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「タワマン6㎡、低層66㎡」同じ70㎡の部屋なのに10倍差…老後に効く、知らないと損するマンション選びの盲点

  • 2026.4.8
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※ChatGPTにて作成(イメージ)

皆さま、こんにちは。不動産業界歴15年のライター西山です。

マンションを購入する際、華やかなイメージのタワーマンションと、落ち着いた雰囲気の低層マンションのどちらを選ぶべきか悩む方は多いのではないでしょうか。実は、「土地の持ち分」という目に見えにくい要素に注目すると、低層マンションには老後に効いてくる隠れた強みが存在します。

今回は、将来の資産価値を左右する土地の持ち分の仕組みと、低層マンションのメリットや注意点についてプロの視点から解説しましょう。

タワマンと低層マンションの「土地持ち分」の格差

マンションを所有するということは、原則として建物の区分所有権に加えて土地の共有持ち分(敷地権)をあわせ持つ状態を指します。この土地の持ち分こそが、低層マンションの最大の強みです。土地の持ち分は、マンション全体の総専有面積に対する自分の部屋の面積割合で計算されます。戸数が少なく敷地にゆとりがある低層マンションほど、1戸あたりの持ち分が大きくなります。

例えば同じ70㎡の部屋を所有する場合でも、敷地面積3,000㎡・総専有面積35,000㎡のタワーマンションなら持ち分は約6㎡。一方、敷地面積2,000㎡・総専有面積2,100㎡の低層マンションなら約66㎡となり、実に10倍以上の差が生じます。

この差が、将来の建て替え時に大きく効いてきます。持ち分が大きいほど従前資産評価額(建て替え前の資産の評価額)が高まりやすく、建て替え後に権利として取得できる床面積の目安となる「権利床面積」も大きくなりやすいのです。戸数が少ない低層マンションは合意形成もしやすく、建て替え議論をスムーズに進められる点でも有利です。

2026年法改正の追い風と現実的な費用負担の壁

こうした低層マンションの強みを、2026年4月に施行予定の改正区分所有法(マンションの所有や管理に関するルールを定めた法律)がさらに後押しします。耐震性の不足や外壁の剥落リスクなど特定の条件を満たす老朽マンションに限り、建て替え決議に必要な賛成割合が原則の5分の4から4分の3に引き下げられる予定です。

少人数で意思統一しやすい低層マンションにとって、合意形成のハードルがさらに下がる追い風といえます。ただし、建て替えへの道のりが平坦になるわけではありません。建築費の高騰により、1戸あたり数百万円から1,000万円規模の追加費用が発生するケースもあります。

日々の負担を見極める、後悔しない物件選び

低層マンションは土地の資産価値が高い反面、戸数が少ないゆえの注意点も存在します。管理組合の役員が回ってくる頻度が高く、数年から10年に1度程度のペースで理事などを務める負担が生じます。さらに、1戸あたりの修繕積立金や管理費が割高になりやすいのも実情です。

物件を検討する際は、法務局やオンラインで登記事項証明書(不動産の権利関係などが記載された公的な帳簿の写し)を取得し、実際の土地持ち分を数字で確認してみましょう。将来の資産価値と日々の管理負担のバランスを考慮し、総会議事録を読み込んで管理組合の活性度や役員の負担感を見極める視点を持つことも大切です。

参考:老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律について(法務省)



筆者:西山雄介(宅地建物取引士・マンション管理士などの資格所有)
不動産業界歴15年。新卒で東証プライム上場のマンションデベロッパーに入社後、計2社で新築・中古販売および管理業務に従事。実務現場を経て管理職も歴任し、組織運営にも携わる。現在はその多角的な視点を活かし、実務解説から不動産投資、法律事務所案件まで、専門性の高いコンテンツ制作・ディレクションを行っている。


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