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80代母が体調を崩し→“月18万円”の介護施設に入所させたものの?…数年後、50代男性を襲った“想定外の事態【お金のプロは見た】

  • 2026.3.26
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出典元:photoAC(※画像はイメージです)

こんにちは。家計や老後資金、親の介護費用などのご相談に対応しているマネーシップス代表の石坂です。

近年増えている相談の一つが、親の介護費用に関するものです。特に、都内では施設費用が高くなる傾向があり、家族の負担が大きくなるケースも少なくありません。今回は、兄弟で分担する予定だった介護施設の費用が結果的に一人に集中し、家計の負担が大きくなった50代男性の事例を紹介していきます。

都内の介護施設費用を一人で負担することになった長男の事例

相談に来られたのは、東京都内に住む50代前半の男性です。会社員として働きながら、妻と子どもと暮らしています。

数年前、80代の母親が体調を崩し、介護施設に入所することになりました。母親は都内で一人暮らしをしていましたが、日常生活のサポートが必要な状態になったためです。

入所したのは東京都内の民間の介護施設でした。

  • 施設利用料 約18万円
  • 食費 約6万円
  • 管理費など 約5万円

毎月の費用は、合計で約29万円ほどになります。

母親の年金収入は月15万円ほどでした。そのため、年金だけでは施設費用をまかなうことができず、差額の約14万円を家族で負担することになりました。

相談者の男性には弟と妹がいました。当初は兄弟3人で費用を分担する予定で、一人あたり月4万〜5万円ほどを出す想定でした。

しかし、実際には状況が変わっていきます。弟は自営業で収入が不安定な時期があり、妹も子育て中で家計に余裕がありませんでした。その結果、施設費用の不足分を長男が多く負担する形になっていきました。

最終的には、男性が月10万円以上を負担する状況となり、家計の負担は想定以上に大きくなりました。男性自身も都内の住宅ローンや子どもの教育費を抱えており、「この負担が続くと家計が厳しくなる」という不安から相談に来られました。

介護施設の費用は想像以上に長く続く

介護費用の相談で多いのが、「思ったより長く続く」という問題です。今回のように施設費用が月29万円の場合、年間では約350万円ほどになります。母親の年金を差し引いても、家族が負担する金額は年間で約170万円になります。

入所期間が5年続けば、家族の負担だけでも800万円以上になる可能性があります。兄弟が複数いる家庭でも、住んでいる地域や家計状況の違いによって、負担が一人に集中するケースは少なくありません。

介護費用は早めの整理が大切

親の介護費用は、家族の家計に長期間影響する支出になる可能性があります。そのため、施設入所が必要になってから考えるのではなく、できるだけ早い段階で整理しておきましょう。

まず確認しておきたいのが、親の年金や貯蓄でどこまで費用をまかなえるのかという点です。そのうえで不足する場合は、家族でどのように負担するのかを事前に話し合っておく必要があります。

また介護費用は、公的な制度によって負担が軽くなる場合もあります。施設の種類や所得によって費用が変わることもあるため、制度を確認しながら、家計への影響を整理することが大切です。

親の介護は多くの家庭が直面するテーマといえます。家族の負担が一人に偏らないよう、早い段階で費用と役割を整理しておくことが大事です。


監修者:石坂貴史
証券会社IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー・証券外務員)、日本証券アナリスト協会認定資産形成コンサルタント、2級FP技能士、AFP、NISA取引アドバイザー、マネーシップス代表。累計1,200件以上のご相談、金融関連の記事制作、校正・監修を手掛けています。「金融・経済、不動産、保険、相続、税制」的6つの分野が専門。各種メディアにて毎朝金・プラチナ市況の解説を担当。お金の運用やライフプランの相談において、ポートフォリオ理論と行動経済学を基盤にサポート。