるのでしょうか?また、それは単なる加齢によるものなのか、それとも注意が必要な病気なのか。

本記事では、閉経後の女性に起こりやすい尿トラブルのメカニズムと、自分でできる対策、そして泌尿器科を受診すべきタイミングについて、専門家の見解をもとに詳しく解説します。これからの健やかな生活のために、正しい知識を身につけましょう。

閉経後の身体に何が起きている?「GSM」とは何か

---閉経後に起こりやすい尿トラブルについて教えてください。以前よく聞かれた「萎縮性膣炎」とは違うのでしょうか?

小内友紀子さん:

「閉経すると、身体の中の女性ホルモン(エストロゲン)が低下します。それにより、膣や外陰部、尿道などの粘膜がやせたり、潤いや弾力性が失われてきます。

これらの変化は以前は「萎縮性膣炎」と一般的に言われていました。

現在は閉経関連泌尿生殖器症候群(GSM)と言われ、膣だけでなく、尿道や膀胱などの症状も加えたものになっています。

GSMでよくみられる尿トラブルは再発を繰り返す膀胱炎や、頻尿、尿もれなどがあります。その頻尿・残尿感が実際に膀胱炎かそうでないかは、実際に医療機関を受診されて、尿検査を受けてみられるとよいかと思います。」

その頻尿・残尿感、放置のリスクとは?

---頻尿や残尿感があるとき、無理に病院へ行かなくても様子を見て大丈夫でしょうか?また、膀胱炎かどうかを自分で見分けることはできますか?

小内友紀子さん:

「頻尿や残尿感の原因が本当に膀胱炎で、軽いものであれば、病院で抗生物質を処方してもらわなくても、自然に治ることもあります。

しかし、治らない場合、細菌の入った尿が腎臓に逆流して腎盂腎炎という、より重症の病気になり入院が必要になる可能性があります。また、そもそも膀胱炎ではなく結石や腫瘍など別の病気が起きている可能性もあります。」

泌尿器科を受診すべきタイミングとは

---自分なりにケアをして様子を見たい場合、どのような基準で受診を検討すればよいのでしょうか?

小内友紀子さん:

「閉経後の女性が頻尿や残尿感を感じた時、自分で膀胱炎かどうかを見分けるのは難しいと思います。

軽い膀胱炎の場合は、水分を通常より多く飲む、疲れていたらよく休むようにするなどの対応をとっていただき、2~3日してよくなれば良いかと思います。

しかし、いろいろ対応してもよくならない、だんだん悪くなる、38度を超える発熱がある、日常の生活に支障が出る、頻尿で夜しっかり眠れないなどの場合は、泌尿器科の受診をご検討ください。」

まずは自分の身体の変化を知り、適切に対処を

閉経後の尿トラブルは決して珍しいことではありませんが、我慢しすぎるのは禁物です。水分摂取や休息といったセルフケアで改善する場合もありますが、重要なのは「悪化させないこと」と「他の病気の可能性を見逃さないこと」です。

特に、夜しっかり眠れないほどの頻尿や、38度を超えるような発熱がある場合は、迷わず専門医に相談しましょう。まずは自分の身体で何が起きているのかを知り、つらい症状を放置せず、健やかな毎日を守るためのアクションを始めてみてください。


監修者:小内友紀子
公益財団法人ときわ会 常磐病院 泌尿器科 診療副部長、東京女子医科大学病院 泌尿器科 講師、医師、医学博士 女性泌尿器科医師として、普段は女性によくある尿もれから、男性の前立腺癌をはじめとする泌尿器科領域の癌診療まで診療しております。 【資格】医師 / 医学博士 / 泌尿器科専門医・指導医 / 透析医学会専門医・指導医 / 排尿機能学会専門医