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月収50万芸能人「10回連続で審査落ち」30代前半友人を襲った入居審査の落とし穴

  • 2026.4.15
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。現役の不動産会社社長として、日々さまざまな土地や建物のご相談に向き合っている岩井です。

芸能人と聞くと「収入が高くて優雅な暮らしができる」そんなイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。そのため、賃貸の入居審査も問題なく通ると思われがちです。

しかし実際には、「なぜか審査に落ちる」というケースも少なくありません。テレビなどで「芸能人は賃貸審査や住宅ローンに通りにくい」と耳にしたことがあるでしょう。

収入はある。仕事もしている。それでも審査に通らない。

その理由は、表に出てこない“審査の基準”にあります。

今日は、ローカル芸人として活動する友人が「10回以上」入居審査に落ちた実話をもとに、賃貸審査の“本当の評価基準”についてお話しします。

表には出てこない「職業のリアル」を、ぜひ知ってください。

収入はあるのに審査に落ち続けた理由

数年前の話です。地元で活動している30代前半の友人Aさんから部屋探しの相談を受けました。

Aさんはローカル番組やイベントに出演する芸人で、月によっては50万円以上稼ぐこともある一方、10万円を下回る月もあるという、いわゆる“波のある収入”の仕事をしていました。

すでに10回以上、賃貸物件の入居申し込みをしており、そのすべてが審査落ち。理由は毎回「総合判断により見送り」とだけ伝えられ、具体的な説明はありません。

「ちゃんと働いてるんですけどね…なんで落ちるんですかね?」

そう言いながら、彼は少し疲れた表情をしていました。

審査で見られているのは“金額”ではない

不動産会社として裏側を知っている立場から言うと、原因はほぼ明確でした。それは「収入の安定性」です。

賃貸の入居審査では、年収の高さよりも「来月も同じように支払えるか」が重視されます。

例えば、以下のような違いです。

  • 年収400万円でも、毎月安定した収入がある会社員
  • 年収500万円でも、月ごとに収入が大きく変動するフリーランス

この場合、審査で有利になりやすいのは前者です。

芸人、個人事業主、歩合制営業などは、どうしても「滞納リスクが読みにくい」と判断されやすい傾向があります。

本人に悪気がなくても、貸す側からすると「もし支払いが止まったらどうするか」が先に来るのです。

「職業で落とされた」と感じた瞬間

ある物件でのことです。家賃は7.8万円、保証会社も利用可能な条件でした。内見時のAさんの印象も良く、私は「今回はいける」と感じていました。しかし結果は、またしても否決。

Aさんはその場で、ぽつりとこう言いました。

「芸人ってだけで無理なんですかね…」

実際のところ「芸人だからNG」という明確なルールはありません。ただし、審査の現場では次のような点が見られます。

  • 収入の証明が難しい
  • 将来の収入予測が立てづらい
  • 職業の継続性が見えにくい

芸人の場合、レギュラー番組の本数や出演機会によって収入が大きく変動することもあり、安定性を判断しにくい職業と見られがちです。

こうした要素が重なることで、結果として「リスクが高い」と判断されやすくなります。

条件を変えたことでようやく通過

そこでAさんは、申し込み条件を大きく見直しました。

  • 借主を個人ではなく、所属事務所名義に変更
  • 連帯保証人を安定収入のある会社員の親族に設定
  • 預貯金残高を提出
  • 過去の収入実績をできる限り書面で提示

いわば、「信用を補強する」ための対策です。収入の“波”がある部分を、別の要素で補うイメージです。すると、次に申し込んだ物件でようやく審査に通過。

Aさんはほっとした様子で「やっと住めます…」と肩の力を抜いていました。

実は“誰にでも起こり得るリスク”

今回のケースは芸人という職業でしたが、決して他人事ではありません。審査で見られているのは「職業」ではなく「収入の安定性」です。

例えば、次のようなケースでも、同じように審査で不利になることがあります。

  • 転職直後で勤続年数が短い
  • フリーランスになったばかり
  • 歩合制で収入が不安定
  • 副業が中心で、本業収入が少ない

つまり問題は、「職業名」ではありません。収入の安定性と、それをきちんと説明できるかどうかです。

審査に通る人がやっている準備

入居審査は「いくら稼いでいるか」だけで決まるものではありません。審査で見られているのは「その支払いが継続できるかどうか」です。

そのため、審査に不安がある場合は、事前の準備が重要になります。

  • 収入の証明をできるだけ具体的に用意する
  • 預貯金や貯蓄を提示して補完する
  • 連帯保証人の条件を強化する
  • 家賃設定を無理のない範囲に見直す

こうした対策を怠るとAさんのように何度も審査に落ち、引越しのタイミングを逃し、結果的に仕事や生活に影響が出ることもあります。実際にAさんは、引越しが遅れたことで移動効率が悪化し、月の収入が約5万円下がった時期もありました。

審査は運ではなく、準備で結果が変わります。「自分は大丈夫」と思っている方ほど、一度立ち止まって見直してみてください。

それが、後悔を防ぐ一番の近道です。



筆者:合同会社ゆう不動産 代表 岩井佑樹

不動産売買の専門家として仲介・査定・買取に携わりながら、不動産Webライターとして1,000記事以上を執筆。「売る力×伝える力」を軸に、情報発信と販売の両面から不動産の価値を高めている。派手さよりも誠実さを大切にし、地域に寄り添う姿勢で「早く・高く・安心」の取引を支える不動産の専門家。


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