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タワマン35階で「窓を開ければ東京タワー」→入居半年後のGW、30代夫婦が痛感した“大誤算”【一級建築士は見た】

  • 2026.5.21
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※ChatGPTにて作成(イメージ)

「窓を開ければ東京タワーが見える。それだけで決めたんです」

そう話すのは、都内のタワーマンション(地上45階建て・35階の3LDK・約78㎡)を約1億2,000万円で購入したJさん(30代夫婦・子ども1人の3人暮らし)です。眺望と立地に惹かれ、内覧の日に契約を決めたといいます。

ところが入居から半年。「眺望は最高なんですが、毎日の生活で予想外に消耗しています」と話します。とくにGWの連休中、家族で出かける機会が増えるたびに、その負担を実感したそうです。

エントランスまで「片道6分」の現実

35階のJさんの部屋から1階のエントランスまで、玄関のドアを出てからエレベーターの待ち時間を含めると、平均で約6分かかるといいます。出勤や通学の時間帯はエレベーターが混雑し、各階で停まるため8〜10分かかることもあります。

「忘れ物に気づいて取りに戻ると、そこから20分のロス」とJさんは苦笑します。

子どもが「トイレに行きたい」と言い出したときの選択肢は、近くの商業施設で済ませるか、20分かけて往復するかの2択。コンビニまで往復20分かかる感覚は、低層階や戸建てに住んでいた頃には想像もしなかったといいます。

連休中は来客や宅配便でエレベーターがさらに混雑します。ピーク時は1階のロビーでエレベーター待ちの列ができ、上階の住人ほど待ち時間が長くなる傾向があります。

宅配や買い物が「ひと仕事」になる

タワマン暮らしで意外と消耗するのが、日常の買い物や宅配対応です。

宅配便は、エントランスのオートロック解錠とエレベーターでの配達員の往復があるため、一般的なマンションより時間がかかります。再配達依頼をしたものの、配達員と入れ違いになり何度もエレベーターを往復する羽目になった、という経験をした方も少なくありません。

スーパーでまとめ買いをしたときも、駐車場から自宅までの移動がひと仕事です。エレベーター待ちの間に重い荷物を持って立ち続けることになり、子ども連れだと余計に大変です。

Jさん夫婦はどう対応したのか

入居から半年で日常の負担を痛感したJさん夫婦は、暮らし方を見直しました。

まず、買い物はネットスーパーと食材宅配に切り替え、月2回のまとめ買いを基本にしました。宅配便は宅配ボックスを最大限活用し、対面受け取りが必要な場合は時間指定を徹底。

「最初は『眺望のためなら多少の不便は我慢できる』と思っていましたが、毎日のことなので積み重なります。住む前に、もっと生活の動きをシミュレーションすべきでした」とJさんは振り返ります。

「眺望」より「動線」を見る

タワーマンションの内覧では、眺望や共用施設に目を奪われがちです。しかし、毎日の暮らしを左右するのは、玄関を出てから1階に降りるまでの数分間や、買い物・ゴミ出し・宅配対応といった地味な動線です。

検討段階で確認しておきたいのは、以下の点です。

・自分の階数からエントランスまでの実際の移動時間
・エレベーターの台数と各階停止のルール
・宅配ボックスの設置数と空き状況
・ゴミ集積所の位置と利用ルール

「眺望が良ければ毎日が豊かになる」とは限りません。眺望はすぐに見慣れますが、動線の不便は毎日続きます。

「住んだあとの自分」が無理なく暮らせるか。その視点で見ておくことが、タワマン選びで後悔しにくいポイントです。


ライター:yukiasobi(一級建築士・建築基準適合判定資格者)
地方自治体で住宅政策・都市計画・建築確認審査など10年以上の実務経験を持つ。現在は住宅・不動産分野に特化したライターとして活動し、空間設計や住宅性能、都市開発に関する知見をもとに、高い専門性と信頼性を兼ね備えた記事を多数執筆している。


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