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「うちの保険で直します」台風で隣家の580万新車を直撃→40代夫妻が謝罪も…口約束の数日後、発覚した“思わぬ盲点”

  • 2026.5.25
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出典:photoAC(※画像はイメージです)

皆さま、こんにちは。不動産管理会社で10年以上の現場実務に携わってきた、マンション管理士のS.Kです。台風が接近する季節になると、ご自宅の屋根や外構が強風で飛ばされないか不安になる方も多いのではないでしょうか。

今回は大型台風の突風でカーポートの屋根が飛散し、隣家の車を直撃してしまったご家族のエピソードを紹介します。

大型台風でカーポートが飛散し隣家の新車を直撃

小学生の子ども2人と暮らす40代のGさん夫婦は、築5年の戸建てに住んでおり、新築時にアルミカーポートを設置していました。

ある9月の大型台風が上陸した深夜、カーポートのポリカーボネート板が突風により飛散します。翌朝になって確認すると、隣家が1年前に購入した新車価格580万円相当のミニバンを直撃していました。車の天井やフロントガラスは大きく破損しており、ひどい状態です。

Gさんは慌てて隣家へ向かい「本当に申し訳ありません。うちの保険で何とかしますから」と平謝りして口約束を交わしました。隣人もひとまず納得した様子でした。

自然災害は対象外。法律上の責任は本当にないのか

後日Gさんが、火災保険に付帯する個人賠償特約の窓口へ連絡すると、事態は急変します。保険会社から「自然災害は不可抗力であり法律上の賠償責任は生じないため、保険金はお支払いできません」と回答されたのです。

実は、民法717条では土地の工作物の設置や保存に瑕疵(欠陥)があれば、賠償責任が生じると定められています。

自然災害が原因の場合は不可抗力とみなされ、原則として賠償責任を負いませんが、三井住友海上のFAQでも「損害賠償責任を負わない可能性が高い」「法律上の損害賠償責任を負った場合は補償されます」と表現されており、責任を負うケースが完全に否定されているわけではありません。

たとえば以下のような事情があれば、瑕疵が認定されて賠償責任が生じる可能性があります。

  • カーポートの取り付けに不備があった
  • 明らかに老朽化していたのに放置していた
  • 周辺の建物には被害がないのに自宅だけ大きな被害が出ている

今回はGさんに過失がないと判断され、保険対象外となったのです。

隣家は「そっちの屋根なのに自費で直せと言うんですか」と納得がいかず、ご近所トラブルに発展しかけます。最終的に隣家は自身の車両保険で修理し、Gさんはお詫びとして30万円の見舞金を渡して和解に至りました。賠償金として支払うと法律上の責任を認めた形になり、後日の追加請求につながる可能性もあるため、見舞金として整理することがトラブル予防の観点で重要です。

飛来物は原則お互い様。事前の防衛策と保険の確認

Gさんの自宅のカーポート再設置費用である65万円は、自身の火災保険の「風災補償」で大半をカバーできました。台風による飛来物の被害は、原則としてお互い様となります。被害を与えてしまっても「うちの保険で直す」と安易に口約束しないことが第一の防衛策です。

万が一の事態に備え、ご自身の火災保険の「風災・雪災・ひょう災」特約の補償額と免責金額を毎年確認しておきましょう。また外構設備が、火災保険の建物の対象に含まれているか、保険証券もあわせて確認してみてください。

参考:
【火災保険】台風で屋根や瓦が飛ばされ、隣の家やその車に損害を与えた場合、「日常生活賠償特約」または「個人賠償責任(総合)担保特約」で補償されますか?(三井住友海上)
民法(e-Gov法令検索)



ライター:S.K(マンション管理士)
不動産管理会社で10年以上の現場実務に携わり、業界団体の評価制度策定委員会に所属していた経験がある。現在はライターとして、自身の豊富な経験・知見をもとに、一次情報を盛り込んだ不動産記事を多数執筆している。


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